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餃子がブランド化され、世界中から 日本に餃子を食べに来る

焼き餃子協会の代表を務める小野寺力さんはIT系のビジネスで培ったノウハウを生かして焼き餃子を世界に広める活動をしています。メディアにも積極的に出演し、「餃子」というテリトリーではなく「“焼き”餃子」に特化していることがユニークです。本連載は東京ヴィーガン餃子からの発信ですから、共通テーマである餃子を核に話はどんどん広がっていきました。まずは東京ヴィーガン餃子代表の吉川欣也の出身地、宮崎の餃子の話からスタートです。

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小野寺力(おのでら ちから)一般社団法人焼き餃子協会 代表理事・ギョーザジョッキー。1976年沼津生まれの仙台育ち。大学卒業後に上京しモバイルコンテンツを提供するサイバードでマーケティング、ライブドアのポータル部門でプロデューサーなどを経て2009年からエナジャイズ株式会社(後にしかけ株式会社に社名変更)を設立してクラウドコンピューティング導入支援制作を行う。その傍らで2013年から全国から取り寄せた餃子を焼いて食べるイベントを主催。全国の逸品餃子の紹介と、家庭でも簡単に美味しく焼く技術の普及に努める。2018年に日本の焼き餃子文化を広めることをミッションに「一般社団法人焼き餃子協会」を設立。毎月セレクトした餃子を工場直送する「逸品ぎょうざ頒布会」などのコミュニティを通して全国の餃子の魅力を伝えている。

一般社団法人焼き餃子協会
https://www.gyoza.or.jp/

日本中にあるおいしい餃子と
その背景を拾い上げて広めたい

吉川 まずは宮崎餃子をプッシュしていただいてありがとうございます(注:2021年の1世帯あたりの餃子購入額で、宇都宮市と浜松市という二大餃子王国を上回って宮崎市が日本一になった。小野寺氏はメディア等で宮崎餃子を紹介してきた)。

小野寺 いえいえ。宮崎市はこれまでも宇都宮市や浜松市に次いで、総務省統計局の家計調査では餃子支出金額の3位に頻繁にランクインしている餃子大国でしたからね。それが昨年、バンッと1位という数字で出てきたわけです。コロナの影響もあったかもしれません。

――宮崎の餃子の特徴って何ですか?

小野寺 食材が良質で安くてうまい。そしてこれといった決まりがないことですね。宮崎は畜産王国でもあり、野菜の生産地でもあるという恵まれた餃子食材の産地です。そしてその食材を使っておいしければ、中身はなんだっていい、というおおらかさがあります。豚肉だって牛肉だって鶏肉だっていいんですから。そして宮崎市には餃子を外で食べる習慣があまりなくて、市民には餃子は持って帰るものっていう意識があるんです。家で焼いてもおいしい餃子を店で作ってくれるわけですから、取り寄せにもぴったりですよ。ぜひ試していただきたいです。

――小野寺さんはそうやって日本全国のおいしい餃子を見つけて発信しているわけですが、これまでのキャリアから考えるととても異色な気がします。餃子に至った経緯を教えていただけますか?

小野寺 はい。どこからお話しようかなぁと考えているんですが、実は今日のインタビューのテーマが「未来」ということで、高校時代にテレビでやっていた「スタートレック」を思い出していたんです。

――カーク船長やスポックが登場してたエンタープライズ号を舞台にしたあのスタートレックですか? 小野寺さんはもっと新しいシリーズですかね……(笑)。

小野寺 僕が見ていたのはカーク船長の次の世代である「スタートレック・ザ・ネクストジェネレーション」です。30年先といわず300年以上先の未来を描いているのですが、そこでは貨幣経済という概念がないんです。つまりお金が必要ないという社会です。フードレプリケーターという機械で分子の状態から料理を作れるし、物理的な移動はテレポーテーションでどこにでも動けるし。ワクワクするような設定で夢中になって見ていました。そういった夢のような未来に少しでも近づきたくて、仙台から東京に出てきてインターネットのベンチャー企業を渡り歩きました。ある程度自信がついて、クラウドコンピューティングを世の中の多くの人たちに使っていただこうと思って自分の会社を作りました。

