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マイナンバーカードの交付率が低いらしいので調べてみた

東京新聞の『マイナポイント申し込み不調「個人情報漏れる」根強い不信感』という記事が目に入りました。マイナンバーやマイナンバーカードの欠点を叩いて気持ちよくなるための偏った内容です。一方で「不調」という点については気になったので、現在の普及状況を改めて調べてみました。

交付状況が低調なのは事実です。今年8月1日時点で総務省が公表している交付率は全国平均で18・2%です。自治体や年齢によって差はあれど、概ね10から30%台の範囲です。都道府県別のトップ3が宮崎県(25・3%)、東京都(23・1%)、神奈川県(21・5%)です。これをもって普及しているとは言えません。

ちなみに例外は新潟県粟島浦村(66・7%)、大分県姫島村(50・7%)、茨城県五霞町(42・5%)です。全国的な年齢分布では高齢者ほど所持率が高くなっています。各自治体の平均年齢と合わせて見てみると統計情報としては面白そうです。

普及率が伸びない最大の理由は所有する利点が少ないからです。トラストバンクの調査によると、マイナンバーカードを持ってない理由として最多だったのは『利活用できる行政サービスが少なく、保持するメリットを感じないから』の40・3%でした。他にも『時間がないから』や『手続き方法が分からない』『理由はない』『知らなかった』といった回答も、保持する必要性を感じていないのと同等と考えられます。

マイナポイント施策の実施を直前に控えた今も、普及率が伸び悩んでいるというのは私としては予想外でした。マイナンバーカードを発行する手続きやカードを保有するコストに5000円分ポイント還元は割に合わなかったのでしょう。そう考えると将来的な保険証や運転免許証との連携は尚更にして訴求効果は薄そうです。

公的手続きのオンライン化や一元化は生活の効率化に繋がります。書類を書いたり役所の窓口に並ぶ時間を総合すると、どれほどの時間を削減できるでしょうか。

賛否あった特別給付金に関して、私はスマホとマイナンバーカードで自宅に居ながら滞りなく受け取ることができました。UXの観点で改善点は多々あります。それでも従来の郵送や窓口での手続きと比べたら大きな時間短縮となりました。

効率化によって職員の手間が省けたら、人件費や委託費の削減にも繋がります。浮いた分だけ別の行政サービスに税金を回せます。税負担の軽減にもなるかもしれません。私としてはマイナンバーの利用場面は増やしてほしいと考えています。それだけに現状の交付率は残念でなりません。

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