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絶対に別れない女たちvs行動経済学、ファイ!!

女子会で繰り広げられるトークテーマの中で、私は常々「片思い」と「失恋」以外の恋愛話はしょうもないと思っている。
浮気をされた話や恋として冷めてしまった話、結婚したいけどこの人じゃないという話、それらの愚痴で収まればまだいいものの、「別れた方がいいのはわかっているけど別れない話」は強敵だ。大体終電を逃すし、終電逃して別れた方がいい理由を話して「だよね、本当にありがとう、別れてくる〜‼︎」って言っても翌週にはあきらか彼氏だろって手が映り込んだ写真と共に「仲直り」って文字が添えられたインスタグラムのストーリーが緑の丸枠でポストされている。

行動経済学を学んでいると、つくづく恋愛は人間の非合理の塊だなと思う。

私が学んだ行動経済学を逆手に取り、「絶対に別れられない女たち」に対してこういうバイアスを認知できたら別れるんじゃないかという指南書を作ってみようと思う。

ここまで偉そうに綴っているが、私もダメンズのビンゴがあったらリーチが3つくらいできるような、友達のアドバイスに耳を貸さない非合理な恋愛はしてきている。学生時代の私を知る友達はこれを読んだら「お前がいうな!」って絶対言ってくる。だから、当時の自分に向けた指南書のつもりで考えてみようと思う。

別れた方がいいと思っていても「絶対に別れられない女たち」に共通すること

私の周りにいる「絶対に別れられない女たち」に共通しているのは、必要以上に自己肯定感が下がってしまっていること。自己肯定感というと彼女自身たちの問題なように捉えられるが、大体男が自己肯定感下げるような扱い、言動をしていることがほとんどだったりバイアスがかかっているケースが多いと思う。現に、そういった男と別れた途端にキラキラして充実した日々を送る女が多い。

なぜ必要以上に自己肯定感が下がってしまうのか。その原因を行動経済学で解き明かしたい。

「絶対に別れられない女たち」の共通する別れられない理由

「別れた後に寂しくなるのが怖い」
「別れてもっといい人と出会えるのか不安」
「情がある」
「もう〇〇(浮気など)やめてくれると思う」

大体彼女たちが口を揃えて言うのはこの3つ。「もっといい人に出会えるよ」「辛いのは1ヶ月くらいですぐに忘れるよ」「浮気やDVをする人は変わらないよ」この辺りの決まり文句はあるが、素直に受け入れて別れる女友達を私は見たことがない。

「別れた後に寂しくなるのが怖い」「もっといい人と出会えるのか不安」

損失回避の法則
人間は同等の損失と利得の場合、損失の感情の方が大きく感じやすく、意思決定に影響しやすいこと。
例)1万円損する嫌悪感の方が、同じ1万円を得る喜びよりも感情が大きいこと。

現状維持バイアス
安全性や快適さを求める欲求に根差したバイアスで、人間は既存の選択肢や慣れ親しんだ慣習から変化することを嫌うこと。

人は本能的に変化を、特に失うことが怖いと感じやすい。たとえ自分を傷つけるような相手であっても失うことを恐れて合理的な判断がしにくくなってしまう。

合理的に考えたら「男は星の数ほどいる」わけだし、「もっといい人と幸せになれる」可能性はちゃんとあったとしてもこれらのバイアスにより傷つける男といることよりも彼を失うことが辛いと過剰に感じてしまう。

「情がある」

サンクコストの法則
過去にかけた労力や時間、お金を無駄にしたくないという意思決定をしやすいこと。

数ヶ月の恋愛であれば別れる判断ができる相手でも、年単位の付き合いとなると「情」があるし一緒にいた時間を無駄にしたくないという感情のバイアスがかかっていることが多い。特に、生物学上合理性のある「適齢期」間際な我々アラサーにとっては、ここまでかけてきた時間を過剰に大切に感じやすい。

「もう〇〇をやめてくれると思う」

間欠的強化
不定期に報酬、インセンティブを与えられると、またその報酬を得たいという感情が強まり関係性の強化がされること

確証バイアス
自分が正しいと思うことや信念を正当化してくれる証拠を信じやすく、それを否定する素材を排除しやすくなること

これは浮気男やDV男にあるあるだが、普段ひどい仕打ちをされていてもたまにすごく優しくされたり愛情を感じてしまうと、またそれを求める感情が強まってしまう。これにより合理的な判断がしにくくなる。
また、「きっと変わってくれるはず」という自分の感情を裏付けてくれるわずかな事象を大きく捉えてしまうようになる。

結局バイアスだから!あなた悪くないから!

最初に「絶対に別れられない女たち」は自己肯定感が下がってしまっていると話した。本来であればもっと自信を持っていいはずなのに、彼からの扱いや仕打ちを不当だと感じながらも人間のこれらのバイアスによってドツボにハマり、自分を蔑ろにしてしまいやすいのだと思う。

本人が「別れた方がいい」と感じる恋愛をしていても、冒頭で述べた通り女友達が何を言っても無駄だし、とことん傷ついて懲りてこい!ってスタンスでいたけれど、
行動経済学で彼女たちの内面を考えてみると、人間に備わるこれらのバイアスが余計に自己肯定感を下げる非合理な意思決定をしてしまっているのかもしれないと思った。

何が言いたいかって、あなたが悪いわけじゃないし、人間はみんな変化が怖いし、だからこそこれ以上自分を蔑ろにしてほしくないとは思う。それでもバイアスを乗り越えて一歩踏み出す何かになればいいなと烏滸がましいけど感じている。

女子会で盛り上がるのは「片思い」と「失恋」話だ。生物学上合理的な「適齢期」のせいでこの辺りのネタが乏しくなってきているように感じる。現状維持バイアスが皮膚や体にもなんで備わってないんだよってボトックスやHIFUといったアンチエイジング、卵子凍結を調べているアラサーの小言で〆ようと思う。



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