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拝啓、シンパシー。

あなたは優しい人だ。
私がこれまで見てきた中で、
誰よりも。
飛び抜けて。

「澄んだ心だ」なんて言い方は嫌がるかもしれない。
私だってそうだ。
濁りに濁ってる自覚があるから。

でもね
どんな川も、池も、湖も、
あなたの側のあの海だって、
不純物は底へ沈んでいくんだ。
不純物のない自然はない。
どれだけ濁ってもいずれは澄んでいくの。
それを“上澄み”と呼ぶように。

これでも、ね、
上澄みなんて言い方も、まるで表面的で、
本質じゃないように感じられるから、
あなたは顔をしかめるかもしれない。
クールなあなたのことだから、
私に察することができるかわからないけれど、きっと。
私がそうだから。

そして、
その本質が掬い上げて貰えないことにも、
哀しくなるのかもしれない。
表情を窺わないでもわかる。
私ならそうだから。


でも、それならなおさら、私は強く伝えるよ。
あなたの心は澄んでいると。
清らかで穏やかで、美しい優しさ。


たとえ上澄みでも、
それを全て掬い上げたのなら、
残るのは純粋な不純物。

あなたの澄んだ心のおかげで
人には優しさを、掬えるようにして与え、
自分のもとで、全ての不純物を受け持とうとしている。
それを優しさと言わずになんと言おうか。

私にも、その純粋な不純物を分けてほしい。
濁ったままの溶液だって構わない。
あなたのそれなら、私も濁りたいと思えるから。
でも、でもね。
私は、あなたが望むのなら、
一緒に濾過したいとも思うんだよ。
二人でゆっくり、ゆっくりと
時間をかけてわけて
取り出しては混ざって
その繰り返し。
わたしはそんな不純物も
愛していきたいんだけど
気持ち悪いよね。

そうじゃなくても、
誰よりも澄んだように見える私に言われたくないよね。

ずっとずっと前に淀んで沈んで
いつも薄っぺらい表面しか見せない私になんて、ね。
ほんとは私も同じなんだよ。
あなたが遠ざけているだけで。

だから、ね、
頼ってよ。

かしこ
𝘳𝘦𝘪

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