自由民主党の党員投票は「往復はがき」だと知って落胆した話
最近の政治の話題は自由民主党の総裁選挙で持ちきりです。9月2日には菅義偉官房長官が正式に立候補を表明しました。おそらく安倍内閣を継承する形で菅内閣を発足させる流れなのでしょう。菅氏の他に石破茂氏と岸田文雄氏も立候補を表明していますが、おそらく勝負にもならないのではと言われています。
実質的に総理大臣を選出する選挙にあたって、様々な切り口で注目を浴びています。そのひとつに選出方法についての議論があります。自民党は平時であれば全国の全党員による選挙を行います。しかし今回は両院議員総会での選出となりました。これは自由民主党の党則で定められており、慣例通りです。本来は議論の余地はありません。
第二章 執行機関
第一節 総裁及び副総裁
(中略)
第六条 総裁は、別に定める総裁公選規程により公選する。
2 総裁が任期中に欠けた場合には、原則として、前項の規定により後任の総裁を公選する。ただし、特に緊急を要するときは、党大会に代わる両院議員総会においてその後任を選任することができる。
3 前項ただし書の規定により総裁を選任する際の選挙人は、両院議員及び都道府県支部連合会代表各三名によるものとする。
これに反対する声として、全国の自民党員の意見が反映されないのではないかという指摘があります。一応として『都道府県支部連合会代表各三名』の枠を利用することで多少は反映させるようではあります。例えば埼玉県は県内で予備選を行い、最も多かった候補者に埼玉県連の3票を入れると発表しています。自民党員なのに直接的な投票をできない歯痒さは何となく分かります。
ところで、今回の話題を契機に初めて知ったことがあります。それは投票には「往復はがき」を利用するということです。『自民党 総裁選挙 往復はがき』で検索すると過去の投票用紙を閲覧できます。ご存知だった方にとっては常識なのでしょうが、私はこれを知って落胆しました。
葉書とは脆弱性の最たるものだと思っています。投函してから選挙管理委員会に届くまでに何名もの郵便局員の手を渡ります。その郵便局員を完全に信用しなければなりません。もし、郵便局員の中に過激な思想を持つ者が居た場合、気に入らない候補者の書かれた投票用紙を見つけたらその場で破棄することも可能でしょう。
業務プロセスとして郵便局員が操作できるか否かは分かりません。これまで問題なく選挙を実施できていたのであれば問題なかったのでしょう。一方で全く操作できないかといえば否定はしきれないと思います。
日本はスパイ天国と揶揄されているようです。真偽の確かめようはありませんが、完全な否定もできません。長い年月をかけて郵便局にスパイを送り続け、組織的に操作をすることは理論上は可能かと思います。そしてそれを実現しかねない巨大な組織に私は心当たりがあります。
今回は1日でも早く総裁選挙を実施して安倍総理が治療に専念できる状況にしなければなりません。今まで「ポスト安倍」として名前が挙がりにくかった菅氏が既定路線のように運ばれている動きからして、事態は緊迫しているのだと読んでいます。既存の手法を踏襲しつつ、迅速に選挙を行うのは止むなしでしょう。
葉書で投票するプロセスに対して、自民党員は誰も疑わないのでしょうか。私は少し気になってしまいました。