今週読んだ海外記事と雑感(2020.8.22)
今週もピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。
有料部分はニュースへの雑感です。
「D2Cブランドはコスパが悪い」 Italicが目指す新たな小売のかたち
ファッション界のコストコともいえる「Italic」の仕組みが面白い。年会費1万円で、ラグジュアリーブランドと同じファクトリーが作ったアイテムを購入可能。デザインやパターンが違えばアイテムとしてはまったく別だと思いますが、品質は同じで価格は1/5、というアイテムの→https://t.co/c7fEIkbEEX
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 21, 2020
選択肢が欲しかった人もいるだろうし、個人的に年会費制度はもっと増えてもおかしくないなと思っています。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 21, 2020
あと彼のインタビューの中で「D2Cは中間を排除しているというけれど、実際はGoogleやFacebookという “中間の存在”にお金を払っており、結果的に割高になっている」という話がでてきて→
選択肢が増えれば増えるほど、見つけてもらうためのコストが増えるのはどれだけ時代が移り変わっても同じ原理原則だよなあ、と思ったりします。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 21, 2020
デジタルシフトに成功したTargetの一人勝ち状態が浮き彫りに
米国で小売業の破産が相次ぐ中、Targetが前期比24%と大幅な売り上げ増に。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 20, 2020
そのうちオンライン売上が195%の伸びを見せており、デジタル投資が功を奏したかたち。
さらに食品のみならず電化製品や日曜雑貨など複数カテゴリの商品をワンストップで購入できることも→https://t.co/N6UMP7LK7H
→コロナによってなるべくひとつの店舗内で買い物を済ませたい消費者心理にプラスに働いたようです。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 20, 2020
しかしTargetの取り扱い商品数を考えると、オンライン上の在庫管理と店舗受け取りのためのデータ管理のシステム開発ができていたことがすごすぎる…想像するだけで気が遠くなりそう。。。
コスメブランドの偽造品が急増している背景
コロナ禍で普段ECを使い慣れていない顧客が増えた結果、偽物の流通が増える流れがコスメにも起きているのは興味深い。コスメはファッションアイテムと違って効能のニーズが高いので、偽物とわかって買う人よりも単純に騙されて買っている人が多そうだよなーと。https://t.co/vi9SfJPqax
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 20, 2020
偽物の摘発に関してはマーケットプレイスの責任として語られることが多いけれども、2019年のAmazonが偽物摘発に割いた予算は5億ドル、人員は8000人。それだけの予算を投じてもいたちごっこなのはD2Cを含めものづくりのコストが下がったことで偽物も作りやすくなってしまった面があるのだろうし→
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 20, 2020
ブランド名や商品名を完全に偽っている場合はまだしも、たとえば「クッションファンデ」が独自性を主張できなかったように、効能やデザインのパクリとトレンドの違いってかなり微妙なラインなので、誰もがものを作り売ることが簡単になったからこそ、きゃくにこの辺のコストが倍増するんだなと…
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 20, 2020
Rent the Runwayが自社店舗をすべてクローズへ
Rent the Runwayが自社運営の店舗を閉鎖し、リアルな場所の運営はNordstrom Localやホテルなど、レンタル商品の返却場所に集中することを発表。Glossierといい、この2、3年で注目されたブランド/サービスの店舗が次々に閉店していく…!https://t.co/OrhUnp91Js
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 18, 2020
個人的には、RTRみたいに商品の受け取り/返却の手間がかかるビジネスモデルこそ配送拠点としての小型店舗を複数作るのがよいのだろうなと思ったり。コロナ前はとにかく体験重視の店舗を作るのがメイントレンドだったけれど、今後はオンラインの体験価値最大化のための店舗設計も増えていくのだろうなと
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 18, 2020
Selfridgeがレンタルサービスと競合。9月からはリセールの開始も
英百貨店Selfridgesがファッションレンタル企業と提携し、店頭でのレンタルを開始。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 17, 2020
さらに9月からはリセールサービスとも組んでヴィンテージアイテムを販売し、10月からは買取も開始する予定。
個人的に面白いなと思ったのは、提携先の企業が→https://t.co/ioSxKZb1Dw
→昨年できたばかりだったり、そこまで知名度のあるサービスではないこと。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 17, 2020
レンタルもリセールもアメリカにもっと規模の大きいサービスがありますが、ブランドの輸出入と違って物流に関連するサービスはローカルな流通システムへのフィットが必要なので意外と輸出できないものだよなーと。
2年くらい前にRTRもバーグドルフ(だったかな)に出店したりしていたので、ブランドではなくサービスが出店するケースは増えそうだなと思いつつ、この場合は契約形態はやはり固定家賃なのかが気になる…。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 17, 2020
ビジネスモデルを場所貸しに変換していくイメージなのかなあ。
オンラインアウトレットで快進撃を遂げるCOACH
COACHの親会社であるTapestryがコロナ禍後にオンラインアウトレットの新規顧客が60万人増えたと発表。四半期のグループ全体の売上も予想の6.6億ドルを大幅に超える7.1億ドルだったとのこと。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 17, 2020
さらに中国市場ではTmallが新しくオープンしたオフプライスストアで→https://t.co/Ea4KdecvSn
売上一位になったとのこと。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 17, 2020
店舗の運用コストが大幅に削減できること、新規顧客の約半分がGen Zの若い世代を取り込めていることからオンラインアウトレットへの期待が高まっているようです。
アウトレットの実店舗は維持してきましたが、オンラインの成功によって閉鎖店舗が増えていきそうとのこと。
今週のニュースで一番面白かったのは、ひとつめにピックしたItalicのCEOが「D2Cは結局GoogleやFacebookのような "中間業者"にお金を払っている」という話。
この2、3年でD2Cが爆発的に増え、百貨店やセレクトショップで扱われる商品もでてきたので「ダイレクトとは…?」とたびたび議論に上がってきたのですが、個人的にはちょっと違った視点からこの現象を見ています。
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