パートナーセールス募集をする際の必須応募資格とは?(2024/05/14更新)
はじめに
皆さん、こんにちは!
パートナーセールスの葛西です。
先週は「パートナーセールスで活かせた過去の経験と身につくスキル」について書きました。今週はその記事に続き、パートナーセールスを募集される際に必要となる必須スキル、要は求人票に入れるべき必須スキルについて、HR業界に属する私だからこその見解を書かせていただこうと思います。
パートナーセールス求人(パートナーサクセス求人)に入れるべき必須応募資格
まず前提として、こちらに書かせていただいているパートナーセールス求人(パートナーサクセス求人)の必須応募資格ですが、「パートナーセールス経験者ではないが、パートナーセールスとして即戦力として活躍できるであろう人材」という層をターゲットとしている求人を想定してまとめさせていただいております。加えて、SaaS企業でのパートナーセールス求人を想定してまとめさせていただきます。それを踏まえて、以降読んでいただけますとと幸いです。
必須応募資格(絶対に必要な経験)
無形商材の営業経験3年以上
→営業経験は3年くらいは必要、かつ無形商材であることは必須かと考えています。営業経験3年以上というのは、営業として独り立ちできて実績も残せている(営業部内で売上が立つ人材と認識されている)、ソリューションセールス(課題解決型の提案営業)ができる人材と考えると経験年数が少なくとも3年は必要だろうと考えています。よく求人票内で営業の経験者採用をされる際にも必須応募資格によく入っているのは「営業経験3年以上」という内容です。
また、無形商材という要件が必須である理由としては、有形商材の営業(モノを売る)と無形商材の営業(課題に対してソリューションを提供する)は大きく異なり、今回のSaaSのパートナーセールスという求人だと無形商材という条件は必須であるかと考えています。顧客を長期に渡って深耕・ナーチャリングし、受注した経験のある方
→パートナービジネスは成果が出るまでに数年はかかる、足の長い戦略です。そのため、刈り取り型の短期受注型の提案営業が得意な方にはあまり向いていません。長期に渡って顧客を深耕・ナーチャリングし、顧客の温度感を少しずつ上げていって最終的には受注した・アップセルに繋がったというような実績が豊富にある方のほうが向いてます。この要件は職務経歴書ベースでは読み取ることが難しいため、面談・面接において見極めるべき事項ではありますが、必須要件には入れておくべき項目であるかと考えています。
※職務経歴書ベースでこの経験のある/なしについては判断が難しいため、この項目は職務経歴書の合否基準にはせず、面談・面接に回して判断する方が良いです。
必須応募資格(いずれかの経験を満たすこと)
上述の「無形商材の営業経験3年以上」に加え、「下記のいずれかの経験を満たす」という条件を加えるべきであると考えています。
エンタープライズセールスの経験
→エンタープライズセールスの経験がある方であれば、受注までのリードタイムが長期戦となるケースがほとんどであるため、提案先のお客様の様々な組織を巻き込んで合意形成をしてきた経験やナーチャリングして受注した経験がある方が多いかと思います。パートナービジネスは基本的に長期戦となりますので、エンタープライズセールスの経験はパートナーセールスの業務において、パートナー企業の窓口となる担当者をはじめ決裁者の方にお会いするまでのステップや巻き込み方、決裁者の方との合意形成、パートナー企業の営業の皆さんのファン化活動(積極的に商材を売ってきてもらえるようにするための活動)などに、非常に役立つ経験かと考えています。
様々なステークホルダーが関わるプロジェクトでのプロジェクトマネジメント経験
→様々なステークホルダーが関わってくると落とし所を見つけて全員がWin-Win-Winとなる大きな絵を描く能力、その描いた大きな絵に対して全員に納得していただくための交渉力や調整力、そしてその大きな絵(プロジェクトのゴール)に向けての推進力・巻き込み力といった能力が必要となってきます。これらの経験はパートナーセールスにおいて、パートナー企業が「マージン以外」のポイントで動く力学を考えたり、パートナー・お客様・自社の少なくとも三方Win-Win-Winとなるような大きな絵を描いて決裁者と合意形成したり、その絵の実現に向けた営業現場のチャンピオン(推進者)を見つけて巻き込んでいくといったような場面で非常に役立つ経験かと考えています。
