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西部警察 第88話「バスジャック」ロケ地巡り ~映画「SPEED」より早かった!? バス爆破現場は元祖・都心タワマンエリアに豹変~
今回は、初期作品の中でも特に人気が高い西部警察 第88話「バスジャック」(1981年7月19日放映)ロケ地巡りをお届け。DVDやブルーレイをお持ちの方、配信動画をご覧の方は、ぜひ本稿と併せてご覧ください。
いつもの通りネタバレを含みますのでご容赦を。間違いなどあればご指摘も歓迎します。
▼西部警察 第87話「口を閉ざした少年」ロケ地巡り・前編はコチラ▼
冒頭から主要幹線“第一京浜”国道15号線でロケを敢行
Zが暴走する第104話「栄光への爆走」でも登場する歩道橋
冒頭からタイトル通りの展開。渋谷駅行きの城西交通バスが新橋駅前の国道15号線を暴走する。実際この道には新橋駅発渋谷駅行きの都バス「06系統」が存在しています。
都心の主要国道を封鎖しての撮影は、初期無印西部警察の名作に相応しい大規模なもの。同じく初期の名作、第104話「栄光への爆走」(フェアレディZの運河越え!)でも、同じ国道15号線の新橋付近が撮影地として使われていました。
リキが犯人の銃に反撃される交差点
黒パト・白パトが体当たりでバスを止めようと挑むも、バスジャック犯が発砲。さらに共犯者の電話によりバスに爆弾が積まれていることが判明。
しかも速度大気器付き爆弾(字、あってる?)で、クルマが停まるとドカン、という仕組み。ええっ、それって「SPEED」!?
ヤン・デ・ボン監督は「西部警察」観てた!?
西部署の建物ロケ地もこのすぐそば(品川区東品川付近)
パトカーの隊列が並走したまま東品川の海岸通りに移動します。ここでは一兵が歩道橋の上からニコンの一眼レフで車内を撮影します。
人質のひとりがドアから捨てられる! しかしこのロケ地がわからない…
その後犯人は人質のひとりを撃ち後部ドアから投げ捨てる暴挙に。
当時の映像には、遠く背景に建築中の赤い首都高橋脚らしきものが映っています。そういえば第10話「ホットマネー攻防戦」でも、現金輸送車が空を飛んだシーンの背景にこの赤い橋脚が映っていました。当時首都高湾岸線や9号線が建築中。映像にもジャンクションの交差部分が見えるので、ロケ地は江東区辰巳付近と容易にわかりました。
▼西部警察 第10話「ホットマネー攻防戦」ロケ地巡りはコチラをチェック▼
同様に背景に首都高が見えそうな比較的広い道を探し、江東区東雲のオートバックス辺りと仮説を立ててみたのですが…当時の航空写真から見てみたところ、うーんなんか違う。
もし情報をお持ちの方がいらしたらぜひご教示ください…。
ジョーがダンプで飛び乗るロケ地の近くにはキムタクでお馴染みの公園が!?
