サムスン電子とSKハイニックスがファーウェイ排除・・日本の各企業も早めの判断を

サムスン電子とSKハイニックスがファーウェイに対する半導体メモリの供給を中止するという報道がありました。アメリカによるファーウェイを含めた中国に対する制裁措置を考慮したものです。

この報道は意外でした。一企業とは言え政治的意向は無視できないと思っていたからです。サムスン電子とSKハイニックスは言わずもがな韓国を代表する規模の企業です。韓国はアメリカの同盟国でありながら、中国の影響を大きく受けていると聞きます。日本が中国を全く無視できない状況を見る限り、韓国はそれ以上なのでしょう。実際に中国当局は昨年6月にサムスン電子とSKハイニックスに対してアメリカによる対中国規制に加担しないよう警告しています。それを振り切る決定は並々ならぬ意思を感じました。

両社が裏の販売ルートを開拓する可能性が全く無いとは言えないでしょう。韓国全体としては昨年は日本製のフッ化水素に関する取引に不透明な点があり、日本側の輸出管理体制を強化した過去があります。想像力が豊かになりますが、それは程々にしておきます。

米中戦争の最中にあって、どちらの陣営に就くのかを見極められています。両方という答えはありません。中国の特定の企業の取引がある場合はアメリカと取引ができなくなる可能性があります。アメリカ市場でビジネスをしたい場合は中国の特定企業との関係を排除しなければなりません。

日本の企業はどうでしょうか。分かりやすいところでいうと、携帯電話市場ではファーウェイやZTEの端末が未だに販売されています。ルータなどの通信機器もファーウェイやZTEの端末が未だに選択肢にあります。日本は既定路線通りに菅義偉総理大臣が誕生すれば、政治的には引き続きアメリカと強固な関係を続けるものと思います。アメリカの大統領選挙もトランプ氏の再選で間違いないと言われています。日本の各企業はいずれどこかで白黒付けなければなりません。

サムスン電子はファーウェイへの半導体供給を止めることで約6600億円の売上を失うそうです。同様にSKハイニックスは約2700億円です。まるごと失うわけではなく供給先の開拓をする計画はあるようですが、経営的に大きな打撃を受けるのは間違いないでしょう。

素人見解ですが、白黒つける判断は後になればなる程に猶予が無くなって大きな打撃を受けます。早めに判断いただくのが良いのではと思っています。

それ以前に、そもそもアメリカが中国の特定企業の排除を促しているのは安全保障上の問題があるからです。これを「単なる嫌がらせ」であるかのような読みをされている記事もありますが、私は違うと思います。私達が安全で安心して生活を送れるようにするためにも、各企業には社会的役割を果たしていただきたいと願います。

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