アールグレイ

人生の備忘録。 ドス黒い感情を言葉でオブラート。

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文字が躍る。 栓をしていたはずの伏流が噴き出し、黒く濁って私を包み込む。 元々は明るくパステルな橙が、 奔流に呑まれてどんどん色を変えてゆく。 ある時、文字に力があることを知った。 次第に、文字が動くことを知った。 そのうち、文字に色がついたように見えた。 あれはぴかぴか光る黄色、 あれはもやもや霞む灰色。 書くことは話すことよりも魂を込めやすい。 工程が必要だったり、何より視覚を使うから。 それほどまでに強く、しなやかで。でも繊細で。 見たくないものまで見えて

    • 回想録Ep.2 < 魔法の副作用 >

      見えそうなものほど見たくなくて。 見えないものほど堪らなく見たくて。 酷く傲慢で、あまりにも憂い。 あの魔法は所詮一過性の、 刹那的な幸せを齎らすものであることなんて、 ずっと前から分かっていたのにも関わらず。 その幸せを求めて、私は今日も自らに刃を立て続ける。 自分で縛った呪いは解くまでに時間がかかりすぎる。 少しずつ、一つずつ解呪しなければならない。 言葉は人を救い、人を生かすだけでなく、 人を傷つけ、人を殺す。 少しでも楽になりますようにと、そんな御呪いを自らに言

      • 回想録Ep.1 < undone >

        昔は書取りやノートの板書とか、 気に障るほどに文字がとても嫌いで、 できうる範囲で言葉に依って 何事をも解決してきたけれど、 最近は自分で処理できる範囲を超えた事象が 多くて言葉に頼り切りなところがとても多い。 でも、自分が満足できる表現が上手くできずに、 悶々とすることも多くて、結局自分を愛せない。 それでも少しずつ少しずつ、 自らの考えを整理できているのかな、なんて自分を無理やり褒めちぎってる。 貴女と同じように、 自分の思ってることを 誰かに見える形で残してはい

        • それでも、汚さの中にしか芸術は生まれないと信じ込んでいるから、 今日も苦しんで苦しんで、 思考を巡らせ言葉を紡ぎ出す。

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        • 回想録
          2本

        記事

          綺麗なもので心を洗おうと試みても、 自分の心の汚さを自覚してしまって、 一層汚くなってしまうこともある。

          綺麗なもので心を洗おうと試みても、 自分の心の汚さを自覚してしまって、 一層汚くなってしまうこともある。

          半年間書いては消しを繰り返したものを遂に投下。 濁りも少しは綺麗になった気がする。

          半年間書いては消しを繰り返したものを遂に投下。 濁りも少しは綺麗になった気がする。

          影と影が重なると濃くなるのだろうか

          世の中には、とても耐えられそうにない苦しみが数多く存在する。 それは一般的に苦しいこともあるし、 俗に言う褒め言葉が重なり重なり、 ふとしたことで一気に刺さってくるような、 私が耐えられていないだけなものもあるんだろう。 今世ではないかもしれないけれど、 SNSのBIOに「自称HSP」みたいな好評をする人は嫌悪していると発言したことがある。 そんな私が自分自身に刃を向けていることは重々承知であるが、 今日綴るのは、我が身が恋しいのにも関わらず、 いつまでたっても自分を認めら

          影と影が重なると濃くなるのだろうか

          天然人たらし。

          ある友人の話を。 私は心を許せる友達が少ない。 いわゆるサシでご飯に行きたいと思う人が はたして何人いるのだろうか。 私は完成化されていない言葉が好きで、 もちろん自らの怠慢である点は否めないが、 言葉を端折って話すことがとても好きだ。 その際に、自らの考えをあまりにも拾い上げられない人とはどうしても仲良くなれない。 そのような意味で、 私は「賢い」人が好きと常々言っている。 人のことを慮れる優しさを持った人は、 たくさんの人生経験を積んだ人であり、 つまり私の友達は

          天然人たらし。

          言葉の綺麗さはよく知っているけれど、 知れば知るほど言葉の疎ましさにも気づいてしまう。

          言葉の綺麗さはよく知っているけれど、 知れば知るほど言葉の疎ましさにも気づいてしまう。

          心ときめく方

          22歳になった。卒業や引っ越しも重なり、たくさんの人がお祝いしてくれた。内訳は、大学で出会った友人だけでなく(高額なプレゼントまでいただいた)、中高の友人(まだ縁が続いていて嬉しい)や、元バイト先のみんな(これまたプレゼントのセンスが良い)、大学の先輩(昨年度卒業式見に行くほどには仲が良かった)、推し友(良いペンくれたり、推しの刻印入れてくれてありがとう?マグカップくれた君もありがとう!!)までも。年を重ねるうちに、自分よりも自分を好いてくれる人が増えて私はとても嬉しい。

          元々死生学とか哲学を学びたかったんだけど、学べなさそうだったので同じく興味があった心理学で大学受験。なんやかんやで教育学を専攻してるけど、卒論で修辞学絡めて研究できた。まーさかアリストテレスの『詩学』と『弁論術』を読むことになるとは。人文学って繋がってるんだなあ。 あるを。

          元々死生学とか哲学を学びたかったんだけど、学べなさそうだったので同じく興味があった心理学で大学受験。なんやかんやで教育学を専攻してるけど、卒論で修辞学絡めて研究できた。まーさかアリストテレスの『詩学』と『弁論術』を読むことになるとは。人文学って繋がってるんだなあ。 あるを。

          終線ではなく。Re:始線。

          2024年1月11日をもって、私が3年間(直近1年間は全力で)応援していたロックバンドmzsrzのメンバーのうち4名が脱退します。 始まりがあれば終わりもあります。 ただ、まだ終わらせるのではなく、もう一度始めると表現してくれたことがものすごく嬉しいです。 ・mzsrzというグループがまた新たに始める ・5人が5人それぞれの未来に向かって始める きっと複数の意味があるはずです。 さて、私は貴女たちに出会ったことでネガキャンがかなり減ったと自負しています。 以前の私は悲観的

          終線ではなく。Re:始線。

          下書きに溜まっているs達。 「声」「言」「体温計でHが出た話」「守破離」「不完成である俯瞰性」「鳥のように」

          下書きに溜まっているs達。 「声」「言」「体温計でHが出た話」「守破離」「不完成である俯瞰性」「鳥のように」

          恐るべき主観性

          「怪物」を観た。 こちらをチョイスした理由は、元々面白そうだなと思っていたことと推しが観てみてって言ってくれたこと。 この物語は、母、担任、児童の3者の視点を追う形式となっている。彼らにとって“誰が怪物なのか”を考えることや、同じ事象に対しても見方や考え方次第で違ったように感じることを表現している。 さて、私がこの映画から学んだことは ずばり、“自己に住まう偏見の自覚”である。 うーーん月並み、と思ったそこの貴女。 待って待って。 作品では、読者に考えさせる演出がとても多

          恐るべき主観性

          🪼

          海月。 ふわふわり、海を漂う。 深く深く、僕の頭を深層へと誘う。 沈もう。 一緒に帳を下ろそう。夜の闇を感じよう。 自由に、どこまでも遠く伸び伸びと生きていこう。 誰も知らないところに消えちゃおう。

          声について書きたい

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