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Wi-Fi 6E はじまりました

こちらはMoney Forward CorporateIT Advent Calendar 2022 16日目の記事です。
前回はMatsuokaさんの「非情シスがSaaS管理している話」 でした。

はじめに

どもども。 SHACHOです。
マネーフォワードでコーポレートインフラを主に担当しています。

にこけんさんの記事 「社内Wi-Fi大全~見えないものとの戦いに挑んだ技術者たち~」(必読!) の歴戦の記録において、バトンを渡され未来を託された内の1人かと思われます。

今回はWi-Fi 6Eという新しい無線LAN規格について、お話ししようと思います。

現状の無線LAN規格

現在普及してきている無線LAN規格はWi-Fi 6(802.11ax)です。ただWi-Fi 6も比較的新しいため、マネーフォワード社内もまだWi-Fi 5(802.11ac)を利用しているエリアがあります。

にこけんさんが奮闘した本社も無線APがWi-Fi 5で、クライアント数の急激な増加、Zoomなどのトラフィック増加に無線APのチューニングだけでは、快適な無線LANの提供は難しい状況となりました。

そこでマネーフォワードでは、次世代規格 Wi-Fi 6E 対応APへのリプレイスを検討しています。

Wi-Fi 6Eとは

2022年9月、総務省よりWi-Fi 6Eで使用する6GHz帯の認可がおり、日本国内でWi-Fi 6E が解禁となりました。

Wi-Fi 6Eの仕様については、ここでは説明しきれないので割愛。

Wi-Fi 6の仕様としてOFDMA、アップリンクにも対応したMU-MIMO、セキュリティ規格WPA3などなど、とても魅力的な機能があるのですが泣く泣く割愛。

コーポレートインフラ視点でフォーカスしますと、Wi-Fi 6Eの大きなポイントとして
6GHz帯が利用可能!
これに尽きるかと思います。

『補足』
Wi-Fi 6とWi-Fi 6EはWi-Fi Alliance認証プログラムの名称で、IEEEの規格ではWi-Fi 6とWi-Fi 6Eも同じ802.11axになります。そのため、Wi-Fi 6とWi-Fi 6Eも基本の仕様は大きく変わりません。

6GHz帯

これまでの無線LAN規格だと2.4GHz帯と5GHz帯の2つが利用可能でした。 それぞれ使用可能チャネル数が決まっており、マネーフォワード本社のような大きなフロアだと同フロアで同じチャネルを使用する必要がありました。
同じチャネルが近いと干渉し、通信品質が低下します。そのため無線設計においてチャネル設計が重要なポイントとなります。ここがエンジニアの腕の見せ所でもあり、無線APの機器選定でも自動チャネル調整機能などが重要ポイントとなります。

そこで新たに利用可能となる6GHz帯。使用可能チャネル数が24 !

利用可能チャネル数がこれまでの倍になります!

また2.4GHz帯では電子レンジなどの家電、Bluetoothなどとの干渉、5GHzではDFS(航空/気象レーダーを検知したら瞬時にチャンネルを切り替える機能)などの影響を受けますが、6GHz帯は影響がありません。

6GHz帯の弱点

こんな良いとこだらけの6GHz帯にも、懸念点はあります。
(5GHz帯と比較)

  • 通信できる範囲が狭い

  • 障害物に弱い

周波数が高くなるほど電波が届きにくくなります。ただ2.4GHzと5GHzとの差に比べると小さいので、5GHz帯とほぼ同じ感覚で使えるのではないでしょうか。

マネーフォワード本社だったら壁の少ない執務エリアは6GHz帯で、壁が多い会議室エリアは5GHz帯で、といった設計が考えられます。

対応クライアント待ち・・・。

さて、ここまでくると早くWi-Fi 6E 使いたいですね。
Wi-Fi 6E対応APやルータは、エンタープライズ向けでもコンシューマー向けでも増えてきました。

クライアント側というと・・・ほぼ対応してない !?

モジュール自体はWi-Fi 6Eをサポートしている場合、ドライバー更新で利用できると思いませんか?
それがなかなか難しそうです。

技適の壁

Intelモジュールの場合、AX211/AX210が最新ドライバーで6Ghz帯に対応しました。ただこれだけだと、Wi-Fi 6E は利用できません。
技適の認証が必要になります。

  •  ハードウェアがWi-Fi 6E に対応していても、PCベンダー側で技適の認証が必要

  •  厄介なことに今回のケースだと、新規技適番号での認証が必要

  •  技適には表示義務があるので、技適番号の表示変更も必要

そのため、PCベンダー側の対応がなかなか進まない状況です。

現状の対応クライアント

現状(2022年12月16日現在)対応しているPCベンダーは以下の通り。

技適番号の表示は、電磁的表示(UEFI / BIOS を使った表示)で対応しているようです。

スマホでは、一早くGoogle Pixel 7 / Pixel 7 Pro がファームウェアアップデートでWi-Fi 6Eに対応しました。

気になるiPhoneはというと・・・

Apple製品については、新しい対応機種の発表を待ちましょう・・・。

さいごに

マネーフォワードもWi-Fi 6E 対応AP導入で、ドキドキワクワク。
導入する頃には、より多くのクライアントがWi-Fi 6E に対応してくれることを心から願っています!  

次は 17日目 mochicoさんです!よろしくお願いします!

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