公認会計士受験CPA界隈で多用される用語・語録

趣旨

時代が変われば制度や言葉も変わるので、今遣われてる言葉を記録して後世から見返したい&ナウな受験界隈の雰囲気の参考になれば。
第1稿 2025年1月28日

(試験制度関連)

〇審査会
 公認会計士試験を実施している公認会計士・監査審査会のこと。いわゆるゲームマスター。
〇短答
 毎年5月と12月の2回、1日で行われる短答式試験のこと。1回受かることで向こう3回の論文式試験受験資格が得られる。合格ボーダーは絶対得点70%程度とされているが、相対試験のため大きく変動し近年は70%~80%の間を推移。
〇論文
 毎年8月後半に3日間にわたり行われる論文式試験のこと。各科目の大問の偏差値を重みづけ平均するという統計的には意味不明な換算方法で求めた 総合偏差値52で合格、各科目偏差値56で科目合格となる。
5-8
 5月短答→同年8月論文とインターバル最短で合格するルートのこと。
〇過年度生
 いわゆる浪人生のこと。言い換えにより強そうな感じがする。
〇免除
 種々の試験科目免除制度があるが、特に言及(利用)されるのは
 ①アカスクルートでの短答の企業法以外3科目の免除
 ②税理士試験の簿記論財務諸表論合格による短答財務会計論免除、
 ③論文での科目合格による翌年の論文試験科目免除
 の3つ。短答が年2回ある仕組みと並んで試験に沼る人が出てくる元凶ともいわれる。
〇アカスク
 会計大学院(アカウンティング・スクール)を修了することで短答が企業法以外3科目免除となり、短答の突破率が格段に上がる入試ルートのこと。
 短答合格が安定するため、近年多発している企業法の平均点が相対的に高い短答の後には毎回怨嗟の声が上がるが、論文の合格率は通常の受験生に比べて格段に低く、大学院の巨額の学費や履修時間をかけるほど楽なルートなのかは疑問視されがち。
 今後のシン・会計士試験では短答の突破率を上げるそうなのでさらに有効性が低下すると思われる。
〇旧会計士試験
 平成17年以前に実施されていた会計士試験のことで、ベテラン講師の雑談でたまに言及される。
 大学3年生以降は免除される一次試験と、短答→論文からなる二次試験、現在の修了考査に相当する三次試験からなり、二次試験の短答は年一回実施で論文の科目合格制度もない、論文の選択科目は経営学・経済学・民法から2科目選択と、今よりもずっと掛け金の大きい博打のような試験だった模様。
〇シン・会計士試験
 かつては上記旧試験と対比して現在の試験が新会計士試験と言われていたが、令和6年12月短答終了後に突如試験制度変更方針が公表されため、現在ではもっぱらそちらをイメージして言われている。
 詳細は不明ながら、短答での絞り込みを緩くして、論文での絞り込みを厳しくする、短答の計算の問数を調整(増?)して試験時間も調整する等が予定されており、こういった制度変更の常ではあるが変更後初回の試験にはかなりの予見不可能性、不確実性が伴うと考えられる。

(講師ほか)

