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Wi-Fi 6Eの現状

この記事はMoney Forward CorporateIT Advent Calendar 2023の22日目の記事です。前回はヒデオミさんの「気軽にツールを作ってライセンス棚卸しを爆効率化した話」でした。


昨年の記事からの続編

どうも。 SHACHOです。
マネーフォワードでコーポレートインフラや配信業務を主に担当しています。

昨年はMoney Forward CorporateIT Advent Calendar 2022 にて「Wi-Fi 6E 始まりました」という記事を投稿しました。

今回はその続編と言いますか、Wi-Fi 6Eの現状および当社のWi-Fi環境について話していきたいと思います。

Wi-Fi 6E対応 無線APの導入

当社では昨年に本社フロア増床があり、それを機にWi-Fi 6E対応の無線AP「Cisco Meraki MR57」を導入しました。機器要件としてWi-Fi 6E対応は必須要件として機器選定をおこないました。

Cisco Meraki MR57

導入時期としては、日本国内でWi-Fi 6Eで使用する6GHz帯の認可がおりていましたが、Meraki MR57のファームウェアがWi-Fi 6Eに対応しておらず、Wi-Fi 6での運用となりました。
(当時法人向けの無線APでWi-Fi 6Eを実際に利用できる機種はなかったと思われます。)

Wi-Fi 6の運用でも既存無線LAN環境に比べ、大幅に快適になりました。
改善ポイントは以下です。

  • 無線LAN規格のアップグレード

    • Wi-Fi 5(802.11ac) から Wi-Fi 6(802.11ax)へ

  • Dual 5GHz化

    • 無線AP1台につき、5GHzチャネルが2つ利用可能となり1チャネルあたりの使用率が減少

  • セル範囲に基づいた無線AP配置設計

    • 既存無線AP配置ではセル範囲が考慮されていなかった

セル設計(青色AP / 5GHz帯only, オレンジ色AP(2.4GHz帯 & 5GHz帯)
  • チャネルの固定化

    • チャネル自動設定の場合、近距離の無線AP同士で同じチャネルを使用し干渉する場合があったのでチャネル固定

紫色の数値が5Ghzチャネル、緑色が2.4Ghzチャネル

Wi-Fi 6Eがキターーー!!!

さて、導入から1年も過ぎた頃に6GHz帯対応のファームウェアがきました!これでWi-Fi 6Eの本領が発揮できる!!!と思いましたが、まだベータ版・・・。
ベータ版ファームウェアなので、1台の無線APに適応し接続確認を実施しました。
検証結果は以下です

  • 6GHz帯は干渉の心配がない (2023年10月時点)

    • 現状6GHz帯の使用はほぼなくDFSの影響も受けないので、チャネルボンディングなど贅沢にチャネル使用ができる

    • いずれ6GHz帯対応の機器が普及すれば5GHz帯と同じように干渉を受けやすくなりますが、DFSの影響を受けないというのは大きなメリット

  • 干渉以外はWi-Fi 6とあまり変わらない・・・

    • Wi-Fi 6E の基本の仕組みはWi-Fi 6と変わらず、6GHz帯が使用できるという仕様なので干渉を受けない状態だとパフォーマンスは5GHz帯と変わらない

Wi-Fi 6Eの懸念点

現在は安定版ファームウェアもでていますが、6GHz帯は使用していません。
これだけ6GHz帯に期待しておきながらなぜでしょうか。

懸念点①

・対応端末が少ない
これが単純な問題ではなく、社内PCでWindowsとMacを利用している当社だと難しい問題です。
6GHzを使用するとDual 5GHz が実現できず、5GHz + 6GHz になります。
つまり6GHz対応端末が少ないと5GHz帯に接続PCが集中し、5GHz帯チェネル使用率が上がり接続PCのパフォーマンスが低下します・・・

当社ではMacBook Airの利用者が比較的多いです。
残念なことにMacBook Airは最新版でもWi-Fi 6E未対応・・・。

懸念点②

・WPA2に対応していない
6GHz帯は規格上、暗号化方式でWPA3を割り当てたSSIDでしか利用できません。ほとんどの端末がWPA3に対応していますが、ごく一部のレガシー端末やゲストWi-FiでWPA2の接続が必要になります。

以上の懸念点を踏まえて、メリットよりデメリットが多いことからWi-Fi 6E の展開をおこなっていません。

さいごに

当社の本社フロアは高密度環境のため、Wi-Fi 6Eはまだ展開しておりませんが、高密度環境ではないブランチオフィスや自宅ではWi-Fi 6E の導入メリットはあります。今後、各支社にWi-Fi 6E対応APが導入できれば、Wi-Fi 6Eを展開していく想定です。

さて、本記事の投稿日2023年12月22日にWi-Fi 7(802.11be)が解禁となりました。(総務省告示第426号および同第427号が2023年12月22日に公布・施行され、国内で320MHzの帯域幅の利用とWi-Fi 7 [802.11be]による通信が利用可能になりました)

Wi-Fi 6Eが普及する前にWi-Fi 7 が解禁・・・。Wi-Fi 6Eはあまり利用されず、Wi-Fi 6からWi-Fi 7へとマイグレーションするケースが多くなる予感がします。

当社としては、Wi-Fi 6E対応のMacBook Airが発売され社内で普及していけばWi-Fi 6E導入へのハードルが下がります。
Wi-Fi 6E対応Macbook Airが発表されることを切に願っています!


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