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【DFM初戦の相手】データで見るCTBC Flying Oyster(CFO)【Worlds2023】
これはなに?
Games of legends(gol)というLoLプロリーグのデータが見やすくまとめられている統計サイトがあるので、これを眺めてなんとなくPlay-in出場チームの雰囲気を掴もうという企画です。というつもりだったんですが、CFOについて書き始めたら思ったよりも時間かかって力尽きたのでタイトルのようにCFOの話しかしません。そのCFOの部分ですら必要なことが全部書けたかというとけっこう怪しいです。特に選手の話が全くできてないのは大きな心残りです。
ちなみに、筆者にデータの整形や分析に関する知識はないので、文字通り眺めて気づいたことを列挙するだけです。筆者のLoL歴は3年でノマ専、プロリーグ観戦歴は5年です。
LoLにも詳しくないし統計にも詳しくないとくれば、こいつにこんな記事を書く資格があるのかという点に疑問を持つ人が多そうですが、誰も書かないのが悪いからセーフということにします。データを見るのは面白いので仕方ないというのもあります。間違ってたら都度指摘していただければ幸いです。全部中途半端じゃねえかお前の記事。
気になる人は今の段階でブラウザバックしていただけだほうが幸せになれると思います。
あとここで見れるのは各リージョンの決勝までのデータだけなので、その後に当たった2~5パッチの内容はは全く含んでいないことをご了承ください。
データで見る2023 Summerの傾向……の残骸
本当はここで全体のデータ見ながらプロリーグがどのような雰囲気だったか(例えばADCメタだったとか、MIDの影響力がいつもより低かったとか)そんな話を書きたかったのですが、gol(少なくとも無料版)にはそのようなデータがないので断念しました。これが好評だったら来年までには作れるようになっておこうと思うので、今年はみなさんが自分で想像してください(投げやり)。
CTBC Flying Oyster (PCS:2nd)
CTBC Flying Oyster(CFO)はレギュラーシーズンを5位で終え、プレイオフで2位まで勝ち上がりました。シーズンは2週の総当たり戦で、勝率は52.6%、タイブレークで勝ってギリギリ5位になったという成績ですが、ここを見ると、この順位は一周目で勝った相手に二周目で負けて下がった結果のようです。
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CFOのレギュラーシーズンのスタッツを見てまず違和感を覚えるのは、「Gold Differential at 15 min(GD@15)」の部分でしょう。これは試合15分までに相手に対していくらの有利を得たのか示す指標ですが、なんと+2448ものゴールドを稼いでいます。これはシーズンを一位で終えているPSG Talon(PSG)の+2452についで2位の数字で、CFOの一つ上の順位でリーグ4位だったDeep Cross Gaming(DCG)は+960なので、順位のわりにかなり高い数字です。
GD@15ではそれほど強いCFOですが、一方で、その下の、15分までにリードしていたときの勝率を示す「Win Rate when ahead at 15 min(WRwa@15)」はたったの66.7%しかありません。これはリードがあるときに勝てる確率でしかなく、負けたときの数字を含むGD@15と単純比較すべきではありませんが、ゴールドグラフ(下の画像)が似ているPSGが92.9%であることを考えれば、かなり低い数字であると言えると思います。上の画像と合わせて考えると、後半はリードをとっても全く勝てなかったということでしょうか。
*1
golには是非勝っているときのGD@15と負けているときのGD@15を分けて出す機能を追加していただきたいです。もう有料版にあったらごめんなさい。
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どうして負けているのか調べてみたのですが、指標はどれも中位らしい成績でよく分からなかったです。分かったのは15分までのドラゴン取得数は上位並みの成績なのに試合あたりのドラゴン取得数はかなり落ち込むので、BOTレーナーが大きな有利を作っていたということと、その有利を集団戦に活かせなかったこと、バロンの取得数が小さいので後半はやはり負けているということくらいでした。
平均ゲーム時間がリーグトップなので、直感としては中位チームにありがちな、ゲームを決めきれずにずるずると試合時間が伸びて、ミスが増えていくやつをやっていたのではないかと思います。
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*2
上のグラフで下位チームを削ってる理由ですが、PCSはリーグ統合の影響か上位チームと下位チームの2極化が激しいようで、LJLでは1000を超えるチームは3つで、すべてが2000未満に収まってるのに対し、PCSでは1000を超えるチームが5つあり、そのうち2000を超えるチームが3つあります。LJLではGD@15が-1000を切るチームが2つで、一番低いのがV3の-2536なのに対し、PCSではマイナスのチーム4つがすべて‐1000以下であり、そのうち2つのチームは-2916と-4852です。
PCSはLJLよりチームが2つ多く、10チーム制であり、今夏のDFMは一騒動あったせいでGD@15が少なめで、今春のDFMは+3200だったことは加味しなければなりませんが、全体の傾向は明らかです。
