東海道新幹線の代替交通(名古屋~大阪)
前回は東海道新幹線の代替を東京~名古屋間で考えてみた。次は名古屋~大阪間である。
代替手段を考える。
簡単に考えられる代替手段は以下の通り。
・東海道本線をのんびり行く(とはいえ東京~名古屋より早い)
・近鉄特急を使う
・高速バスを使う
・航空便は存在しない
当然紀勢本線で紀伊半島一周とか、琵琶湖をぐるりと回るとか遠回りは考えられるが、今回はそれらすべてを無視して東海道本線、近鉄特急、高速バスの3点に絞りたい。
東海道本線(在来線)ルート
朝いちばんは以下の乗り継ぎになる。
名古屋5:37→大垣6:17/6:20→米原6:55/7:00→大阪8:37(3時間ちょうど)
また最終乗り継ぎは以下の通り。
名古屋21:00→米原22:10/22:11→大阪0:03(3時間03分)
おおよそ6時間30分で、運賃は6380円。
東京~名古屋と同様に輸送力を考えると、ボトルネックは大垣~米原間になる…と思いきやボトルネックは米原~野洲である。過去には米原からの新快速が毎時2本走っていたのだが、現在は1時間に1本となってしまう時間帯がある。上記乗り継ぎが可能な本数は26本しかなく、輸送力のボトルネックとなる大垣~米原は4~8両となる。。この区間はほぼJR東海311/313系で、平均6両と見なすと、座席定員312名/立席込み定員812名である。
よって1日当たりの輸送量は着席で8112名/日、立席込みで21112名/日となる。
近鉄特急
つぎに近鉄特急。近鉄特急は概ね1時間に2本の名阪特急と1時間に1本乗り継ぎ便がある。毎時00分に出発するのが名阪甲特急(ひのとり、停車駅が少ないパターン)、毎時30分に出発するのが名阪乙特急(アーバンライナーだが、ひのとりで走る列車もある、停車駅が多いパターン)となる。毎時10分に発車する伊勢方面行き特急(概ね鳥羽or賢島行き)は途中の伊勢中川で反対側のホームに来る大阪上本町行きもしくは大阪難波行きに乗り継ぐことができる。
本数は、名阪甲特急は1日14本、名阪乙特急は1日17本、伊勢特急乗り継ぎが1日17本の合計1日50本となる。近鉄特急は編成により定員が異なり、少ないものは239名(ひのとり6両編成)、多いもので414名(アーバンライナー8両編成)となるので、1便あたり300名とすると輸送力は15,000人/日となる。
高速バスルート
高速バスはまたまた難しく、名古屋から京都、大阪、神戸を目指すバスを調べてみる。
名神ハイウェイバス(京都行き):1日12本(JRバス、名鉄バス、名阪近鉄バス)
名神ハイウェイバス(大阪行き):1日13本(JRバス、名阪近鉄バス)
名神ハイウェイバス(神戸行き):1日6本(JRバス、名鉄バス)
青春大阪ドリームなごや号(夜行):1日1本(JRバス)
京都名古屋特急ニュースター号:1日4本(名古屋バス)
合計36本であるが、東京名古屋間でも同じような発想で本数を2倍として72本あるとしたい。バスは定員40として、輸送力は2880人/日。
航空機
さすがに短距離過ぎて航空便は設定されていない。
最後に新幹線の輸送力
東海道新幹線の名古屋~新大阪間は毎日運転の定期列車が103本ある。
N700系シリーズの座席定員1319名を掛けると、1日の輸送力は135,857名/日となる。
東京~名古屋より若干少ないとはいえ、やはり驚くべき本数だ。
全てを比較する。
東京~名古屋と同様に比較すると図のようになる。
新幹線を100とした場合の輸送力は、在来線が立席込みで15.5、近鉄が11となり、高速バスも含めると新幹線100に対して28ある。
結局名古屋~大阪(京阪神圏)でみても新幹線の輸送力シェアが80%弱といううことで東京~名古屋と大きく変わらない傾向になることが分かった。
最後、東京~大阪とそのまとめについて次回触れてみたい。