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今週読んだ海外記事と雑感(2020.7.11)
今週もピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。
有料部分はニュースへの雑感です。
百貨店の撤退がもたらすショッピングセンターの受難
米百貨店が次々に破産し、店舗数の縮小を余儀なくされている余波がSCにも及び、核テナントを失ったことでリーシング力が低下しているとのこと。特にアメリカの場合は日本と異なり核テナントが3つ以上あることも多いですが、グローバルチェーンが軒並み撤退しはじめたことで→https://t.co/zKL6o2YsQt
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 6, 2020
2つ以上の核テナントを失うモールが続出し、立て直しが不可能になりつつあるもよう。ちなみに百貨店のうち30%がモール内のテナント入居を占めていますが、2021年までにこの半分が撤退するという予測も。低価格帯のモールがECにリプレイスされている一方でラグジュアリー帯は安定しているのも面白い。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 6, 2020
「巨大な敷地に核テナントを2、3店入居させて大型のSCを形成する」戦略をこれまで日本も追随してきましたが、「買い物」自体はECの方が便利になった上にこれまで核テナントを担ってきた企業が軒並み店舗数削減に動いている現象をみると、日本型の商店街的発想にまた緩戻しがくるかもなと思ったり。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 6, 2020
パリコレがデジタル配信に特化したメンズコレクションを実施
コロナ禍によって仕組みの抜本的な見直しに追われるファッションショーですが、本日よりデジタル配信に特化したパリメンズコレクションが開始。デザイナーはコレクションをすべて動画で表現し、YoutubeやInstagramで視聴できるとのこと。https://t.co/yLKgjxxWRG
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 6, 2020
これまでショーの動画配信はブランドによってまちまちだったので、これを機に一般の人たちもラグジュアリーブランドのコレクションを気軽に見られるようになるのはいい傾向な気が。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 6, 2020
そして今後デザイナーのスキルに「動画表現」が加わる流れも面白いなあと。
ちなみにこないだのnoteにも書いたのですが、ラグジュアリーブランドのランウェイはここ最近動画配信を前提にしたつくりなのかなと思うくらい動画としても完成度が高いのでぜひ。アイボンより目の浄化作用がある…美………!!!https://t.co/FKSpzM3Rex
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 6, 2020
「リップスティック理論」は今回の不況にも当てはまるか?
エスティーローダーの会長が提唱した不況のときほどリップが売れるという「リップスティック理論」はコロナ禍による不況にも当てはまるか?を考察した記事。直近ではリップのみならず化粧品全体が落ち込んでおり、マスク着用が必須な時勢を考えると今回は当てはまらないかも?https://t.co/LSPbe4mjIB
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 8, 2020
ただ不況のときにリップが売れるのはなんとなくわかる気もしていて、他のアイテムに比べると安価に印象や気分を変えることができるカラーアイテムなので、より売れるというよりは売上の落ち込みが最低限で済むアイテムなのかなあと。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 8, 2020
ポップアップが担う新たな役割
これまでポップアップといえば商品を実際に見てもらう場所を増やす目的がメインでしたが、コロナ禍で集客を制限する必要がでてきたことで、ピックアップ専用店舗の実験として使うブランドもでてきた模様。特に外出自粛で郊外の昼間人口が増えているので、https://t.co/IKe7rdtzON
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 8, 2020
地価が安く路面で物件が空いている郊外エリアで、オンラインでオーダーしたものを試したりその場で購入/返品できる店舗を期間限定で出店するのは現時点の戦略としてかなりアリなのでは。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 8, 2020
今後はポップアップでもオムニチャネル対応が求められていきそうです。
Walmartが有料のメンバーシッププランを提供予定
Walmartが有料のメンバーシップを開始予定とのこと。Amazon primeと同様、即日配達や有料コンテンツをメンバーシップの軸にしていくようです。ちなみにコロナ禍でAmazonが昨年対比26%の伸びを見せたのに対してWalmartは8.6%にとどまったものの、https://t.co/yN4gyP8vHj
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 9, 2020
ECの売り上げは昨年対比74%の伸びを見せたことからオンライン施策はまだまだ伸びる余地があるとの見立て。店舗数もWalmartは全米に5000弱とAmazon傘下のWhole Foodsの10倍近くあるので、オムニチャネル施策にも期待できそう。Targetと並び、コロナ禍でDXへの投資が成功した企業の一つだと思います
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 9, 2020
Amazonはアメリカ企業初の時価総額2兆ドルを達成できるか
コロナ禍でAmazonの株が急騰し、アメリカ企業初の「時価総額2兆ドル」を達成する可能性も出てきたとのこと。ECでの買い物が増えたのはもちろん、プライム会員売上も昨年の52億ドルから3末時点で55億ドルへと成長しており、コロナ禍でもっとも成長した企業と言えそう…https://t.co/svq2arNMnF
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 9, 2020
それにしてもニュースで「trillion」ってはじめて見たかもしれない笑
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 9, 2020
思わず単位の認識があってるかググってしまった笑
ちなみにAppleとMicrosoftもそれぞれ時価総額1.5兆ドル規模で、Amazonがこの2社を猛追しているかたち。
D2Cよりも成長可能性が大きい「リセール」の可能性
リセールプラットフォームのThredUpがコロナ禍真っ只中の5月に過去最高のアクセス数を叩き出したのは興味深い。記事中の調査もThredUpサポートなので多少は色がついているとしても、D2Cよりリセールの方が5年後の成長可能性が大きいという話は納得。https://t.co/JjrbADbzkA
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 9, 2020
あとリセール品を買う理由として、経済的理由と同じくらいサスティナビリティへの意識がある点も興味深い。買い物においてサスティナブルを意識すると回答した人の数も昨年の18%から43%に急上昇しているのはまさに最近のトレンドを反映している感じ。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 9, 2020
ブランドの「マイクロコミュニティ」活用戦略
企業もインフルエンサーも「小さなコミュニティ」を作るためにインスタで鍵垢を作ってコアなファンとだけやりとりをはじめている動きが面白い。マイクロインフルエンサーにコミュニティマネージャーの役割を担ってもらうという考え方も今後のインフルエンサーマーケを変えそうhttps://t.co/UNIxrUnLO3
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 10, 2020
あと記事の中で紹介されていた、SMSのパーソナライズサービスのAttentiveが「小さなコミュニティ」形成への期待から大型調達している流れをみていると、日本でLINE@が広がったのとかかなり先進的な事例だったのでは…という気がしてくる。https://t.co/J7COwChrWZ
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 10, 2020
パンデミックが加速させる百貨店とブランドの力関係の変化
D2Cの台頭によって小売とブランドの力関係はもともと変化の兆しを見せていましたが、コロナ禍によってこれまで百貨店やセレクトショップに卸売をしていたブランドもECによる直販に力をいれはじめたことで、伝統的な販売スケジュールが大きく変化していきそう。https://t.co/ZmUawbvxVN
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 10, 2020
特にアメリカの場合は日本と違って原則買取なのでシーズンにあわせて一気に買い付けしてもらう必要があり、それが負担になっていた面もあるのかなと。しばらくは実店舗という資産が使えないことも考えると、ますますメディアとしての役割が求められていくのではないかと思います。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) July 10, 2020
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「モノを売る企業」からの脱却
今週の記事を読み返してみて一番感じたのが、同じ小売企業でもこのパンデミックによって明暗がはっきりと分かれ、新旧交代が加速しそうだということ。
そしてその明暗を分けたのは
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