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建築設備現場管理者の分業制について

おはようございます。

今日は建築設備の施工管理の業務を二つに分けていこうと思います。
図面や書類やら現場のチェックやら、色々業務があると思いますが、ここでの分け方は「現場でしかできない業務」と「在宅でできる業務」です。
これは建築設備の施工管理の、今までと違った仕事の仕方をするための第一歩であり、他の業界では普通に考えられているであろうことですが、建設業ではあまり考えられていない(考える思考に至っていない)ことだと思います。

前回お話した完全分業制の考え方を順に沿って説明します。

「現場でしかできない業務」

施工管理の仕事は文字通り、「施工」を「管理」する為、施工現場に行き、きちんと施工がされているか、品質や工程・安全の管理をする必要があります。具体的には①設備の配管・ダクトが施工要領書通りの材質・吊り方法になっているかどうかの確認や、②スケジュール通りに施工がされているか、施工の順番に間違いはないか、更に③作業している人が安全に作業できているか(作業手順書通りの作業をしているか)を確認する必要があります。つまり、現地に行って確認しなければならないことは当たり前ですが現地でしかできません。


現場では、品質的に問題が発生する場合があります。施工図でどうしてもミスが出てしまい、配管とダクトが図面上で干渉してしまっている箇所があります。そのことが、現場で発覚すればその問題に対して、どうすれば一番最適かをその場で判断しなければなりません。その場で判断できない事項であれば、一度検討する必要があるので、「その場で判断できるかどうかの判断」を行い、作業員の方に指示しなければなりません。その業務もまた、現場でしかできない仕事となるのではないかと思います。

むしろ、、この業務が一番現場で重要な仕事だと考えています。
現場で問題に対して判断することは、「さじ加減」も必要になりますので、現時点では機械(ロボット)ではなく、「人間」が必要になると思います。なので、これに関しては間違いなく現場に「施工管理をする人間」がどうしても必要になると思います。

「在宅でできる業務」

一方で「在宅でできる業務」とは、「現場や現場事務所にいなくてもできる業務」です。言い換えれば、わざわざ現場事務所に行ってやる必要のない業務です。

答えからいうと、、、「現場対応以外の全ての業務」です。
そう、当たり前ですよね。。でもなかなか意識してないですよね。

具体的には、①下請け業者の発注~検収業務(管理部がやっている会社がほとんどかもれませんが、弊社は今だに現場代理人がやっています。。)等の原価管理や、②総合図や施工図・竣工図等の図面作成、③機器メーカー(代理店)からの納入仕様書のチェックや修正依頼、④諸官庁提出書類の作成等です。また、⑤現場でチェックした検査表や撮影した施工写真のまとめ・整理も在宅でできます。

・・・結構ありますよね。現場にわざわざ行かなくてもパソコンがあれば、会社でも家でもほぼできるんです。。。そう思いませんか?

「完全分業制」とは

今はこの「現場でしかできない業務」と「在宅でもできる業務」をごちゃまぜにして、全ての業務を行っているのが建築設備のサブコン現場管理者でございます。1つ1つの業務は実は頭の使い方、頭の回し方が全然違うんですよね。

例えば、、、
現場の増減の見積もりを作成している時に、現場の作業員の方から連絡が来て、現場を見に行き問題を把握し最適な判断をし指示を行い、また事務所に帰って引き続き見積もりを作成する。

この一連の流れでどれだけ非効率か分かりますよね?
現場へ行く、行かないを比べるとその見積もりの質・作成時間は雲泥の差です。それが分からず(気づいていても特段何もせず)、繰り返しているのが現状ではないかと思います。

残業が多くなっている原因の本質はそこにあると思っています。
裏を返せば、頭の切り替えの数を減らし、1つ1つの業務に集中することが残業を減らす鍵だと思います。あとは仕事の仕方を「ボトムアップ型」から「トップダウン型」にしないといけないと思います。(これについてはまた別で説明します。)

従って、下記の通りに役割を完全に分けて仕事をすれば残業を減らせると思います。

①原価管理、施工図作成、仕様書チェック、諸官庁提出書類作成、写真の整理は全て現場にいる人ではなく、会社で一括管理をする。
②現場で対応する人は、施工要領書の作成、現場図面の把握、工程表の作成、施工手順書の作成、現場そのもののチェック・写真撮影他雑務を行う。
③現場で納まりの問題があれば、その場で判断し、検討事項は施工図作成した人に連絡し、検討・判断してもらう。

尚、会社は一つの現場だけではないので複数の現場を一括で管理する。用は現場の仕事を現場代理人に全て任さないということです。

ここで大切なのは施工図の精度とコミュニケーションです。むしろ、これが生命線となります。いかに問題のない施工図を作成し、図面の意図を現場管理者に伝えられるかが重要です。

なかなか難しいかもしれませんが、できないことはないと思います。完璧な図面ができるだけでも、現場はかなり楽になります。


現場で作業員の方が帰れば、現場の報告を会社にして、明日のやることリストを確認して、毎日19時には帰る。
夢物語かもれませんが、そんな日が来るように色々試行錯誤したいです。


長文にお付き合い頂きありがとうございました。
ご意見・ご感想等頂ければ幸いです。



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