――2009年のことですね。

小野寺 その当時はまだセールスフォース(世界No.1の顧客管理のプラットフォーム)がローソンに採用されました! ということがニュースになるくらいのタイミングで、クラウドコンピューティングが未来を支える基盤技術だと思っていましてね。エンジニアであれば自分でサーバ管理やアプリケーション開発の要らないメリットをすぐ理解できるのですが、非エンジニアの経営者からはクラウド信用できない、クラウドを理解できないと言われている時代でした。そのような経営者に「これをこういう風に使うと、あなたの会社はこんなにも変わるんですよ、こういう効果が認められますよ」というエンジニアと経営者の間の「通訳」のようなことをしたくて会社を立ち上げたんです。今でもその気持ちは変わっていなくて、クラウドを活用することで楽になることはいっぱいあると思うし、テクノロジーはどんどん日進月歩していくので、自分がそれを学んで人々に伝えることをやっていこうと思ったんです。

――餃子の普及もその気持ちから来ていると?

小野寺 そうなんです。日本各地に餃子文化があって、餃子屋さんごとに皮といい、具といい、焼き方といい、売り方といい、餃子へのこだわりが細かくあって、その餃子職人と生活者の間の「通訳」として日本の餃子文化を普及させるのが僕の役割です。

――餃子とクラウドが重なることが、東京ヴィーガン餃子の吉川の考え方ともリンクしていて非常に興味深いです。小野寺さんはいつ頃からそう思われたんですか?

小野寺 2013年頃ですね。ある企画で50人くらいの仲間と餃子を食べようってことになったんですが、50人分の餃子を自分たちの足で集めてくるのはなかなかむずかしい。そこで取り寄せにしようと思って調べ始めたら、その時点で千数百種類もの餃子が見つかって、みんなで「餃子ってすごくないか?」と驚いて。当時はまだ餃子といえば宇都宮と浜松しか知らなかったんですが、調べてみると全国いろいろなところで一生懸命に餃子を作って、HPで販売して、という人たちがいたわけです。彼らの思いをどうやったら伝えられるんだろう? と考えながら店に問い合わせて、取り寄せて、食べて、また問い合わせて、を繰り返していくうちに、自然に作る人たちとコミュニケーションがとれるようになってきました。そうしたら「あっ、僕が全国の餃子の作り手の思いを伝える役割を担えばいいんだ。それが僕の使命なんだ」とまさにお告げのように“降りて”きました(笑)。そして2018年に焼き餃子協会を立ち上げました。

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――なぜ「焼き」餃子だったんですか?

小野寺 焼き餃子は日本独自で進化した文化だからです。本場中国では水餃子がほとんどですが、日本では圧倒的に焼き餃子ですから。

――小野寺さんのことは「マツコの知らない世界」のお取り寄せ餃子の時に初めて拝見して、餃子愛がビシビシ伝わってきました。メディアに積極的に出ていらっしゃるイメージがありますが、「焼き餃子協会」の活動の柱として「発信」があるということですかね?

小野寺 「焼き餃子協会」は全国各地の焼き餃子文化を国内外に広めていくことが大きなミッションで、全国各地の逸品餃子を見つけてご紹介し、焼き方や食べる方法も伝えます。餃子の味だけではなく、餃子を作っている人たちの「餃子愛」を知ってもらうことが、餃子文化を広めるためにもっとも有効だと考えています。先ほどの「スタートレック」の話に戻りますと、スタートレックでは貨幣経済も労働の必要もなく食べ物の心配もない24世紀のハイテクノロジーな世界を描いています。そんな世界の人々が、葡萄を育ててワインを造ったり、料理をつくったりと、逆にローテクノロジーな営みを人生の楽しみにしていたりするのが面白くて。人間らしさって、あらゆるものが便利で自由になったとしても変わらないものなんだな、って感じましたし、今もそう思っています。食に関してもそこに潜む背景の部分に注目をすると、おもしろい世界が見えてくるんじゃないかと。

