パートナー戦略(代理店戦略)の開始前に必ず確認すべきこと
皆さんこんばんは。
パートナーセールスの葛西です。
既に有給でGWに入ってる方もいらっしゃるかと思いますが、明日からGWという方も多いのではないでしょうか。
私もパートナー様が稼働している=私も一緒に並走・稼働かと思いますので、昨日・今日と普通に勤務してました!
さて前回のnoteでは、初回ということもあり、そもそものこのnoteを書き始めた理由について書かせていただきました。
今回のnoteでは、主に新たにパートナーチャネルを開設し、パートナー展開をこれから開始していくというようなSaaSベンダーに向けて、パートナー戦略を開始するにあたって準備すべきことについて、私なりの考えを書かせていただきます。
※既にパートナー展開をしているSaaSベンダーさんでも振り返りやパートナー戦略の見直しという観点でも、もしかすると少しお役に立てるかもしれません。
パートナー展開する前に確認すべきこと
そもそもの前提として、パートナー制度を立ち上げる前に、まずは以下のことを必ず確認すべきであるというのが私の考えです。
自社の営業部門による営業の勝ちパターン構築、型化がしっかりとできていて、横展開していくことができる状態であること
本当に自社のマーケティング部門で打てるマーケティング施策は全てやり切っているか、改めて考えてみること
社内で対応できる支払いまでのおおよそのフローを事前に確認しておくこと
自社での獲得リードと重複しないパートナー企業の属性(例えば業界や企業規模等)はどんな企業なのか、事前調査した上で目星・仮説は持っておくこと
本格的なパートナー展開を開始する前に、1〜2社程度でまずはトライアルスタートを行い、効果検証してから本格展開すること
1. 自社の営業部門による営業の勝ちパターン構築、型化がしっかりとできていて、横展開していくことができる状態であること
自社の直販の営業担当が売れない状態、もしくは提案方法が型化できていない場合は、パートナー企業の営業担当に型化した営業方法を横展開できないため、まずは自社の直販の営業担当での正攻法・型化を優先すべきというのが私の考えです。営業方法が型化できていない段階で、自社の人間ではないパートナー企業の営業担当がベンダー側の商材を売れる可能性は極めて低いため、まずは自社の営業の勝ちパターン構築と型化がある程度は完成してから、パートナー戦略を始めるべきであるかと思います。
※商材だけ展開してもそんな簡単には売れません。
2. 本当に自社のマーケティング部門で打てるマーケティング施策は全てやり切っているか、改めて考えてみること
当然の事ながらパートナーチャネルを新たに設けたとしても自社のインハウスのマーケティング活動は継続するケースがほとんどです。パートナーチャネルの立ち上げには追加のコスト(マージンやパートナーセールスの人件費等)がかかる上に、一筋縄ではパートナーチャネルは立ち上がらず、ある程度の成果を生み出すためには短く見積もっても2〜3年はかかると見積もっておいたほうが良いでしょう。
そう考えると、パートナーチャネルの開設の前に、自社のマーケティング戦略でやれていない施策が本当にないのか、自社がアプローチできていない層のリードは本当に自社のマーケティングでは獲得が難しいのか、をギリギリまで考えた良いかと思います。
3. 社内で対応できる支払いまでのおおよそのフローを事前に確認しておくこと
後ほどトラブルになりやすいポイントでもあるため、社内で対応できる支払いフローや支払いサイトをおおよそで構わないので把握しておきましょう。また、早い段階で販売管理部門(支払い関連の部門)に頭出しはしておいた方が良いです。大企業になればなるほど、ビジネスサイド(営業やマーケティング)の部門は攻めの部門、販売管理の部門は守りの部門という相反する立場になるため、突然新しいことをやり始めると良からぬ衝突を生むきっかけになりやすいため、早い段階から販売管理部門(支払い関連の部門)とは連携はしておくべきです。
4. 自社での獲得リードと重複しないパートナー企業の属性(例えば業界や企業規模等)はどんな企業なのか、事前調査した上で目星・仮説は持っておくこと
どのSaaSベンダーでもパートナーチャネルを開設する主な目的として、自社のマーケティングではアプローチできない企業群、例えばエンタープライズ企業や地方企業のリード獲得・アプローチを目的としているケースが多いのではないでしょうか。そのため、自社のマーケティング活動で獲得できるリードとの重複率が高くては意味がなくなってしまうことが多いかと思います。とはいえ、パートナー契約締結前の段階からパートナー候補企業の保有顧客リストをいただくことは非常にハードルが高いため、まずは業種ごとや企業規模(例えば営業人員数など)ごとなどでパートナー候補企業を切り分けて、可能な範囲で各パートナー企業の保有するエンド顧客の属性などのヒアリング調査を行った方がベターです。ヒアリング調査を行い、パートナー企業が保有するエンド顧客の解像度を少しでも上げることで、どこのパートナー企業群との相性が良さそうなのか、まずは目星・仮説を持つことができます(一次情報が大事!)。ここをあまり考えず、まずはやってみるという行動ありきで闇雲に増やしてしまうとパートナー経由のリードと直販のリードの重複率が高い、パートナー数は増えたけどほぼ動いていない、といったような失敗に繋がりやすいです。
5. 本格的なパートナー展開を開始する前に、1〜2社程度でまずはトライアルスタートを行い、効果検証してから本格展開すること
ヒアリング調査を行い、どの属性の企業とパートナーを組むと相性が良さそうなのかというおおよその目星が付いたら、まずはトライアルで1〜2社という極小単位でトライアルスタートをすることを推奨します。パートナー戦略は最初からうまくいくことの方が珍しく、最初はなかなか思ってた通りの成果につながらないことがほとんどです(会社やプロダクトのブランド力が強ければ別ですが)。そのため、一気にパートナー制度を全企業へ展開してしまうよりも、まずは小単位でフィジビリスタートをし、そこで効果検証をしながらパートナー制度の原型や狙うべきパートナー企業群を明確にし、その後でパートナー制度を本格展開した方が初速の成功率が格段に上げられるかと思います。
以上5つがパートナーチャネルを開設する前に必ずやっておくべきことです。ただし、冒頭でもお話した通り、日本におけるパートナー戦略のスタンダードがまだ確立されていない状況下であるため、パートナーチャネル開設前に確認すべきことがこの5つのみであるというのもまだ正攻法なのかは不明です(もちろん、異なる意見もあるかと思います)。そのため、あくまでの1つの参考として読んでいただければと考えています。
最後までお読みいただけた皆さん、ありがとうございました!それでは次回はGW明けの更新を予定してます!お楽しみに。
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