筋肥大に大切な栄養素(論文を元に)
筋肉をつけるために必要な栄養素の詳細を以下に説明します。
1. タンパク質
• 役割: 筋肉の主要な構成成分であり、筋タンパク質の合成(MPS: Muscle Protein Synthesis)を促進します。
• 必要量: 筋肥大を目指す場合、体重1kgあたり1.6〜2.2g/日のタンパク質摂取が推奨されています(Morton et al., 2018)。
• 摂取タイミング: 特にトレーニング後30分以内に20~40gの高品質なタンパク質を摂取することで、筋合成が最大化されると言われています。
• 良い食材例:
• 鶏胸肉、卵、乳製品(ギリシャヨーグルト、カッテージチーズ)
• 大豆製品(豆腐、納豆)、プロテインサプリメント
• 根拠: タンパク質の摂取は筋肥大と筋力向上を促進するという複数の研究があります(Phillips, 2014)。
2. 分岐鎖アミノ酸(BCAA)
• 構成要素: ロイシン、イソロイシン、バリン
• 役割:
• 特にロイシンは、mTOR(筋タンパク質の合成を制御するシグナル経路)を活性化し、筋合成を促進します。
• 筋トレ後の回復を助け、筋分解を抑制する効果もあります。
• 摂取量: 1回あたり5〜10g程度が目安。
• 良い食材例:
• 肉、魚、卵、乳製品などの動物性タンパク質
• プロテインやBCAAサプリメント
• 根拠: ロイシン摂取は、筋肉量を増やす効果があるとする研究があります(Churchward-Venne et al., 2012)。
3. ビタミンD
• 役割:
• 筋肉の収縮や骨格筋機能をサポート。
• 骨密度を保つことで、トレーニングの負荷に耐える身体を作ります。
• ビタミンDが十分な人は筋力が高い傾向があるとされています。
• 不足のリスク: ビタミンDが不足すると、筋力低下や筋肉量減少、運動パフォーマンス低下が見られることがあります。
• 摂取源:
• 日光浴(皮膚での合成)
• 食材(サケ、マグロ、卵黄、ビタミンD強化食品)
• サプリメント(特に冬季や日照不足の場合)
• 摂取量: 成人の推奨量は600〜800 IU/日。ただし、筋肥大を目指す場合、1,000〜4,000 IU程度が効果的な場合もあります。
• 根拠: ビタミンDの補給により筋肉量と筋力が改善したという研究があります(Ceglia, 2009)。
追加情報: 栄養素の相互作用
• タンパク質と炭水化物を組み合わせて摂取すると、インスリンの分泌が促進され、筋タンパク質合成がさらに向上します。
• オメガ3脂肪酸(魚油)は、炎症を軽減し筋回復を促進する効果があります。
おすすめの食事例
1. 朝食: オートミール+プロテイン+ベリー類
2. 昼食: 鶏胸肉、玄米、ブロッコリー
3. 間食: ギリシャヨーグルト+ナッツ
4. 夕食: サーモン、キヌア、アボカド
5. トレーニング後: プロテインシェイク(BCAA入り)