〇国見さん
 会計士受験界隈に革命を起こしてしまったCPA会計学院の代表、国見氏のこと。最近運転手を募集したことでちょっとした話題に。アニキの授業でしばしば例え話に出てくる。
〇植ちゃん
 CPAの短答ボーダー予想を毎回正確に当てている植田先生のこと。毎回素晴らしいクオリティの雑談をしながら、他講師より短い講義時間でしっかりと要点を伝えてくれるレギュラー講義を3科目も開いてくれており、レギュラー講義を完走するだけでもかなりの労力を要するこの試験において、端的に言って神。氏の財務計算解き方メソッド(神下書き)により多くの受験生が救われたと思っている。ユーチューブでもCPAカレッジというチャンネル名で精力的に活動されている。新リース神講義は必見。
〇かつみん、猫
 財務会計教科主任の渡辺克己先生のこと。解説動画に必ず猫のイラストがあることから、猫に表象されやすい。一受験生としての第一印象は性格の悪い答練を作る人()。計算力向上のための財務コントレや財務理論の追加課金講義等で受験生から絶大な支持を誇る。
〇アニキ
 企業法でレギュラー講義や論対講義をされている青木先生のこと。講義時間はめちゃくちゃ長いが、それも説明を端折りたくない先生の熱意の表れ。企業法は初学者でも論対講義に課金している受験生が一番多い科目と思われるが、それはひとえにアニキのおかげ。テキストの形式面(フォントとか)やマーカーの色遣いが本当に雑なので、見る人を選ぶかもしれない。
 暗記すべき条文にアンキとメモするときにペンが滑ってアニキになりがちなのがあだ名の由来。
〇IKB
 管理会計教科主任の池邉先生のこと。ツイッターではいつも受験生に寄り添う熱いメッセージを適時に発信してくれている。やるべきこと、やらなくて良いことをしっかりと講義で触れてくれるのと、論文期には無課金でも課金レベルの充実した講義が展開され、受験生からの支持は厚い。受験生からは髪がないことをイジられがち。
〇松ちゃん
 監査論のレギュラーや論対講義を担当している松本先生のこと。講義内での言葉遣いに非常に厳しく、配慮を感じられる。ベテラン講師らしく講義やレジュメはとてもわかりやすく、論対講義課金勢も多い。よく体調不良で講義が遅れたりする。講義では飼い犬の写真が毎回出てくるので犬に表象されがち。
〇おりりん
 財務理論担当の折原先生のこと。
 ツイッターでハイコンテクストな受験ポエムを頻繁に投稿している。北関東出身らしい平板なイントネーションによる淡々とした喋り口が特徴。
〇キング
 租税法や財務計算を担当している高野大希先生のこと。なぜキングと呼ぶのかは不明だが、本人も使っている模様。誰か知っている人がいれば教えてください。
〇マオマオ 
 財務計算の短答対策講義をしている田中真生先生のこと。田中レジュメは短答財務計算への回転教材として使いやすいらしいが、筆者は受けておらず不明。

(教材・校舎)

