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宇宙のしくみ、心のしくみ 物質って何?

 この宇宙にある物質の基本構成部品は、原子です。
 この原子がレゴブロックのようにつながって物質ができるのはご存知の通りです。
 この原子は原子核と電子によってできているも皆さんご存知のとおりです。
  私が子供の頃は、原子の周りを電子が高速でくるくる回転している図で説明されていました、しかし、量子力学の研究が進むにつれて、実は回転しているわけではない事が明らかになりました。
 量子力学というのは、それまでの力学は例えば、「ロケットを衛星軌道に乗せるためにどの方向にどれだけのエネルギーで加速すればよいか」など、大きなものを比較的遅いスピードで動かす場合に有効な力学、量子力学とは、超ミクロな世界での電子や光子、そのた量子と呼ばれる原子を構成したり、エネルギーを運ぶ要素について観測して理論化した力学の事です。
 この量子力学が発達するにつれて、不思議な事がわかってきました。
 二重スリット実験という実験があります。
 黒い板に縦に2つの細い穴を開けます。そこにめがけて電子銃から電子を発射します。
そして、電子が当たると変色するスクリーンにめがけて発射します。
 この時代、電子は粒なのか、それとも空間を伝わる波なのかというところで議論が分かれていました。
これはそれを確認するために考案された実験です。
電子が粒だった場合、当然ですが、電子銃とスリットーの延長線上の位置にあるスクリーンの場所に電子は当たりますから、
2つの線がスクリーンに現れるはずです。
 また、波であった場合はスリットから2つの波が出現するので、2つの波は干渉しあって、スクリーンには、ぼんやりと5つの棒状の模様が出現する事が予想されました。
 さて、実際に実験したところ、5つの棒状の模様が出現して、めでたく、電子は波であったことが判明したと思われました。
 ところが!
 今度は一発づつ電子を発射して、スクリーンのどこに電子が当たっているか一回づつ確認する実験を行いました。
 するとなんと、電子は粒であったときによそうされるように、2つの直線をスクリーに作ったのです。
 もう、わけが分かりませんてね。
 これが量子力学で言われる「観測者問題」というものです、つまり、意識のある誰かが、量子の動きを観測したとき、量子は粒の性質をもち、誰も観測者が居ない場合は波のように振る舞うという性質なのです。
 まるで、監視されていないと宿題をせずに、せっせと時計を分解している、子供の時の私のようです。
 つまり、電子は私達が観測していないと波として振る舞います、言い方を変えると存在状態がシュミレーション状態になっているといえるかもしれません。
 誰も観ていない時、物体は存在しているとも言えるし言えないともいえない、量子力学の父と言われるシュレディンガーは
「不確定な確率で猫毒ガスが噴射される箱の中に猫を入れる。
その猫が行きているかどうかは、箱を開けてみないと確定されない。」
有名な「シュレディンガー猫」という思考実験です。
 実際の物質もこのように見るまで決定されていないというのが、量子力学の考え方です。
 この量子力学の理論があるおかげで、コンピューターやスマホが正常に作動しているのですから、なんだか不思議な気持ちになりますね。
 ところで、電子とか原子核とか観測されて粒になったときはどれぐらいの大きさなのか気になりますね。
原子の大きさについてわかりやすく解説しているサイトがありましたので、そこから引用します。
https://kimika.net/r1gensi.html#index_id1

  • 原子の直径は約10-8cm(1cmの1億分の1)である。

  • 一方、原子核の大きさは、約10-13〜10-12cmなので、原子の大きさの10万分の1〜1万分の1しかない。

  • これは、1円玉(原子核)と甲子園球場(原子)の大きさの関係に相当する。

1円玉くらいの大きさしかない、原子核のまわりを甲子園球場くらいのスペースで電子が確率の波の場を作っているというのが、量子力学の視点から見た原子の正体です。
下は同じサイトから引用した、原子核を構成する陽子や中性子の大きさと電子の重さです。

陽子/中性子/電子の重さ

  • 陽子・中性子・電子の重さは次の通り。陽子・中性子と比較して電子は極めて軽いことがわかる。

質量(g)
質量比
陽子
1/
1.673×10-24乗
中性子
1/
1.675×10-24乗

電子

1/9.109×10-28乗
電子の重さは、陽子の1/1840
わけがわからないくらいスカスカですよね。
つまり、私達のまわりにある物質というのは、確率の波が広がろうとする力と異なる電化が引き合う力で釣り合った場所で大きさが決まる、でスカスカの泡のようなものである事がわかります。
だから、ものすごい力を加えてやれば、圧縮されてしまいます。
例えば、巨大な恒星が寿命を終えて収縮していくとき、重力がものすごく強くなり、原子がその大きさを保てなくなります。
これがいわゆる重力崩壊、こうしてできるのがブラックホールや中性子星です。
 量子もつれは仏教的
「量子もつれ」という現象があります。
量子もつれというのは、たとえば、一つの原子に2つの電子があるとします。電子は常に回転しているのですが、同じ原子の中で電子が2つある場合、電子の磁力を中和するため、必ず2つの電子は逆方向に回転しています。
 この電子が何らかの理由で、飛び出したとします。それがはるかな距離を飛んでいって誰かが観測したとします。
 その電子のスピン方向を観測したその瞬間、遥か彼方の以前相棒だったもう一つの電子のスピン方向も確定されるという現象です。
 この情報伝達は瞬時にして起きるため量子テレポーテーションとも言われます。
 これを聞いたときには、仏教の米粒の話を思い出しました、「悟った者が米粒を見た時、その米粒には宇宙のすべてが凝縮して見える」
 量子の一つ一つが量子もつれをしているのであれば、一つの量子は全宇宙の量子と関係している、一つの量子は全宇宙であり、全宇宙はひとつの量子という事ができるのかもしれません。
この宇宙は本当に不可思議です。

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