宇宙のしくみ、心のしくみ 夢と現実問題 全盲の人が夢を見るのはなぜか?
なぜ、人は夢を見るかというのは未だに未解決な問題です。
人間だけではなく、犬や猫なども夢を見るか見ているみたいですので、ある程度知能のある動物は夢を見るのでしょう。
最近の研究では、リン酸が脳に脳のシナプスに溜まり、硬直化してくるのをリセットするために、睡眠があるのではないかという説が有力になってきてはいますが、ではなぜ、レム睡眠中に夢を見るのかは相変わらずなぞです。
一説では、脳が、これから起こることの予行演習をしているという説もあります。
夢といえば、荘子の「胡蝶の夢」が有名な話ですね、荘子がある日、蝶になる夢を見た、しかし、荘子は、果たして蝶になったのが夢なのか、蝶が現実で今が夢なのか?」と思い悩むという話です。
そう、夢も現実も純粋認識が同じく認識しているものにはちがいないです。ただ夢では時々、物理法則を無視したことが起きます。空が飛べてみたり、時間軸が無茶苦茶になったり、車を運転しているはずが、いつの間にか自転車になっていたりしますが、純粋な認識という意味では同じです。
荘子は実は、物理法則がある現実とよばれているこの状態の方が夢かもしれないと思ったのです、すごい発想だなと正直思いました。
現実の方が夢といえば、「この世界は夢なんだ」という非常にユニークな漫画があります、簡単に言うと、仏教で言う唯識論、最近でいうシュミレーション仮説です。この認識が日常的に感じられる訓練としての「奇跡講座」という一年かけて、行うトレーニングがありますが、その入門書のような本です、興味のある方はアマゾンで入手できます。
また、「振り子の法則」という本があります、ロシアの物理学者が書いた非常にユニークな本です。
この本ではバリアント空間という意識が支配する空間を認識が固定化していくという事が書かれていました。
現実世界というのは、液体のように確定していないバリアント空間(意識上に広がる仮想空間)の時空間を意識が通過することで、まるで、水が氷になるように固定化されていくという内容が書かれています。
そういう意味では、夢は現実化されていない現実ということが言えるかもしれません。
ここで、前章までの認識を踏まえて私の説を述べます。
純粋認識が完全に休眠するのをノンレム睡眠状態と考えると、それはまさに短い死、そのものだと考えられます。
そして睡眠の最初、純粋意識は目覚めているけれども、肉体がすでに睡眠状態に入った状態もしくは、再び純粋意識が目覚めるけれども、体の機能がまだ睡眠状態から目覚めていない状態で夢という現象は発生すると仮定します。
さて、この時脳波はどのような状態になっているでしょう?
熟睡状態では、脳波はデルタ波(1-3hz)ですが、これが夢を見ている状態になる脳波はシータ波(4-7hz)に上がります。まさに、7才までの幼児の日常的な脳の状態です、興味深いですね。
純粋意識の活動としては、死と生の中間の状態がシータ波の状態です。この時純粋意識はまだ、視覚情報を得ずに独自の認識を行うという非常に興味深い現象を行う経験しています。これが夢の状態です。
ここに非常に興味深い研究結果があります。
「生まれつき眼が見えない人は夢を見るのか?」という研究です。
https://neurohedgehog.hatenablog.com/entry/jp/blind-dream
非常に驚くべき事に、現実の世界を見たことがない方も夢を見るのだそうです。
しかも、それをスケッチで描く事ができると・・・。
つまり、純粋意識それ自体夢を見れるという事になります。
さて夢の内容に移りましょう、夢には、今まで自分が経験してきた事が反映されます、だいたいの夢は、色々な経験の組み合わせが多いと思います。中には予知夢を見る人も居ますが、だいたいの方は日常の延長線上に夢を見るのではないでしょうか?
という事は、夢は記憶と深くつながりがある事はわかります。
一説では、長期記憶を整理するために夢が必要なのだという学者もいます。しかし自分がまったくの別人として生きているという夢を見た人も多いのではないでしょうか?
たとえば、宇宙を時空連続体として考えた時、経験というものは、脳の中だけに留められているのではなく、この宇宙自体にも蓄積されている可能性があります、様々な人々の記憶は余す所なく、この宇宙に記録されているとすれば、その宇宙が様々な可能性を物理法則を無視してシュミレーションしているのを純粋意識が視聴しているとすれば、今まで人生で視覚情報を得た事が無い全盲の人でも夢をみるという現象に説明がつくのではないでしょぅか?
今までの章で、私たちが認識しているクオリアは過去のものであり、意識が認識するよりも早く、宇宙は物事を決めているという仮説を上げてきました、その宇宙の時空創造の創作ノートのようなものが夢なのかもしれません。
ここまで、来るとぶっ飛びすぎでしょうか(笑)
次は、純粋意識は現実の世界に影響をあたえる事ができるのか?をテーマに考察を続けていきたいと思います。