[イベントレポート]ON-SCREEN TYPOGRAPHY DAY2019に参加して
本日、6/9(日)に渋谷にて行われたON-SCREEN TYPOGRAPHY DAY2019に参加をしてきました。スライド等の写真撮影はNGだったため、今回はNotionにメモしたものの中から印象に残っている言葉や文章を掻い摘んで紹介していきたいと思います。
1. イントロダクション - タイポグラフィを怖がらないために
最初のセッションはカワセ タケヒロさんによる「〝タイポグラフィ〟を怖がらないために」というセッションから始まりました。
“タイポグラフィは、活字を用い、それを適切に配列することで、印刷物における文字の体裁を整える技芸である。 - wikipediaより“とされているが、デジタルフォントを扱う時代においてタイポグラフィとは「デザインの中で文字を扱うこと」と定義し直しても良いかもしれないという話しをされていました。
また、オンスクリーン系制作者がタイポグラフィと仲良くなれない3つの理由も紹介。
オンスクリーン系制作者がタイポグラフィと仲良くなれない3つの理由
1. ウェブフォント利用は運用コスト増
2. タイポグラフィにこだわると開発コスト増
3. タイポグラフィの必要性を説明できない
個人的には読み込み速度の問題があるのでは?と思いましたが、もしかしたら近年解決されたのかもしれないのでそこらへんは今度自身で調べてみたいと思います。
また、github上でWebタイポグラフィに関する基礎知識や知見をネットで公開していることも共有していただけたりと、全体的にはタイポグラフィの基礎的な部分に関するセッション内容でした。
2. 美しいものを作るために必要なこととは
次に紹介するのは長谷川 弘佳さんの「美しいものを作るために“我々は何ができる”か」のセッション内容です。
「タイポグラフィが土台。文字がない仕事はない。」というお話しから始まり、ご自身の事例紹介の中からサン・アドのリニューアルをどのように進めたのかを説明していただきました。ナビゲーション周りをどのような思想を元に設計をしたのか、また、アニメーション周りをどのようにこだわって作り込んだのかを共有いただきました。
さらに美しいデザインの条件の共有から
美しいウェブデザインの条件
1. 全体を通して意図が明確に現れていること
2. 機能的に不自由せず、快適に操作できること
3. 造形的に美しくあること
4. 視覚的、体験的に飽きないこと→単調だと飽きてしまう
5. 文字、写真、言葉がそれぞれの機能を果たしながらも、一体となって、何か伝わってくるものがあること
美しいものを作るにはどうしたら良いかなど
文字情報を伝えるタイポグラフィを用いながら、機能、構造、情感、時代性、時間軸、動き、体験などすべてが一体となる佇まいを作り上げることを目指す。その佇まいが完成した時、人を魅了する美しものがきっとできると信じている。
最終的には汗をかくことが大事だという少し体育会系な発言が出てきてビックリしましたが、まさにそうだよなぁと思いながら自分も美しいものを作れるようになろうと気持ちを新たにすることができたセッションでした。
3. 中庸や標準は常に変化する
だいぶ飛ばして最後に有馬 トモユキさんの「そうして言葉は飛んでいく」というセッションを簡単に紹介します。
「なぜ我々はテキストを操作するのか」ということを始めに考えていきながら、タイポグラフィの編集点(レイアウトや書体、グリフの形状など)をどこに置くかで伝わるメッセージは変わるということや、専門性の高い言葉は解像度は高いが飛距離をロスしているという話しをされていました。
物事の伝え方は無限に変えることができ、それは言語の定義やゲームルールを変えることでも良い。また、私たちはもっと道具(=思考)に縛られないように意識しましょうともおっしゃっていました。
中庸や標準(定形)は常に変化するし、それらは常にチューニングが行われている。そのため、定形に対する保証はいつもされるとは限らない。セッションが終わった後にさらりと「美しさを標本しても良いが、正しさを標本してしまったら終わり」と発言されていましたが、常に当たり前を疑い続け・アップデートし続ける姿勢が大事だということを本セッションで学ぶことができました。
最後に
以上、一部のセッションだけですがイベント内容を紹介させていただきました。そのほかにも後藤 健人さんのバーティカル・グリッドの組み方に関する紹介や、土屋 綾子さんや桝田 草一さんといったデザイナーと協業する職業の方達の思想や考え方を知ることができ非常に満足度の高いデザインイベントだったと思います。
さらなるイベントの詳細やどんな話しがされていたのか知りたいという方はTwitterをご覧いただけると良いかと思います。
それでは👋
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