〇テキスト
 CPAの標準的な講義(レギュラー講義)で用いられる基本教科書のこと。各分野の論点を網羅しているかわりに財務計算で10冊、財務理論・企業法・監査論が各3冊、管理会計・経営学・租税法が各4冊、統計学が2冊とかなりボリュームがあり、日々の運搬は現実的でないため、紙ベースかつ自習室で勉強する場合、ロッカー追加課金不可避になる。
〇レギュラー講義・レギュラー答練
 CPAの初学者コースで履修することになる講義。論文試験まで賄えるように編集されたテキストを一通り網羅的に学ぶことになるため、一例として財務計算では3時間×50本程度とかなりの講義時間数がある。
 レギュラー答練はレギュラー講義に並走する形で実施される確認テストのこと。詳しくは勉強法(後編)記事を参照。
〇短直
 毎回の短答試験の本番3か月前からスタートする「短答直前答練」の略。短直1から短直4まであり、特に短直3と短直4は本番同様の形式で実施されることから、下記模試と並んでベンチマークとして重視されている。
 ちなみに短直3,4及び模試の会場受験は、やる気のある受験生が集まっているからかなぜか本番より緊張感がありオススメ。
〇模試
 短答の場合は、短直3と短直4の間に実施される公開模試のことを指す。他校生が入り込む以外、特段短直との違いはない。論文の場合は、5月と7月に実施される本番形式の公開模試を指す。
〇上級
 短答合格者が論文の勉強の一環として受ける上級答練のこと。実質的にはレギュラー答練を論文学習版にしたもの。
〇論対
 論文対策のための追加課金講義(論文対策講義)を指す時と、無課金でも使用できるテキスト・問題集としての論文対策集を指す時があるが、特に文脈がなければ前者の用法が多い。ややこしいので名称分けてくれませんかね。
○論ダイ(論文ダイジェスト講義)
 論文対策のための無課金講義。ダイジェストと付いているのはレギュラー講義の内容を復習する位置付けのため。論文対策集と対応している。
○速習講義
 主に5-8生のために論文専用科目である租税法・経営学について開かれている圧縮型の講義。とはいえもともと分量が多いためあまり圧縮されている感じはしない。経営学速習はかなり支持されている模様
レジュメ
 無課金のテキストはCPA本部が標準教材として作っているのに対し、追加課金講義で使用するため、各講師がノウハウやこだわりを詰め込んで制作された渾身の作品のこと。特に評判がいいのは財務理論の渡辺レジュメ、監査の松本レジュメ、管理のIKBレジュメ。1科目3万円弱と一番の課金要素のため、メルカリ校に走られがち
〇コントレ
 計算力を強化・維持するために追加課金で利用可能な問題集「コンパクトトレーニング」のこと。さながら大人版計算ドリルである。財務・管理・租税で売られているが、
 財務→短答過年度生or論文生中心にかなり使われている
 管理→よっぽど管理が好きで強化したい人しか使ってない
 租税→個別問題集が扱いずらいので使っている人が多い、という印象。
〇コンサマ
 短答期メインに使う小型のまとめ教材のこと。基本的に知識科目の復習・回転に使用。短答理論対策に悩む多くの受験生がWeb問題集をポチポチしてコンサマに書き込むという勉強法に帰着しがち。他校ならそもそもテキストを最低限にして講義でフォローするような科目についても、テキストをボリューミーに作り、それとは別にコンサマを提供する形としており、CPA教材の強みの一つとなっている。
〇基準集
 論文試験本番で配布される法令基準集のこと。財務・監査・企業・租税で配布され、いずれの科目においてもがっつり答案に引用することになる。毎年3月下旬に財務省の天下り団体 大蔵財務協会から各書店で販売されるが、CPAでは12月から1月にかけて予約を募り、とりまとめて割安で調達してくれる。論文期においては本番のみならず、答練、日々の勉強でも必須の教材だが、短答期は完全に不要。
○Web問
 短答対策用に理論科目の選択肢問題を大量収録したブラウザ上の一問一答肢別問題集のこと。スマホ片手で非常に回転しやすくなっており、隙間時間や移動時間にも勉強効率を上げられる。収録対象は各科目の短答対策問題集と財務理論コンサマの後半についているスマコア(スマートコアチェック:コンサマ対応問題集のこと)
○ラウンジ
 校舎以外の自習室のこと。各校舎の自習室については通信生は追加課金制だが、ラウンジの自習室は通信生も通年無課金利用可能。校舎の自習室が溢れるのを防ぐためと思われるが通信生の枠組みの趣旨を考えると少し不思議な制度である。校舎自習室と同じくiPadやウォーターサーバー完備。
○ロッカー
 校舎やラウンジにある教材入れ。1か月1000~1500円で3か月単位で借りられる。想像より小さく30冊程度しか入らない(短答期であれば十分だが、論文期になるとキャパがパンクする)が、借りないとテキストを運ぶのが億劫になるので全てタブレットで完結しない限りは借りた方が良い。8月末になると一斉に退校者のロッカーがあくのでその時期に契約するといい場所を取れる。
○メルカリ校
 ただでさえ標準コースでも課金額が高いのに、さらに追加課金要素があるため、教材のみメルカリ等のフリマアプリで購入して講義等を聞かずに勉強する方法の俗称。
 2周目とか余力がある時(そもそも余力が生まれるような試験ではないが)の問題経験値を増やすなら良いが、少なくともインプット不足のときにはオススメできない。


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