――背景とは具体的にどういうことでしょうか。

小野寺 人々は食べ物の表に立った味や香り、食感を求めているだけではなく、そこに潜んでいる作り手の思いだったり、食材の話だったりという背景を求めるということです。「食」というのはエンターテインメントの最後のフロンティアだと思っていて、いかにテクノロジー化が進んでも、スタートレックで人間らしさというものは変わらなかったように、人の手が入ったもの、原始的なものに魅力を感じると思うんですね。「この餃子はどんな人が作っているのか?」「食材はどうやって育てられているのか?」出来上がりの餃子だけでは見えてこない背景をどんどん発信していきたいんです。

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餃子の味は店によって違う
追い風にのって関心を持ってもらう

――日本では餃子ってお惣菜のイメージがあって、「餃子は餃子」でくくられてしまっていますよね。一般的にお店のブランドで知られているとすれば、「餃子の王将」くらいでしょうか。

小野寺 残念ながらそうなんです。老若男女問わず、日本人のほとんどの人が餃子を好きなのに、ほとんどの人が餃子に関心を持っていないんです。例えば宇都宮ではお店によって味や香りに違いがあると話して驚かれたことがあります。ラーメンや酒のように、餃子職人がブランドになったら良いなあと考えています。

吉川 とはいえ、今は餃子にとって追い風ではないですか? 東京オリンピック・パラリンピックの選手村で日本の焼き餃子はおいしい! と話題になりましたし。

小野寺 「焼き餃子」という知名度を上げるという点では追い風です。世界からの熱い視線は感じたので、世界に焼き餃子文化を広めるというミッションもこの流れにのりたいとは思っています。あと、餃子がここまで普及したのは家庭で楽しめる料理だからで、コロナ禍で強さを見せましたね。取り寄せ商品で種類が増えていけるのも、素材の産地で作って、冷凍して、流通させて、各家庭で焼いて食べるという流れができているからで、このスタイルとニーズは無人販売も可能にしました。できたものを購入する以外でも、作り方はシンプルですから、生地から具材から自分で作ってということができるのも魅力ですね。

吉川 追い風がこのまま吹いてくれるといいですが、冷凍して流通するという流れは事故が怖いですよね。川上においてどんなに作り方が丁寧でも、川下で問題があったらどうしようもないですから。中国の餃子事件のようなことがあると、一気にネガティブになります。業界全体で気をつけないと。

小野寺 そうですね。取り寄せはどうしても冷凍品あるいはチルドになるので、どういった冷凍・冷蔵庫で保管されているか? 流通過程はどうか? をしっかりチェックする体制の必要性を感じています。冷凍は特に途中で解けたら怖いです。

吉川 古い冷凍庫を使っている店を見ると衛生上、心配になりませんか? 今は冷凍技術も進化して急速冷凍ができるようになって味や食感が保てるようになっています。瞬間冷凍ができる冷凍庫衛生上でも安心なので、小野寺さんが先ほど言われていたように、通訳者となってこうしたテクノロジーの新しい情報を伝えてあげるのもいいと思いますね。あと怖いのは、オリンピック等で日本の焼き餃子のおいしさに気づいた中国や韓国の動きですね。彼らはエッセンスをくみとって形にしてビジネスにするのがうまい。アメリカでは以前からすでに冷凍焼き餃子が販売され始めていますが、中国や韓国が日本風の冷凍焼き餃子を作って一気に販売してくるかもしれない。そのときはどこかの日本の会社を買収するかもしれません。でも中国や韓国が自国の食材を使って焼き餃子を作るとなると、日本の味とはまったく異なるものになると思いますね。なぜなら、キャベツひとつとっても各地で素材の味が全然違うんですから。すみません、インタビュアーなのに餃子のことになると、つい長く話してしまって(笑)。

