1週間の語学留学に、意味はあるかと問われたら。 #UK留学Challenge
12月中旬から、EnglishChallengeという英語学習コミュニティの共同オーナーである伊佐さんとともにスコットランドに1週間の語学留学に行っていた。
私にとって、実はこれが人生二度目の語学留学。
初回は10年前に3週間通ったNYの語学学校だった。
当時はホームステイもしていて英語漬けの毎日だったけれど、それでも英語の感覚が掴めるようになったのは3週間目の終わり頃だった。
だから一週間の語学留学で劇的に英語力が伸びるなんてことはないと、はじめからわかってはじめたプロジェクトだった。
大人にとっては、「一週間」が現実的な時間である
では、なぜ私たちが一週間の語学留学を選んだのか。
お互いにフリーランスである私たちは、やろうと思えば1ヶ月くらい海外に滞在することだってできる。
それでもあえて一週間に設定したのは、もし会社員時代の自分たちが語学留学をするなら、一週間が限度だろうと考えたからだった。
自由に何週間も休めるような仕事をしている人は、ほんの一握りでしかない。
機会があればもっと学びの場を活用したいと思っていても、社会人である限り使える時間には制約がある場合が多い。
私たちのようにフリーランスとして仕事をしていても、職種によっては一ヶ月も日本を離れられない人だって多いはずだ。
それでも、英語を学ぶ人たちにとって生きた英語を使う機会はなにものにも替えがたい価値がある。
であれば、私たちも一週間だけ行ってみて、その意義を考えてみようと思ったのだ。
大抵の企業には、有休とは別に長期休暇の制度がある。
フリーランスやリモートワークが許可されている人なら、一週間くらいなら気軽に休みもとれるかもしれない。
もし今毎年そうやって長期の海外旅行をしているのなら、少しだけプラスして語学学校に通ってみるという新しい提案ができるんじゃないか。
そんな仮説をもって、私たちはスコットランドへと向かった。
英語学習における「一週間留学」の意味
結論から言えば、私は一週間の語学留学が想像以上に有意義だったことに度驚いた。
もちろん語学の成長だけを考えれば、長く滞在するに越したことはない。
実際私もあと二週間ほど滞在できたら英語力の成長を感じられたかもしれないと感じた。
ただ、現地で生きた英語を話すという体験はどんなテストを受けるよりも自分の英語力の『現在地』を把握できる手段だと私は思う。
日本で自習形式の勉強を続けていると、どうしてもテストの点数ばかりに意識が向いてしまい、こなすための勉強になりがちだ。
実際私も日頃2時間は英語の勉強をしているということ自体に安心し、ひとつひとつの勉強の意味を考えたり集中して取り組む姿勢が欠けているときがあった。
この1年ほぼ毎日オンライン英会話を続けてきたけれど、先生やクラスメイトとの会話で四方八方を英語に囲まれる体験こそが『生きた英語』なのだと今回強く実感した。
わからなくても止まってくれない。
言葉がでてこなかったらそのまま別の会話が進んでいく。
英語学習にはいろんな目的があるけれど、最終的に英語圏で勉強をしたり働くことを目標にするのなら、定期的に英語だらけの環境に身を置くことが一番のテストになるんじゃないか、と私は思う。
もちろん英語圏に旅行すれば英語を話す機会はあるけれど、カフェやレストランでの決まったやりとりから一段深めて、雑談をするのはハードルが高い。
さらに今回留学してみて感じたのは、ネイティブではない友人ができることの価値だ。
初日のオリエンテーションで、『英語は非ネイティブとのコミュニケーションに使われることも多いので、クラスメイトと話すことはあらゆるアクセントや英語レベルの人と話す練習だと思ってください』という話があった。
それまでネイティブと話すことばかりを考えていた私は、この話を聞いて目から鱗が落ちた気分だった。
たしかに仕事で英語を使う場合、実は意外と非ネイティブと話す機会も多い。
もちろん相手は相当な英語力があるはずだが、母国語のなまりはなかなか消せないものだ。
今回クラスメイトと話していても、スペイン語なまりや中国語なまりの英語を聞き取る難しさを痛感したし、だからこそ自分も発音をしっかり矯正しようと考えるきっかけにもなった。
