事前注文で受け取りは専用窓口、「エキピックロッカー」で生まれそうな新体験
JR東日本都市開発が「エキピックロッカー(EKIPICK LOCKER)」なるサービスの実証実験をしているそうです。バーコード決済の大手であるペイペイが提供するペイペイピックアップと連動し、注文した商品を特設カウンターで受け渡す試みだそうです。ペイペイピックアップ自体は既に利用可能なサービスとして展開されています。これまでは商品の受け渡しを各店舗で行っていましたが、それを集約してしまうのだそうです。
この取組を最初に見たときはあまり利点を感じられませんでした。商品の受け渡しだけであれば大した手間ではないと思ったからです。商品の受け渡しを委託する意味を感じませんでした。しかしながら、想像力を働かせてみたところ少なからず利点はありそうでした。
受け渡しには照合に少なからぬ慎重さを求められます。慌ただしい接客業の最中で新しい照合業務が増えると、受け渡しミスが生じてしまうかもしれません。私も以前に、ペイペイピックアップではありませんが、注文した商品を他の人に持っていかれたとがありました。某ハンバーガー屋でどれだけ待っても商品が提供されないので訪ねてみたところ、他の人(しかも私より格段に安い商品を注文した人)が持っていってしまったようでした。専門窓口を設けることにより、そのような人的ミスは防げそうです。
専門店の集まる商店街だと、多少の混雑回避にも役立ちそうです。購入者は利用店舗まで足を運ばずとも、入り口で商品を受け取れます。実証実験を行うシャポー船橋ではJR船橋駅のシャポー口改札からすぐの場所に受け取り用のカウンターを設置するそうです。電車での帰宅中に注文して下車したらすぐに取りに行ける流れは購入者の体験としては満足度が高そうです。また、店舗やビル内商店街にとっても、このご時世に混雑を作りにくくする利点がありそうです。
事前注文して店舗で受取る方式はとても便利です。私はペイペイピックアップは利用したことがありませんが、スターバックスやマクドナルド、松屋で利用したことがあります。移動中に注文しておき、現地についたらすぐに受け取れるのは非常に楽です。店舗に到着したときに注文カウンターに長蛇の列が出来ているのを見ると、ちょっとしたVIP感を味わえるのも愉快です。
便利さと同時に、店員さんの戸惑いの表情も見てきました。松屋で弁当の事前注文を利用した際は、サービス導入直後でアルバイト店員が勝手が分からなかったらしく、受け渡しのために上司を呼んでくる事態にまで発展していました。戸惑いは時間が解決すると思いますが、店員の接客業務の複雑化は欠点となりえます。安い時給のまま業務の幅が広がりすぎたコンビニのようになりかねません。
JR東日本都市開発は今後は商品受け渡しに冷蔵ロッカーを利用する実証実験も考えているそうです。そうなればより正確な受け渡しが可能です。これらの実証実験を経てどのような新しい体験が創造されるのか、楽しみにしています。