撮影時は片側3車線でしたが現在は左右の歩道も整備され一変しています
しびれを切らした若手刑事のジョーがダンプの運ちゃんに協力を得て、バスに飛び乗る暴挙に。車内に団長の妹、アコちゃんが乗っていることが判明します。
ジャックされたバスを囲むパトカー群や追走するダンプが道いっぱいに拡がる片側3車線のロケ地。しかし同じ道をやけに何度も何度も往復してるなあと、意地悪な鑑賞をしてはいけませんよ(笑)。
左の緑地は「HERO」オープニングの並木道がある辰巳の森緑道公園
背景の団地やその奥にちらっと映る電電公社(現・NTT)ビルは現存していたので、江東区辰巳2丁目付近の住宅前と判明しました。
ちなみに現在は歩道が増設されたり、隣接する辰巳の森緑道公園の緑が勢いよく伸びたこともあって、放映時よりもちょっとこじんまりした雰囲気になっています。
余談ですがこの辰巳の森緑道公園には、キムタク主演の「HERO」オープニングに出てくる並木道があります。ホントに余談でした(笑)。
バスは月島駅付近の清澄通りを走行
月島駅から門前仲町駅方向に向かう清澄通り
バスは人質を載せたままパトカー群を引き連れて進行。しかし大門の指示により白パトが身を挺して行く手を阻み、バスは左折して路地奥の廃工場跡へ誘導します。
路地に入る際、緑色の住所表記はガムテープで消してあったものの、電柱上にあった矢印入りの病院誘導看板がチラッと映り、中央区佃島界隈であることが判明します(病院自体は現存せず)。
清澄通り(奥は月島駅方向)から相生橋手前の交差点で行く手を阻まれ、ジャックされた路線バスは左折する(黄色いタクシーの方向)
廃工場跡は中央区佃島付近か
330セドリックの白パトが身を挺しバスを工場跡地へと誘導するのはこの辺りか
つまりロケ地は…月島駅付近の清澄通りを進行。隅田川にかかる相生橋の手前から路地へ入り、さらにその先で廃工場へと導くルートということになります。
隅田川にかかる相生橋は撮影時のまま
バスジャック犯が人質を取って立てこもる廃工場跡の広大な敷地は…背景に、隅田川を渡る清澄通りの相生橋がちらちら映るところからも分かる通り、かつてIHI(石川島播磨重工業)の大きな工場があった場所でしょう。
対岸の白い倉庫(放映時には「辰巳倉庫」)や、川の流れと垂直方向に立つ団地は当時のまま
佃島で広大な工場跡…そう聞けばピンと来る人も多いハズ。こちらはいま「大川端リバーシティ21」に生まれ変わっています。
■大川端リバーシティ21の大成功が都心再開発&タワマン増殖を加速させた
大川端リバーシティ21は、元祖・都心タワーマンションというべき当時としてはかなり画期的な再開発エリアの姿でした。東京駅至近のエリアに突如現れた広大な住宅街で、まさにバブル真っ只中の1988(昭和63)年頃から入居が始まっています。
隅田川沿いのウォーターフロントにそびえ立つ高層マンション群の眺めはいかにもバブルの象徴という絵柄。誰でも一度は目にしたことがあるはず。この大川端リバーシティ21の大成功を受け、東京都心の各地で大規模な再開発を伴うタワーマンション開発の進行が加速したと言っても過言ではないでしょう。
ちなみに西部警察放映当時の1981(昭和56)年頃は既に工場建物も解体済み。再開発に向け調整中の頃だったようです。
エンディング走行シーンの一部は…前回撮影の走行場面と同時撮影か?
わずか数回しか出てこない移動型捜査室とともに現れる木暮課長役の石原裕次郎氏はこの回撮影時に倒れ、しばらく降板してしまいます。
事件が無事に解決し、エンディングで親指を立て事件解決を祝す木暮課長の背中は…実際の裕次郎氏よりもちょっと(いやだいぶ?)小柄な代役の方が演じられているようです。
調布市都営多摩川団地付近
最後まで人質だったアコちゃんも救い出し、団長と談笑しホッと一息、といういつものエンディング。ただし車内シーンと走行シーンは別ロケと思われます。
マシンXを先頭に黒パト3台が連なって帰還するシーンは、バスが爆破された調布市都営多摩川団地付近か。このシーンに既視感があるのは、前回の第87話エンディングの走行シーンになぜか似ているから。
そう、撮影地こそ少し変えているようですが、日の傾き加減から見ても、続けて同時に撮影したものと思われます。
DVDやブルーレイをお持ちの方、配信動画をご覧の方は改めてチェックしてみてください。
名作の誉れ高い西部警察 第88話「バスジャック」ロケ地巡りはいかがでしたか。不定期更新ですが、次回もお楽しみに!
▼西部警察 第87話「口を閉ざした少年」ロケ地巡り・後編はコチラ▼