「鏡餅」の意味を知ったら、簡単にでも飾る気になった話
商品棚の目立つところに鏡餅が置かれているのを目にしました。壁には年賀状印刷サービスの案内が貼られています。2020年も残すところ1ヶ月半となり、新年を迎える準備を意識し始める時期となりました。
例年通りであれば私は家族と岐阜の実家に帰省します。かつてはサッカー天皇杯の決勝を観戦してから帰省していた頃もありましたが、それでも元日の内には岐阜に帰省していました。「正月」を東京や、かつて住んでいた千葉の自宅で迎えたことはありません。
次の年越しも岐阜の実家で過ごすつもりでいましたが、諸般の事情により雲行きが怪しくなってきました。元来より年末年始に休みを取りにくい妻の仕事の都合があると同時に、お盆と同様に帰省そのものを自粛せざるをえない事情が濃くなってきているからです。年末年始を東京で過ごさざるを得なくなる可能性が高まってきました。
東京の自宅で正月を過ごすと考えたとき、今まで考えなかったことを考え始めてしまいました。ひとつに正月飾りがあります。今まではどうせ居ないからと理由をつけて正月飾りは見向きもしてきませんでした。
正月飾りと言えば「鏡餅」「しめ縄」「門松」の3点セットです。幼少の頃から正月の定番として馴染んでいた飾りばかりですが、恥ずかしながら各飾りの意味や役割を知りませんでした。良い機会なので、今回は鏡餅について簡単に調べてみました。
鏡餅は端的に歳神様の依代になるのだそうです。天から降臨される歳神様に門松で自宅を見つけていただき、しめ縄で歳神様を迎え入れるに相応しい準備が整っていることを示し、最後に依代となっていただくのが鏡餅です。鏡餅だけ飾るのは意味がなく、3点セットを揃える必要がありそうです。
鏡餅自体には歳神様の依代としていただく他にも意味があるようです。紹介していたら長くなるので省略しますが、例えば餅はよく伸びるために長寿の縁起物とする解釈もあるようです。年始めに餅を食べることで健康と長寿を祈念します。ちなみに鏡餅の頂点に置かれる橙も長寿の縁起物とされています。橙の果実は枝に何年も実り続ける性質に由来します。橙の名は「代々」に由来するという話も目にしました。餅はもともとハレの日の縁起物として食べる習慣があったようで、正月に食べるのは自然な習慣として定着したのかもしれません。
色々と調べてみたところ、自宅に居ないから正月飾りをしないというのは非常に愚かな考えでした。次の年末年始に私がどこに居るのかは分かりません。岐阜に居ようが東京に居ようが、簡単なお迎えの準備はしておこうかという気持ちになりました。