西部警察 第87話「口を閉ざした少年」ロケ地巡り・前編 ～ドラマを担当する広告代理店のビルが敵の拠点に！？～
今回は1981年7月12日放映の西部警察 第87話「口を閉ざした少年」より、ロケ地を巡ってみましょう。DVDやブルーレイをお持ちの方、配信動画をご覧の方は、ぜひ本稿と併せてご覧ください。
いつもの通りネタバレを含みますのでご容赦を。間違いなどあればご指摘も歓迎します。
「東急エージェンシー」の旧本社ビルがなんと麻薬密売人グループ事務所のロケ地に
オープニングから香港発の航空機到着シーン。航空機が着陸する映像は成田っぽいけど、ロケはかつての東京国際空港（羽田）ターミナルでした。
赤坂見附辺りの青山通りの雰囲気は40年後もあまり変わらず。パトカーが映っているのはたまたまです（笑）
空港からタクシーが到着するのは、赤坂見附の青山通り沿いにある鮫島ビルディング。麻薬密売人グループ事務所という設定です。
ロケ地はかつての「東急エージェンシー」ビル！ 「赤坂４丁目８番」の青い看板でお馴染みのこちら、隣ビルの「高級紳士服 サビロー」（現存せず）や、さらに夜の張り込みシーンでは「…エージェンシー」の青い看板がそれぞれチラッと映り込んでいました。
放送にもチラッと映った「紳士服のサビロー」も確かにお隣にありますね（1990年代の東急エージェンシー本社）
この旧本社ビルは1970年渋谷から移転したもので、残念ながら現在は既に建て替え済み。本社自体も2021年に新橋へ移転してしまっています。1990年代に撮影したというリリース画像があったので貼っておきます。確かにエントランスの階段がそのまんまですね。
西部警察のスポンサーとりまとめも担当していた東急エージェンシー
ビルは建て替えられても青い看板は面影を残しています（2017年頃の様子）
ちなみに東急グループの広告代理店である東急エージェンシーは、西部警察の制作に関する広告・タイアップ周りも担当していた模様。
そう考えると西部警察では、東急百貨店や渋谷109、東急電車に東亜国内航空（TDA）、東急観光トップツアー（現・東武グループ）、赤坂東急ホテル（現・赤坂エクセルホテル東急）に至るまで、東急グループの施設やサービスが作品の随所に登場します。西部署の管轄＆ロケ地に東急の本拠地である渋谷が多く登場する地縁も多少はあるにせよ、関係性の強さは大きく影響していそうです。
ちなみに昭和世代的には、東急グループの提供番組「まんがはじめて物語」（TBS）での東急エージェンシーのテレビCM（東急8500系の車内シーンだった記憶…）を思い出します。覚えている人、いる？
……と余談が過ぎました。本題に戻ります（笑）。
差し込まれる課長の聞き込みシーンは別エピソードからの流用も？
その後の聞き込みシーンでのタクシー会社は不明。
リキが嫌がる情報屋シマオカに対し鮫島の情報を得ようと無理強いするシーンは、ビルの大きな窓の背景に渋谷駅のガードをゆく緑色の山手線が見えます。建物の高さや方向的に推察すると、東急百貨店の渋谷本店からのショットでしょうか。
その後撃たれる河川敷のシーンは、このあとの繋がりからして多摩川の土手とみられます。
■課長が急に「私が聞き込みに行こう」と自ら動きだした！
ここでちょっと唐突とも思える、木暮課長自らが聞き込みのため盛り場へと出向く場面。昼間のシーンは明るい灰色の背広とピンク色のシャツ、夜のシーンは濃色の背広とピンク色のシャツ。どっちもカッコいい！ 改めて見較べると、シャツとネクタイを残して背広だけ着替えた可能性も…。愛車ガゼール オープンの珍しい幌付走行シーンも観られます。
しかし差し込まれるシーンは、もしや第11話「燃えつきた獣たち」からの流用のようにも見えますが、果たして？？（あとでDVDを再確認してみます）
その後、シマオカが情報収集していた居酒屋で接触していたゲイボーイに対し、簡易宿泊所と思われるロケ地で課長自ら聞き込みするシーンもしっかり存在しているので余計に混乱します（ここは明るい灰色の背広に薄水色のシャツ）。うーん。どっちだ？
次の第88話撮影中に課長役の石原裕次郎氏が病で倒れてしまい、番組から一時的に離れてしまったこととなにか関係がありそうですが…真相をご存じの方はぜひご教示頂くと嬉しいです。
今回も話が長すぎて…後編に続く！
シマオカ少年が通っていた「世田谷区立西部小学校」のロケ地
いっぽうで課長の憩いの場となっているコーナーラウンジでは、珍しく二宮係長が登場。ヒナさんと事件について語るという貴重なシーンも見られます。
ああ、語りたいことが多過ぎて…今回はここまで。
西部警察 第87話「口を閉ざした少年」ロケ地巡り後編、少年が通う「世田谷区立西部小学校」やその周辺についてご紹介しましょう。不定期更新ですが次回もお楽しみに！
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