見出し画像

写真集『PUGLIA TRA ALBE E TRAMONTI』Luigi Ghirri ルイジ・ギッリ

先々週、栃木県の益子町の古本屋兼アンティークショップ《内町工場》さんで、ルイジ・ギッリの写真集を購入した。ルイジ・ギッリは有名なイタリア人の写真家(故人)で、写真史においてはニューカラー派に分類される。

購入した写真集のタイトルは『PUGLIA  TRA ALBE E TRAMONTI(日の出と日の入りの間)』。

Puglia(プーリア)はイタリア南部、地中海の面する州の名で、風光明媚な観光地らしい。白い石造りの街並みを背景に、色鮮やかな看板や車や扉が、絵画の点景のように浮かび、目を惹く。

だが写真集全体を通してみると、地中海に面する有名な観光地を撮影したにしては、派手な印象はない。逆に静かで地味な感じの写真が多い。今どきの言葉でいえば、映(ば)えない、静物の絵画のような、おとなしい写真群である。

でも見れば見るほどに味わいが増してくる。

写真の多くはスナップだが、必要なものはすべて画面に入っており、不必要なものは残らず排除した、そんなきっちりとした計画を基に撮影したような企みを感じさせる。

ちなみに、ルイジ・ギッリの『写真講義(みすず書房)』という本の帯には、同じくニューカラー派に分類される映画監督・写真家のヴィム・ヴェンダースのルイジギッリの写真に対する賛辞が記されている。

ヴィムも、ルイジ・ギッリの熱烈なファンだったようだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?