すべての男よ懺悔しな!!『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』
#MeToo運動が世界へ広がる大きなきっかけのひとつとなった、ニューヨーク・タイムズ紙による2017年の性暴力報道を描く。
映画好きならみんな知ってた大物映画プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインが自分の権力を匂わせて(あるいは行使して)、女優たちは勿論のことあらゆる映画関係者まで様々な性加害を行ったことを告発した二人のNYタイムズの記者の告発記事掲載は結果的に奴を監獄に送り込んだ。一連の報道は世界に轟きその後の女性たちの行動はあらゆるハラスメントを糾弾する流れを作り少しずつであるが改善の道が開けてきた。ぼくたち男は加害行為云々じゃなくて”そういう世界”があることを直接的にではなくとも絶対知っていたはずである。それこそバイトの面接からスター選抜まで常に男が”選ぶ”側であって女性は”選ばれる”ことが多数であったことは否めない。この運動が周知された現在でもこの仕組みが無くなったわけではないだろうが…
今までの”歴史”や”慣例”や上役からの”指示”が本当に正しいのか、常に物事の”是非”を日々考えながらぼくたち男は被害者たちに謝り続けていくべきであるし、有史以来ぼくたち男は女性に被害を与えてきた”加害者”であることを自覚しなければいけない。
キャリー・マリガンとゾーイ・カザン(巨匠エリア・カザンの孫!!)のコンビは現代の働く女性としての姿も素晴らしくおっさんには懐かしい「大統領の陰謀」のダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードのコンビのアップデート版みたい思える。そしてこの事件の重要人物としてアシュレイ・ジャッドが本人役で出演していることに敬意を表したい。きっとつらい事件であったはずなのにとても勇気がいったことでしょう。また当時被害者の一人であるグウィネス・パルトロウと付き合っていたブラッド・ピットの会社プランBエンターテインメントが製作会社として関わり彼自身も製作総指揮に入っているのが素晴らしい。(ブラピはワインスタインにクンロクを入れたらしい)