またブラジルやアラブ諸国など、旅行する機会があっても彼らの母国語をこちらが話せないために関わる機会がない国も多い。
でも語学学校のクラスメイトという共通点があれば、たとえ一週間でも友人関係を築くことができ、その後も関係が続いていく。
今回の留学で何人ものクラスメイトや先生たちと連絡先を交換し、これからも続くであろう友人関係を築けたのは私にとってとても大きな財産だった。
単に観光名所をめぐるだけではなく、そこに住む人や集う人に『会いにいく』旅へ。
一週間の語学留学は、そんな人生の豊かさももたらしてくれたように思う。
「一週間」を、実りあるものにするために
前述の通り、やや不安もありながら向かった一週間の語学留学は、私にとって期待値をはるかに超える満足度だった。
今回はスクールウィズさんのサポートもあって学費だけ無料にしていただいたのだけど、普段の旅行費に数万円程度でこれだけの経験ができるのなら、次は自腹でまた来たいと思ったほどだ。
ちなみに今回私たちが行ったのはヨーロッパだったので渡航費と滞在費をあわせると15万円ほどがかかる。
そこに学費がかかるのでトータル20万円は最低でもかかる計算だ。
国にこだわりがなく、語学力を試したいだけであればもっと近場のフィリピンやオーストラリアであればもっとコストは抑えられる。
もし次の長期休みの行き先が決まっていないのであれば、英語を学びながら旅行するのもいいかもしれない。
とはいえ、一週間はあっというまだし語学留学はお金もそこそこかかる。
一週間を無駄にしないためにも、渡航の1ヶ月前くらいから日本で基礎を学び直し、英語の勘を取り戻しておくことをおすすめしたい。
特に英語圏に行くならカフェやレストランで店員さんと気軽に話したり、先生たちに細かいニュアンスを聞けると英語学習の幅がグッと広がる。
さらにレベルが高いクラスに入ることができればクラスメイトも話せる人が多いため、お互いランチやディナーに行くハードルが低く友人になりやすい。
英語を話す感覚を取り戻すためにも、渡航前の1ヶ月だけオンライン英会話をやってみるのもおすすめだ。
目安としてはTOEICであれば800点以上、オンライン英会話であれば先生とフリートークで会話が続くくらいのレベル以上が短期でも語学留学を楽しめるレベルなのではないかと思う。
また、現地で出会った人たちからSNSを聞かれることも多いので、InstagramやTwitterなどを整えたり英語ブログをはじめるのもおすすめだ。
今回私は先生に英語ブログを見てもらったり、クラスメイトたちとInstagramのDMでやりとりして遊びに行く約束をしていた。
わざわざ英語アカウントを作る必要はないけれど、話のネタになるような写真を投稿しておいたりプロフィールを英語でも書いておくなどしておくとやりとりがスムーズになるのではないかと思う。
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10年前にNYの語学学校に通っていたとき、留学の理由を問われて『社会人になったらもう来られないと思ったから』と答えると、海外の友人たちから怪訝な顔をされた。
『どうして大学生のうちしか留学ができないの?働き始めてからも、またくればいいじゃない!』
まだ20歳になる前だった私は、その考え方に大きな衝撃を受けた。
そうか、大人になったら自由を失うのが当たり前じゃないんだ。
このとき得た学びが、今の自分の生き方に通じているような気がする。
もちろん、急に働き方を変えることは難しい。
でも今できる範囲で自分の可能性を広げることは、誰にだってできるはずだと私は思う。
まずは1日1時間から英語の勉強をはじめてみる。
そして一週間だけ、語学留学に行ってみる。
そんな小さな一歩が、私たちの人生をゆっくりと、でも確実に変えていくのだと思う。
たかが一週間、されど一週間。
小さな大冒険が、人生の可能性を開いていく。
▼EnglishChallenge公式noteでも、英語学習にまつわる情報発信をしています。
(Photo: Tomomi)