
第59回 『オデュッセイア』9歌その2
生ける伝説オデュッセウスが、目の前に!
アルキノオス王及び一同は、びっくり仰天腰を抜かした。

『水戸黄門』の元ネタがここにある(古っ)
「あ、あなたがあのトロイア戦争の英雄オデュッセウス様ですか⁉︎」
「はい。そのトロイア戦争で、アカイヤ軍を勝利へ導いたあのトロイの木馬作戦成功させた、あの英雄オデュッセウスはこの私です」
「し、失礼しました!」
『まじっすか⁉︎ あの写真、いいすか?」「写メとか友達に送りたいんすけど?」
「動画アップとか、ダメっすよねやっぱ?」
「Twitterって今エックスっていうの、知ってますか?」
みんな突然態度が変わる。まあしょうがないけど。
「で、あなたがなぜ今頃ここに? なんであなたほどの方がこんな辺鄙な島に打ち上げられてるんですか?」
「それは…」
ここから、トロイア戦争終結直後から現在までのオデュッセウス一行の長ぁ〜い帰路の思い出が、彼の口から語られる。
とにかく長いので、要約します。
以下オデュッセウスの思い出語り。
「さぁ〜て、帰るべ帰るべ」
オデュ一行を乗せた船は一路故郷イタケーを目指し、葡萄酒色の大海原を進む。いきなり突風に煽られたどり着いたのは、キコネス人が住む島。
一行はそこで目にした金銀財宝、酒、食い物を問答無用に奪取(きっと戦争に勝った直後で浮かれていたのでしょう)。
するとキコネス人たちは近隣の仲間を引き連れて逆襲してきた(そりゃそうだ)。
「やべっ!』つってオデュ一行は慌てて船に乗り込み島を逃げた、とさ。
それを聞いた王や聴衆は、「…へ、ヘェ〜」
こんな英雄の名を汚す蛮行も、正直に話すオデュッセウス。

「でそれから?」
で、今度も変な風に煽られたどり着いたのは、ロートバコイ人が住む島。
漂着したオデュはまず3人の部下に、近辺の偵察を命じる(前回で学習したか?)。
「………………」
「あいつら何やってんだ⁉︎」
偵察隊は一向に帰ってこない。
オデュはムカつきながら連中を探しに行くと、なんかお花畑でヘロヘロになってる3人を見つける。
「お前らこんなところでなにやってんだ⁉︎」
「あ隊長いいところに。あんたもこれ食ってみたら? めっちゃうまいよぉ」
見ると、3人は花の実らしきものを食っている。
どうやらこれは「蓮の実」。ロートバコイとは「蓮を食す人」を意味する言葉らしい。
でも蓮の実でヘロヘロ?
これはハスではなく、ケシの実すなわち麻薬だったのではという説がある。

ってこいつらここでも同じことしてる!
続く。
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