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ヨーロッパ・スーパーリーグの話についていけない話
サッカーの話題で「スーパーリーグ」という単語をSNSでよく目にするようになりました。このスーパーリーグは耳馴染みのある中国スーパーリーグではなく、「ヨーロッパ・スーパーリーグ」という全く新しい団体です。ESLと略されるようです。欧州のビッグクラブだけが参加するリーグ戦を創設しようとしており、その構想に対する賛否が起きています。体感だと否定的な意見が多いように感じます。
参加を表明しているクラブを並べてみましょう。イングランドからはアーセナル、チェルシー、リヴァプール、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、トットナム・ホットスパー。イタリアからはACミラン、インテル・ミラノ、ユヴェントス。スペインからはアトレチコ・マドリード、バルセロナ、レアル・マドリード。合計12クラブです。「ヨーロッパ」と言う割にはイングランドとイタリアとスペインの3カ国だけの構成なので、何となく違和感はあります。
ヨーロッパのビッグクラブは他にもあります。例えばドイツのバイエルン・ミュンヘンや、フランスのパリ・サンジェルマンはビッグクラブとして有名です。しかしながら、これらのクラブはESLへの参加拒否を表明しています。
ESLは既存の国内リーグと並行して行われます。週末に各国リーグが行われ、平日にESLの試合を組むそうです。合間を縫って行われるのであれば全く問題無さそうなものですが、懸念されるのは国内リーグが蔑ろにされる事態でしょう。
過密日程で試合をこなすにあたって考慮されるのは試合に挑む選手の編成です。ESL参加クラブとしては、主力選手をより重要な試合に向けて調整させてくるに違いありません。重要な試合とは賞金が高くて強力な対戦相手が待ち構えているESLの試合となります。そうなれば、国内リーグへは1・5軍のような選手構成で臨む事態が想定されます。結果として国内リーグのレベルやブランド価値が下がる懸念が生じます。UEFAや各国リーグがESLに反対するのは納得できます。
一方でESLを作る必要性も少しは理解できます。コロナ禍でクラブの収入が大きく減っているからです。特に高額の選手を多く抱えているクラブにとっては非常に厳しい状況でしょう。この事態を打開するために、ビッグクラブ同士を競わせる高級なリーグを創設して一儲けしようという思惑は理解できます。しかしながら、この資本至上主義的な考え方こそに多くの感情的な反発を抱かれているようです。コロナ禍で苦しんでいるのはビッグクラブだけではありません。フットボール市場におけるマネーが一極集中してしまって、格差が助長される懸念があるようです。
J2ばかりを見ている私としては雲の上のような場所での話です。全く身近に感じることが出来ず、ポジションを取れません。ESLが始まったとしても何の影響もなく日常を過ごすことでしょう。顛末だけは注視したいと思います。