セールスイネーブルメントの経験
→セールスイネーブルメントの経験があり、様々な研修やセールスの型化、セールス人材の育成を経験してきた方であれば、パートナーセールスにおいて自社商材のインストールとパートナー企業さんの営業マンのセールスイネーブルメント、パートナー企業さんの営業の型化という部分で役立つかと考えています。実際に自社の商材を提案してもらうのは窓口となる企画部門の担当者等ではなく現場の営業マンです。現場の営業マンの方々へのセールスの様々なHOWが展開できると、非常に重宝していただけて現場の営業マンの皆様との信頼関係が生まれやすいです。この現場の営業マンの皆様との信頼関係を作る手段としても、セールスイネーブルメントの経験は非常に役立ちます。
※特に、現場の営業マンの皆様が「学びたい」「成長したい」という欲求が強い営業マンが多い組織であると非常に刺さりやすいです。
5名以上のマネジメントの経験
→自分のチームを持ち、メンバーをマネジメントしてきた経験は、パートナーセールスにおけるパートナー企業とのPipeline管理や担当者への個別案件相談などに役立ちます。加えて、重要なポイントとしては、「5名以上のマネジメント経験」というところです。5名以上となると、「プレイングマネージャー」ではなく「メンバーマネジメントがメインで、自分自身の顧客や数字を持たない」という立場の方が多くなる傾向にあるためです(もちろん営業部門の規模などにもよって変わります)。プレイングマネージャーであると、自分の顧客・自分の数字を持っているため、多くてもメンバーは3〜4名くらいであることが多いです。プレイングマネージャーではなく純粋な「マネージャー」として、自分のチームメンバーをうまくモチベーティング・マネジメントして大きな成果を上げた経験はパートナーセールスにおいても非常に役立つ経験であると考えています。
歓迎応募資格
歓迎応募資格は、あくまで「あれば尚よし」という応募資格となります。
そのため、あくまで一例ですが、
IT企業でのパートナーセールスの経験
SaaS企業でのフィールドセールスの経験
提案型営業や、コンサルティングの経験のある方
スタートアップ/ベンチャー企業での業務経験
地方出張が可能な方(パートナーセールスは結構出張が多い傾向にあるため)
など自社がほしい「あったらいいな」という応募資格を並べていただければ良いかと思います。
なお、例えば「SaaS企業でのパートナーセールスの経験」や「スタートアップ/ベンチャー企業でのパートナーセールスの経験」とかを必須応募資格に入れてしまうと、かなりターゲットが絞られすぎてしまうため、必須応募資格にはこれらの条件は入れないことをお勧めします。
※もちろんターゲット絞られることを理解した上で、どうしてもその絞られた人しか採用しない、であれば構いませんが。
おわりに
SaaS業界におけるパートナーセールスの求人数は現在、右肩上がりで上昇しております。が、まだまだパートナーセールスの経験者が少ないのが現状で、パートナーセールス経験者を採用するとなると非常に採用難易度が高いのが実情です。
そのため、今回の記事に書かせていただいたように、他の経験でうまくパートナーセールスでも活かせそうな経験を持っている方をパートナーセールスとして採用するというのが、パートナーセールスのポジションの採用における秘訣ではないかと考えております。
加えて、前回の記事でもまとめたように、パートナーセールスのポジションは直販のセールス以上に様々な経験値が必要となってくるポジションであるため、必然的に直販のセールスよりも採用難易度が上がります。それも踏まえて、採用要件を緩和させる、ペルソナをより明確にして個別カスタマイズしたスカウトを送る、など採用においても非常に工夫が必要なポジションであるのは間違いないかと考えています。
是非この記事を参考に、1社でも多くのSaaS企業様でパートナーセールスの採用がうまくいくことを願っています。
最後までお読みいただけた皆さん、ありがとうございました!それではまた次回更新をお楽しみに!
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