小野寺 うーん、なるほど。焼き餃子を海外にも知ってもらいたいけれど、知ってもらうということはそういうリスクも想定しながら動かないといけないということですね。僕のミッションというか理想は、日本人ががんばることを前提にしているところがあって、海外資本が入るとがんばるだけではどうしようもないところが出てきますね。海外の発信のために僕は何を大事にしていかなくてはいけないのか? いろいろ想定して考えないといけませんね。作り手を保護するという観点も大切なことのように思えます。ありがとうございます。

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吉川  日本の餃子メーカーが作るのか、海外の餃子メーカーが作るのか、によって見える景色はだいぶ変わってきます。要はその国の嗜好に合わせたものを作れるか、ということですからね。日本の焼き餃子の姿と世界の焼き餃子の姿は違ってくるでしょうが、それがわかったうえで攻めるほうが強い。ここ数年で起こる話ですね。日本の場合は焼き餃子の「焼き」の部分は効いていると思いますよ。餃子を焼くのはなかなかむずかしくて、アメリカの店舗ではかなり苦労をしているそうです。日本人はそうした技術が得意だから、餃子を焼く技術はいい発信力になりそうです。

小野寺 日本には、餃子を包む機械や餃子を焼く専門の機械を作っているメーカーもいるし、モチモチ・パリパリになる皮を作って輸出しているメーカーもいます。焼き餃子の市場が国際化したとしても、日本の焼き餃子技術はきっと世界で残っていくと信じています。

自分で餃子のプロデュースはしない。
あくまでも宣伝係でいたい

――焼き餃子のイベントや教室の参加者は女性が多いですか?

小野寺 はい、女性の方が7割ほどです。男女問わず、おいしい餃子を食べたいからという人と、おいしい餃子を知りたいからという人が半々です。男性参加者がもっとも興味があるのはやっぱり焼き方で、どんなフライパンを使っているのか? という質問がよくきますね。アルミ、ステンレスは楽ですけど、鉄鍋にこだわりたいというこだわりの人も一定数はいます。車と一緒で、目的地に行くのを楽しみにする人と、運転を楽しみにしている人がいる。餃子職人が作った美味しい餃子を、美味しく焼き上げる料理の工程を楽しみたいという人はいなくならないです。

――焼き餃子の“運転”を楽しむような人は増えていますか?

小野寺 スーパーで水も油も要らない冷凍餃子の売上がかなり伸びていることなので、餃子を焼くというフライパンの運転を楽しむ人は増えていると言えるでしょう。マニュアルよりもオートマが楽ということですかね。まずはそれで十分だと思います。餃子を焼くのが楽しいと思った人が、冷凍餃子のお取り寄せにシフトしていけば良いと思うので、こうして関心を持っていただけていけばうれしいですね。

――小野寺さんはご自分でプロデュースしたたとえば「小野寺餃子」を販売することを考えたことはないんですか?

小野寺 それは絶対ないですね。餃子をつくっている人たちへのリスペクトが第一にあるので、競合になってしまうのが嫌なんです。あくまで、全国のお取り寄せ餃子の宣伝をさせていただくスタンスです。僕にとって餃子をつくる人は神様です。神様と並ぶことはできません。

――そのなかでも特に小野寺さんがリスペクトしている餃子屋さんはどこか、聞いてもいいですか?

小野寺 お取り寄せ餃子にしぼっていうと、刺激を受けているの北海道の「宝永餃子」さんと宮崎の「馬渡」さんですね。僕には知らない店を知ってもらうというミッションがあるので、「馬渡」さんはミシュランガイドにのるくらいになって欲しいと思っています。あとは「餃子の王将」さん。あの金額であの完成度はすばらしいですよ。僕が餃子にめざめたのも餃子の王将さんがきっかけですし。テクノロジーが進化しても職人が残る。そういったことも教えてくれる店です。

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30年後も餃子職人は残る。
それをブランド化できる時代に

――いろいろお話を伺いましたが、30年後。餃子はどうなっていますかね?

