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今更だけど、Nikon Df ④ 状態のいいMicro-Nikkor Auto 55mm F3.5を入手した

Micro-Nikkor 55mm F3.5 といえば、ニコンFマウントでは最初のマイクロニッコールで、有名なレンズ設計者である脇本善司氏が設計を担当した。
このレンズの開発のエピソードについては《ニッコール千夜一夜物語》に詳述されている。販売されていた当時(1960~70年代)は、抜群の解像度を誇る銘玉として知られていたらしい。

マイクロニッコールは、Ai55mmF2.8と、AiAf60mmF2.8Dをメインで使っていたが、このレンズは一度も所有したことがなかった。
少し前にオークションでとても状態のいい物(非Aiで中間リング付き)を、わずか数千円で入手した。シリアルナンバーからすると1967年の製造らしい。
手元に届き、箱から取り出して、まず、その外観の美しさにため息をもらした。精密機器らしい緻密でクールな印象、そして小ぶりで品のいいどこか控えめな佇まい。
この古いレンズに比べると、今のレンズは光学性能は高いのだろうが、安っぽい物が多い。

左下の画像は、中間リング。このレンズ、実はハーフマクロ(最大撮影倍率が1/2倍)で、この中間リングをとりつけると等倍マクロになる。

さて、いざ撮影!
ということで、茨城県北の海辺の町までドライブし、ニコンDfにつけて撮影してみた。

この写真は現像時、彩度を落として、自分好みの色合いにしている。
カメラ側の設定にもよるが、撮って出しは、もっと色乗りがいい。もっとも現代のレンズに比べれば、あっさりした感じはする。コントラストも控えめで、ネガっぽい表現が得意かも。
逆光での撮影で、絞りを開けると、ちょっとフレアっぽい写りになる。それがオールドレンズの面白さ。この写真は現像時にかすみを除去してコントラストを上げている。
この写真だけは、Ai85mmF2(軽くて小さな中望遠レンズ)で撮っている。この写真もかなり彩度を落としている。撮って出しだと色乗りがいい。現代のレンズに近い感じ。
解放から半段絞って、F4。解像感はあるんだけど、あまりエッジが立たないというか、カリカリしないのがいい。F5.6まで絞ると、かなりシャープ。

というわけで、とてもよく写る。オールドレンズらしい味わいもあるし、(マイクロレンズなので)、とにかく寄れる。しかも軽い。
お気に入りの1本になった。


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