好きな選手(ひと)がいること
ホークスファンにとって今季一番の胃痛試合となった27日のロッテ戦。
手に汗握るとはこのことか!と思わせるギリギリの戦いを制し、優勝へのぞみをつなぐことができました。
ここでホークスがロッテに負ければ日ハムの優勝が決まってしまうということで、ホークスファンのみならず全野球ファンが固唾を飲んで見守った熱い戦い。
そのお立ち台に上がったのは、私が誰よりもこよなく愛し、応援している福田秀平選手でした。
見よ、この嬉しさ溢れるにこにこ笑顔のヒーローインタビューを!!!
福ちゃんが嬉しそうで私も嬉しい!
お立ち台に上がることの難しさ
実は福田選手はこれが今季初めてのお立ち台。
今季は開幕スタメンに選ばれ、しばらくはスタメン固定されていたこともあり、ファンとしては今年何回ヒロイン(ヒーローインタビューの略)してくれるんだろう!と心待ちにしていました。
しかし現実は厳しく、ここぞというところで一本がでなかったり、タイムリーを打った日に限って打線が爆発したり、ホームランを打ったのに負けてしまったり。
ヒロインの機会を逃すたびに、ああ、たった数十センチのお立ち台がこんなにも遠いものか…と思ったものです。
そうこうしているうちにいつも通り一軍と二軍を行き来する生活に。
さらに今年は、同じ外野のポジションを争うライバルの活躍も大きかった。
城所選手が交流戦でMVPをとるほど活躍し、江川選手も一軍にあがった日に大活躍で初ヒロイン。
スタメン出場するも打席全て凡退の福田に出された代打(たしか城所だった気がする)がタイムリーを打って、ベンチで悔し涙を流したこともありました。
あのとき、コーチに抱えられるようにベンチの奥に下がって、思いっきり泣かせてもらったのかすっきりした顔で戻ってきて、試合終了まで誰よりも懸命に応援してた福田の姿が忘れられません。
自分の不甲斐なさや悔しさもすべて飲み込んで、チームの勝利のために今の自分ができることを精一杯やりきる。
そんなプロ意識を垣間見た気がします。
終盤になってまたスタメン出場も増えてきましたが、相変わらずこれといって結果はでず。
もうこのまま今季はヒロインなしでシーズンが終わってしまうんだろう。
そう諦めていました。
最後の最後に、舞い降りた奇跡
チームとしても、もはや優勝は絶望的な状況で迎えた今日の試合。
ホークスの勝敗次第ではこのまま日ハムの優勝が決まってしまう!という状況になってから、試合が動き出します。
それまで苦しいながらも無失点の好投を続けていたホークスの千賀が厳しいコースをボール判定され、押し出しフォアボールで同点に。
二死満塁の大ピンチを森福の華麗なピッチングで切り抜けますが、先攻のホークスは不利な状況です。
しかも昨日同じような状況で延長負けを喫したホークスにとっては、悪夢の再来としか思えませんでした。
しかし9回表にロッテの田中が2つ死球をだし、1アウト1、3塁の大チャンスが訪れます。
ここでバッターボックスに入ったのが、私の愛する福田選手でした。
福田といえば俊足で有名ですが、ランナーを塁に置いたときのバッティングはあまりよくないため
「うそ…!代打送らないの!?深いところまで飛ばせるハセもよしむーもいるじゃない!もしくは今宮を送ってスクイズでもいいじゃない!」
と震え、一球速報アプリを閉じようかとすら思いました。
でも、きっと今季これがペナント最後の正念場だから。
この打席はちゃんと一球一球見なければならない、そう思って祈る気持ちで見つめていると速報に「+1点」の文字が。
スクイズ成功。福ちゃんが。この勝負所で。
あまりに衝撃すぎてしばらく動けませんでした。
バントやスクイズはヒットを打つよりも簡単だと思われがちですが、3割打てば許されるヒッティングに比べてバントは失敗が許されない、プレッシャーのかかる作戦です。
バントの中でも得点圏のランナーをホームに返すためのバントは「スクイズ」と呼ばれますが、相手チームも前進守備などかなり警戒しているので、バントがうまい選手でさえ成功させるのが難しいものです。
さらに今回はチームの勝利はもちろん、優勝へののぞみがかかった大一番。
このスクイズが失敗したら優勝の可能性はほとんどなくなってまう、という大きなプレッシャーの中で、よくぞ成功させてくれた!と両手をあげて賞賛せずにはいられませんでした。
結局この1点が決勝点となり、今日の試合はホークスが勝利しました。
勝利の余韻に浸りながら、もしかして福ちゃんヒロインもあるのかな、いやでもあのピンチを乗り切った森福だろうなぁと気を抜いていたら、まさの福田今季初ヒロイン。
実は裏でこんなやりとりもあったみたいです。
ありがとうちょめちゃん。
個人的には消化試合に入る前、熾烈な優勝争いを繰り広げているときにどうしてもヒロインをしてほしいとずっと思っていたのですが、今日はギリギリ滑り込みセーフなタイミングだったと思います。
たくさんの奇跡に恵まれて、最後の最後で望み通り目にすることができた福ちゃんの今季初ヒロイン。
すでに何回も再生して見ていますが、涙無しには見れません。
今年もこの人を応援してきてよかった。
改めてそう感じた試合でした。
好きな選手がいる、ということ
私は普段12球団すべてを応援しているし、いろんな選手が好きでそれぞれのことも応援しています。
でもその中でも福田は別格で、どんなに打てなくてイライラしても、公示をチェックしてはよかったまだ一軍にいる、とホッとする毎日。
なぜこんなに福田を懸命に応援するかというと、もともと高校、大学などのアマチュアしか見ていなかった私をプロの世界に引き込んだ人だからです。
忘れもしない2011年日本シリーズ。
九州人としてホークスを応援しないとなー、と軽い気持ちで見た試合で華麗に盗塁を決める福田に惚れて、そこからちゃんとプロの試合を見るようになりました。(今思えばあの時もかなりの胃痛試合だった)
あれから5年の間に、連続盗塁記録を作ったことに喜んたり、なかなか一軍に上がれなくて苦しんだり、ライトを守る福田をかなり近い席で見て気絶しそうになったり。いろんなことがありました。
山田哲人とか筒香とか大谷とか、一軍でバンバン活躍してる選手のファンを羨ましく思うときもあるけれど、出場できること自体に喜び、ヒットの一本一本に涙を流せる今の立場も悪くない。私はそう思っています。
※※※
好きな選手がいるって幸せなことです。
まるで自分のことのように、嬉しい時も苦しい時も感情が大きく揺れ動きます。
野球だけではなく、他のスポーツや芸能人でもそうですが、誰かを好きになり応援するということは、もう一つの人生を生きることでもあるような気がします。
自分の人生ではきっと経験することはないであろう緊張や、達成感や、苦悩や、そういうたくさんの感情を擬似体験できる。
そして彼らの頑張りを見ていると、自然と私もがんばらなければ、という気持ちになれる。
くじけそうになるとき、彼らがくじけずに乗り越えた姿を思い出すとまだまだ頑張れる気がするから不思議です。
「喜びは二倍、悲しみは半分」とよく言いますが、私にとっては大好きな選手や球団の存在がまさにそうで、これこそがなにかを好きになることの醍醐味なのではないかと思います。
いつも私の人生に彩を添えてくれる野球というものに感謝して。
シーズン終了まで、野球の楽しさを味わい尽くしていくぞー!
\おー!/