小野寺 繰り返しになりますが、どんなに自由になっても求め続けられる職人というものは残り続けると思います。いっぽうで、人手を使わないという選択をしたテクノロジーが生きた餃子ももっと出てくるでしょうし、皮や具材も進化していくでしょう。何がどう進化するかはわかりませんが、人間の力をどこに生かすのかをきちんとフォーカスさせることが大切な時代になっていくと思います。

――皮といえば、餃子好きはよく「皮派」「餡派」に分かれると思うんですが、どうですか?

小野寺 分かれると思います。関東は皮にコシを求めますから皮に意識がいきますし、関西は皮に口どけを求めますが、これは具に意識がいっているともいえます。今後、コシと口どけが両極端に触れた餃子の皮が開発されていくのではないでしょうか。餃子の皮のバリエーションも多様化してくるはずです。皮にもイノベーションがあって、大阪王将さんが蓋なしで焼ける餃子を開発したので「焦げませんか?」と聞いたら、焦げにくい小麦を配合しているとおっしゃっていました。こういう皮ができたら海外で簡単に焼きやすいですよね。

――今、ウクライナ-ロシア問題で小麦粉が手に入りにくくなっていますが、これから30年を考えたとき、小麦粉不足は大丈夫ですか?

小野寺 ウクライナーロシア問題が、国産の小麦粉に目を向けさせたきっかけになったと思います。有事になったら日本の小麦粉の自給率の低さはまずいぞ、と。今後、国産小麦の生産は増えていく方向にいくだろうし、そこに予算も組まれていくのではないですか。北海道は小麦粉の産地として知られているから、具だけではなく皮も含め、すべての材料が道内でまかなえます。北海道の餃子は純粋に北海道だけでできるので、餃子産地としてのブランド化はしやすいですね。新しい道が開けるでしょう。そう考えると、餃子はツーリズムもできますね。同じレシピでも絶対に同じものはできませんから、現地の食材で作れば、それぞれの土地の味の餃子ができるはずです。僕は取り寄せに特化していますが、興味を持ってもらうためには、全国の餃子食べ歩きもおもしろそうです。あと、東京ヴィーガン餃子のように、肉を入れる、入れないといった選択肢もできるので、思想や宗教、国境の壁もとりはらった餃子もこれからもっと出てくるはずです。餃子の進化は止まりませんね。

――ちなみに、餃子の具に使うものは、私はなんでもいいと思っていたのですが、小野寺さん的に絶対に入れなくてはならないものはなんですか?

小野寺 キャベツです。キャベツは餃子の旨味や食感のベースになるもの。餃子は小麦粉と肉と野菜のバランスの料理ですが、キャベツはそのバランスを作る指揮者のような存在です。

――最後にちょっとシビアな問題を。冷凍して長距離輸送というと、環境的に問題はないのかな? と思うのですが、その点はどうですか?

小野寺 環境への問題もこれから30年の大きな課題ですよね。冷凍であることをプラスに考え、時間がかかっても二酸化炭素を出さないで運ぶ方法も生まれるかもしれませんね。距離と規模によりますが、人間が餃子を食べに旅行する環境負荷よりも、冷凍餃子が自分のところまで旅をして来てもらう環境負荷の方が低いかもしれませんよね。そして、僕は「焼き餃子は『義務餃育』として義務教育に組み込まれるべき」と言いたいですね。餃子の原材料から日本各地の地理や気候を学ぶことができるし、食材が温度や化学反応で色や味が変わるメイラード反応なども学ぶこともできる。熱い油が跳ねる危険な体験の中から、水と油の乳化現象を理解するかもしれない。そもそも日本ではどうして「焼き餃子」なのかということから日本の歴史に触れることもできるし、日本と海外の餃子の違いから世界を知ることもできます。まずは一度、遠くから餃子を取り寄せて焼いてみてください。その餃子を焼く10分間の間に、パッケージなどから餃子職人の餃子愛を想像してみてください。そうすると、焼きあがった美味しい餃子が、さらに美味しく感じられるはずです。

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インタビュー:吉川欣也、土田美登世(構成)

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