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ファーウェイの独自OSはサービス事業者にとって重大な踏み絵になる

ファーウェイが独自のOS(オペレーティング・システム)としてハーモニーOS(Harmony OS)を開発中だそうです。来年2021年にはファーウェイ製の各種携帯端末に搭載されるだろうとリチャード・ユー最高経営責任者が明かしています。

私はこの動きは非常に危ないと感じています。アメリカ製のアンドロイドOSであれば一定程度の透明性は確保されています。しかし、中国共産党下とみなされて制裁対象となっているファーウェイの独自OSとあれば、裏で何をしているか完全に分からなくなります。やろうと思えばアカウント情報は取り放題になり、カメラやマイクも隠れて起動させられます。今も実はそうなっているのではないかという根拠のない疑念はあります。中国共産党としてはそれをより実行しやすくなってしまいます。

OSを作成して定着させるのには非常に高いハードルがあります。それはアプリケーションの対応です。いくら素晴らしいOSが開発されたとしても、そのOSで動作可能なアプリケーションが少なければただの箱です。ユーザとしては、使いたいアプリが無ければ選択肢に挙がりません。サービス提供事業者としては、十分な利用者が居なければ開発コストを投資する利点がありません。どちらかに風穴を空ける必要があります。

ファーウェイは独自OSを展開するにあたってのハードルの高さは乗り越えてくると思います。何故なら中国には独自のサービスが多く展開されているからです。特にアリペイやウィチャットといった「スーパーアプリ」は中国人の生活に欠かせないサービスとなっていると聞きます。この2つをハーモニーOSに対応させるだけでも大きな流れは作られると思います。

問題はハーモニーOSが定着した先です。外国製の各サービスがハーモニーOSへの対応をするか否かは重大な踏み絵となるでしょう。サービスをハーモニーOSへ対応させるというのはサービス利用者を中国共産党の監視下に置くのと変わりがないからです。あるいは、米中戦争が継続していれば、そのサービスもアメリカ政府から制裁の対象となるかもしれません。

世界の各国と各企業は既にアメリカを軸とした自由主義陣営に就くのか、暴力的な民族浄化と領海の拡大を進める中国共産党に就くのかの選択が迫られています。ハーモニーOSの登場は象徴的な存在です。手を出してはなりませんし、上陸させてもなりません。この件に関してアメリカ政府および日本の新しい政府がどのように反応するのかは注目です。

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