ほめてるのにうまくいかない!なぜだー。 トレーニング理論補完計画!
結論
「理論でトレーニングしようと思ったら、感覚を研ぎ澄ましましょう」
今回もややこしい事を、凝りもせず長々と書いてしまいました。
ぜひ最後までお付き合いください?
それでは、スタート!
デジタル派(理屈っぽい人たち。理論を一生懸命勉強して、緻密な計画立案をし、冷静に状況を分析して、動物と真摯に向き合い、理論をもとに結果を出していく人たちの事。難しい言葉を使って周囲を煙に巻くめんどくさい人たち)の皆さまへ、思い通り・理論通り・計算通りに結果は出せていますか?イメージ通りにトレーニングが進まず、違和感を感じることはありませんか?
私、重大な発見をしてしまいました!
トレーニング理論や教科書の大きな落とし穴。
もしかしたら、みんな知ってて、自分だけ知らなくて、やっと気づいて、得意になっているだけかもしれませんが、そんなことは関係ないのです。まだ知らない人や困っている人に届けばいいんです、自己肯定!
ざっくりわかりやすくまとめると、
「状況次第で強化子の効力が変化する」
強化子の効力って、状況によって強くなったり弱くなったり変化するって知ってました?
だれも教えてくれなかったんですけど。
イルカのトレーニングで使う代表的な強化子・餌について、食欲が低下したときには強化力も当然低下する、これはわかります。しかし、食欲が高い時でも、餌の強化力が下がることがあったんですね~、知らなかった。
同じ強化子であれば未来永劫、いつでも効力は常に一定だと思っていました。
自分に置き換えて考えてみましょう(科学的な説明かは無視、強引に進めます)。
☆設定
お化け屋敷の奥にあるスイッチにタッチしたら → ショートケーキを貰うことが出来る
強化子は、濃厚なクリームたっぷり、あまーいイチゴが乗たショートケーキです
(ケーキが苦手な人は最強の強化力をもつモノに置き換えてください)。
この設定で様々な要因を変動させるとどうなるでしょうか。ケーキを貰った事で、もう一度お化け屋敷の奥のスイッチを押しに行くか(行こうと思うか)、ケーキを貰ってうれしいか、ケーキを食べてよかったと思うか・・・。
ケーキを貰う場面
① タッチした直後にお化け屋敷の中でケーキをもらう
② タッチしてお化け屋敷の外に出てからショートケーキをもらう
③ ケーキをくれる人が素敵な笑顔で微笑んでいる
④ ケーキを丁寧に渡された
⑤ ケーキをくれる人がなんか不満そうで怒っている
⑥ ケーキを投げるように渡された
⑦ ケーキをもらうのに待たされた
⑧ ケーキをもらう準備ができてないのに無理やり押し付けられた
続いて、ケーキを食べる場面です。
⑨ お化け屋敷の奥、何が出てくるかわからない場所でケーキを食べる
⑩ お化け屋敷の外、安心できる場所で落ち着いてケーキを食べる
⑪ 怖い人に睨まれながら、ケーキを食べる
⑫ たくさんの人に注目されながら、ケーキを食べる
さらにケーキを貰う自分側の状況です。
⑬ おなか一杯だった
⑭ 過去にケーキを食べながら事故にあったことがあり、ケーキをみると怖い記憶がよみがえる
⑮ ケーキを食べすぎておなかを壊したことがあり、ケーキが苦手
いかがですか?
12パターンについて例を挙げてみました。貰ったケーキはすべて同じものですが、「次もお化け屋敷の奥にあるスイッチを押しに行こうと思うか?」については違いがあるのではないでしょうか。
ケーキの強化子としての効力は同じでしたか?
(すべて同じと思った人には、鋼の心が宿っています、尊敬します)
復習です。
そもそも強化子(強化刺激)ってなんでしたっけ。
「強化子はそれに先行した反応の出現頻度を増大させる」
って書いてあります(オペラント心理学入門)。
この書き方、噛みつきたくなりますね、騙された感じがすごいします。
つまり、反応の出現頻度を増大させるものが強化子だって言ってるんです。
これって現場で働くトレーナーからしたら?じゃないですか。
餌=強化子と無条件で思っていましたが、そうじゃない!
餌が強化力を持っているときは強化子だし
強化力がなくなれば餌は強化子じゃないって事を言ってる?
うそー!
誤解するような書き方するなー!
教科書が間違ってたんじゃなくて、教科書の理解の仕方が間違ってたってことですね。
悪いのは私でした。
教科書に載っている実験では、強化子の効力が変化するとデータとれないので、強化子の効力が高く一定になるように設定してたんですね。強化力が高い事が大前提なのでわざわざ書かないし、強化子の効力が変わったときのデータは排除してるんでしょうね、考えてみれば当たり前です。
強化子の効力一定ではなく、状況によって変化するもので、その変化をリアルタイムで把握するには直感・感覚が必要だったという事ですね。直感や感覚でのトレーニングを避けるために(直感や感覚が不得意)、理論をトレーニング現場に導入したのに、その理論の根底となる強化子の効力を把握するには直感や感覚が必要だったなんて。
衝撃です。
「理論は、直感の上に成り立っている!」
変動要因をすべてコントロール出来れば、問題発生しないんでしょうが、そんなことは無理。どうすればいいんですか?
・まずはこの状況を受け入れる
・強化子の効力が最大限発揮できるよう、細心の注意を払い丁寧に扱う
・自分の予測と結果のズレを把握し、次に生かす
それでも、解らない、理解できない、だれかに教えてもらいたい。
実はいるんです、すべてを理解している人たちが、そうあなたが大っ嫌いなアナログ派(感覚が鋭く、感じたことを大切にして、状況に合わせて変化させることが得意で、事前の計画立案を不要とし、二度と再現できないすごい事を突然やってしまう人たちの事、感覚で説明するので何を言ってるか解らない面倒くさい人たちの事)の皆さまです。
アナログ派の中でも、特に予測が正確で結果を出している人たちの言うことに耳を傾けてください。相変わらず何言ってるか全くわかりませんけど、でも、大切なヒントが沢山含まれています。
理論は直感や感覚により補完される・・・・・のでは?
デジタル派の皆さま、ぜひ鋭い感覚を身に着けてみませんか?
世界が大きく広がると思いますよ。