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i LIKE
出会いは一枚の写真でした。
ある日、枚方にあるライブバーsweet music ReMEMBERSに行くと、カウンター近くの壁に写真が数枚飾ってあるのを見つけました。
その写真は、どこかの街のいつかの一瞬が切り取られたものでした。
素敵な写真だな、どんな人が撮ったんだろうと考えを巡らせていると、
「桃子」という名前とSNSのQRコードが印刷された紙を発見。
すぐに読み込んで、フォローしました。
「どんな人なんだろう」と思って周りの人に聞くと
今年の水都音楽祭にも撮影しに来てくれるから、そこで会えるよとのこと。
家に帰ってから、instagramの写真をほぼ全部見た気がします。
ReMEMBERSで見たのは日常の風景だったけど、そこにはライブ写真が山ほど載っていて、ますます「どんな人なんだろう」という気持ちが強くなりました。
水都音楽祭当日の朝、会場準備をしていると「桃子ちゃんきたよ!」と声をかけられ、はじめましての挨拶をしました。
そこに立っていたのは笑顔のかわいいショートカットの女の子で、前から友達だったかのようにすぐに仲良くなれました。嬉しかった。
それから何度か桃子の写真を目にすることがあったのですが「やっぱり好きだな」と思うのと同時に「一緒に何かしてみたい」という気持ちが日に日に強くなりました。
「でも何ができるんだろう。」
そんなある日ふと、そういえば昔仕事で写真に絵を描いたことがあったなと思い出しました。
「これだ!」
桃子がどんな人間なのかも全く知らないし、一緒にやってみたいことだってめちゃくちゃ思いつきでしかなかったし、桃子がYESと言ってくれるかどうかなんて想像もつかなかったけど、自分の中で恐ろしいほどワクワクが大成長を遂げ「もう伝えずにはいられない!」状態になりました。
そんなある日、桃子からごはんのお誘いがありました。
絶好のチャンスを得たわけです。
前日から伝えたいことを何度も頭の中で復唱。
当日の待ち合わせの時間までも、この伝え方でいいのかなと何度も考えました。ごはんの間にいろんな話をしたけど「いつ言おう、どのタイミングだ、今かな、まだ早いかな」みたいなことで頭がぐちゃぐちゃで、正直話の内容なんて1ミリも覚えていません。ただ、桃子がじゃがいもがめっちゃ好きだって話だけは覚えてる。
多分、好きな人に告白するときってこんな感じなんだろうなと思います。
幸い私の告白は無事成功し、晴れて桃子と作品作りができることになりました。めっちゃ嬉しかった。「i LIKE」が始まった日です。
そこから、今では月に1回以上は必ずミーティングをして、常に作品作りをおこなうまでになりました。ロゴも作って、SNSアカウントも作って、いろんなアイデアをいっぱい話して、日常のしょうもない話も仕事の真剣な話も、本当にたくさんの話をしてきたなと思います。
まだ出会って、一緒にi LIKEとして活動をして1年と9ヶ月。
歳の差は11歳。
生きてきた環境も、得意なことも全然違うけど、似ているところもたくさんあって本当におもしろくて不思議な関係だなといつも思います。
私たちのユニット名である「i LIKE(アイライク)」の元になる言葉は、プログラミングで使われる関数「ILIKE(アイライク)」から来ています。
ネット上で検索バーに言葉を入れて検索すると、その言葉の一部分と一致した関連記事などがひっかかると思うのですが、そういうときは「LIKE」あるいは「ILIKE」という関数が使われています。
「完全一致」ではなく「部分的に一致」するものをとってきてくれるのです(あいまい検索とも言います)。
そして、「LIKE」と「ILIKE」の違いは、「大文字と小文字の区別をするかどうか」です。ILIKEは検索の際に、大文字小文字の区別をしません。
桃子と私は、似ているところもあれば全然違うところもある。
まさに「あいまい」な二人です。完全一致じゃないけど、部分一致。
LIKEじゃなくてi LIKEを選んだのは、なんとなく区別をしたくなかったから。
11歳差であっても、常に対等でいたいと思った。
そんな二人でいろんな枠を越えて、いろんな人たちと一緒に作品作りをしていきたい。そう思ってこの名前をつけました。
作品展をしたのはまだ1回。でも、その時に展示した作品は42作品。
桃子と私じゃないと、作れなかった作品たちです。
ただただ、楽しいことおもしろいことをしたい一心で、関わるすべての人と一緒に笑顔になりたい一心で作品作りをしていますが、常に真剣です。
大好きな人たちと大好きなことで表現をして、大好きな人たちを笑顔に。
そして大好きな人たちをもっと増やしたい。
だって「i LIKE」だもんね。
「好き」な気持ちは最強なのです。