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DevRel Guildの立ち上げと反響から見えた技術広報の課題

株式会社タイミーDevRel・DevRel Guild設立者のかわまたです。
技術広報 Advent Calendar 2023 シリーズ2、12日目の記事としての投稿になります。
今回は表題の通り、DevRel Guildの立ち上げとその反響から見えた技術広報が持つ課題について書きたいと思います。

DevRel Guildとは


DevRel Guildロゴ

DevRel Guildとは私が2023年9月13日に立ち上げた、DevRelや技術広報の人たちが情報交換をする為のコミュニティです。DevRelや技術広報をメインロールとされている方やEMやHRと兼務している方も含め、企業対エンジニアのコミュニケーションに携わっている方々がフラットに情報交換できるコミュニティ型Slackスペースとして立ち上げました。
私自身、予想をしていなかったレベルの反響をいただき、現在既に
240名が参加しています。

そもそもDevRelとは

DevRel(Developer Relations:開発者向け共創マーケティング)とは、「自社製品・サービスと、外部開発者・ユーザーとのつながりを作り上げる活動」です。
具体的には、エヴァンジェリスト、アドボケイトと呼ばれる人を中心にコミュニティを形作り、コミュニケーションを取りながら、自社製品を良くしていく(そして宣伝する)活動が一般的です。

DevRel エンジニアフレンドリーになるための3C

として『DevRel エンジニアフレンドリーになるための3C』でも定義されております。
私も前職のForkwellではエンジニア向けマーケティング寄りな立場でコミュニティマネージャーなどの役割を担っておりましたので定義は理解しているところであります。
しかし、私個人の想いとして採用・技術広報文脈での活動であってもDevRel活動の様に企業とエンジニアが双方向に良いコミュニケーションを取り、より良いエンジニア文化を共創していける様になって欲しいという気持ちがあります。ゆえにForkwellからタイミーに転職した際に一般的には技術広報と定義される様な立場ながらForkwell時代同様にDevRelを名乗っています。

世の中的にも意味合いが拡張してきている

フリーのEMであり、noteで数多くの発信をされている久松さんもトレンドとして採用文脈の領域にDevRelという言葉が使われる現象を観測しているとのことでDevRelという考え方の広まりを感じるところであります。

DevRel Guildは文脈不問だが……

DevRel Guildではマーケ文脈、採用文脈いずれのDevRelでもOKとしています。いずれであっても共通する学びがあると考えており、そうでなくても双方に学ぶことがあると思っています。
とはいえ、DevRel Guildの現状としては採用文脈を背景に持ったDevRelや技術広報に取り組んでいらっしゃる方の割合の方が圧倒的に多い状況です。
今回は主題でもDevRelではなく敢えて技術広報と書いている様に採用文脈を背景に持った技術広報の課題について書いていきます。

技術広報の課題

前置きが長くなりましたが本題に入りたいと思います。
多くの企業における技術広報において共通する課題は以下になります。

  • EMやHRとの兼任によるリソース不足

  • 専任を置いていても1名体制であることが多く、孤独

  • 専任、兼任問わず経験豊富な人は少なく、ノウハウがない

DevRel Guildの参加者を観測していても専任で技術広報に取り組んでいるという人間は少なく、会社でも立ち上げたばかりであったりEMやHR、現場のエンジニアが兼任しているというケースがとても多いです。
専任化していたとしても広報やHRからの異動が多く、技術広報の経験者ではない為、手探りな状況が多い様です。

課題に刺さったDevRel Guild

DevRel Guildは河又個人が30-40人ぐらいでわいわい交流しながら情報交換が出来れば良いな〜と思って立ち上げたものですが、上記の多くの人々が抱えていた課題に刺さった結果、240名規模のコミュニティになりました。
もちろん、個社ごとのリソース不足の解消は出来ませんが、孤独といった課題やノウハウについてはGuild内での知見共有によって解決が可能になってきており、上記課題のうち下2つに対してはかなり有効なコミュニティになっているのではないかなと思います。

これからの技術広報はどうするべきなのか

手段はコミュニティでも何でも良いのですが、孤独を解消することがとても重要に思っています。横の繋がりを見出しましょう。
テックブログなどであれば自社だけでも完結するところではありますがイベントなどは共催企業がいた方がコンテンツも揃えやすく、開催し易いです。社内に限らず、社外にも仲間を見つけるということがとても重要です。
例えば初めてカンファレンスにスポンサーでブース出展するみたいな場合は分からないことだらけになりがちですが、会社によっては毎年の恒例行事の如く、様々なカンファレンスにスポンサー出展してたりします。そういったノウハウのある技術広報の方に学ばせて貰うことが出来る様になれば今後の取り組みの幅も広げていけるのではないかなと思います。

技術広報の未来とまとめ

技術広報のロール自体が一過性のブームなのか、今後も広がっていくロールなのかは私には分かりません。
とはいえ、このロールがどうなるにせよ、イベント開催や技術カンファレンスでのブース出展ではプロジェクトマネジメントの様な能力が求められますし、企画力や社外との調整能力も重要です。
比較的、応用が効く能力だとは思うのでロールがどうなろうと生きていく力が身に付くお仕事だな〜とは思っています。
そして、人の縁というのはやはり大事なもので技術広報として孤独は解消せよとお伝えしましたが、社内外に仲間がいればいざという時も結構なんとかなるものではないのかな、と思います。
もちろん、それは「良い仕事」をしていることが前提になりますが、仲間を作って、良い仕事してロールに依存しないキャリアを自分自身の手で作っていくのがこれからの時代、重要になると思っています。
皆で協力して「良い仕事」をしましょう。

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