普通のチームならそれで終わりなのですが、CFOはプレイオフで2位まで勝ち上がってWorldsに進出するというジャイアント・キリングをやってのけているので、なぜ負けたか調べるのは諦めて、なぜ勝ったかを確認することにしましょう。まず、シーズンとプレイオフの選手スタッツを比較します。
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![](https://assets.st-note.com/img/1696651902038-mWec3E3zFW.jpg?width=1200)
TOPレーナーのキル関与率(KP%)とチーム内ダメージ比率(DMG%)が上がってますね。他にもMIDのKPが上がってDMG%が減っています。KPが下がった人はそれぞれ微減であることを考えると、MIDやTOPを中心としたアクションを増やしたというより、集団戦にTOP,MID(特にTOP)が関与するよう意識したみたいです。
*3
DMG%はMIDが減った分TOPが増えたという形なのですが、全体ダメージが増えただけなら割合は変わらないはずで、KPが増えてDMG%が下がるという状況がよく分からないです。スケールが強いチャンプは増えているのでそのことと関係があるのでしょうか。
他にも上半身を中心にチャンピオンのティアが上位と下位で入れ替わっていますが、この辺はあんまり詳しくなくて、何言っても怒られそうなので言及したくないです。一応、PCSのPicks & bans by patches(飛ぶと全世界で表示されるので注意)の表や被BAN率を見る限り、メタ的な変化ではない、チーム事情を中心とした変化であるように思えます。
*4
本当はPicks & Bans by Weeksを使いたかったが、実際のBPと完全にズレていた。
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これはシーズンとプレイオフのキルとアシスト(K+A)を色を分けてプロットしたマップですが、リバー、なかでもピット周辺でのキルが顕著に増えたことが分かります。BOTのKPは微減だったので気づきませんでしたが、TOPレーンだけでなく、BOTレーンでのキルが減ってリバー寄りになっていたようです。まあ、サイドに分けてキルを確認したところ、タワー周辺でのキルは基本的に相手タワー下でのキルだったのであまり関係ないかもしれません。
ここには貼っていませんが、特にTOPレーナーのキルデスヒートマップの変化は激しくて、@15で見るとシーズン中はレーン(相手タワー下)でのKDがほぼすべてなのに、プレイオフではこれが激減してヘラルドでのKDが増えています。シーズン中の@15ではTOPレーナーにほぼヘラルド前でのKDが発生してないのですが、かといってヘラルドを取ってなかったというわけではなく、上で紹介したように、HER%は良好なので不思議です。そうは思えませんが、トップレーンにタワーダイブしてボコボコにしてたから有利が大きすぎてヘラルドファイトが起きなかったんでしょうか?
*5
一般的に、プレイオフは総当りではないので試合数が減り、ヒートマップによる比較が難しくなりますが、CFOは準々決勝以降の試合をすべて5試合目まで戦ったので合計22試合を経験しており、なんとシーズンの19試合より多いです。分母が少ないので、それでも試合数は14%変化していて、K+Aもかなり変化しているとは思いますが、傾向を見るには困らないでしょう。
GD@15も+624まで下がってますが、これでも8チーム中2位で有利な方なので、序盤は相変わらず勝っていたのでしょう。WRwa@15も68.8%で、PSGが75%であることを考えると大きくはありませんが、相対的に見るとこれまでより大幅に改善していると言うべきでしょう。
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当然、この調整でCFOが完全体になったということはなく、準々決勝以降のすべてのゲームで5試合目までもつれ込んでいて、決勝ではPSGに負けていますし、(PSG相手ではないですが)60分ゲームという今期最長を狙えそうな死闘を演じていたりします。K:Dはほぼ変わっていないのに、Kills Per Game(1試合の平均キル数)が全チーム中最多なのは、この辺の事情が絡んでそうです。
集団戦で粘れるようになっただけで、すんなりと勝てるようになったわけではないのでしょう。これが今後も弱点になるか、一ヶ月で仕上げてきたかは気になるところです。よし、きれいにまとまったな!読む必要は全く無いですが、下に使わなかったデータと、この記事を書くに当たっての反省、という名の自分語りをまとめたので暇な人はどうぞ。
*6
特にプレイオフは各試合のデータをみて勝敗の詳細を探ってもよかったんですが、収拾がつかなくなりそうだったので諦めました。リンクを置いておくので気になる人は確認してください。
レギュラーシーズンのマッチリスト
プレイオフのマッチリスト
おまけ
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反省(感想)会
書いてみた感想ですが、想定が甘かったの一言に付きますね。Worlds出場チームのリージョンでの試合を観る配信を見ながらデータを眺めていたら、何試合か見るだけじゃ分からなそうなことがたくさん書いてあったので、もったいなく思えてきてこの記事を書き始めたんですが、データを見るということを甘く見ていました。もう全く時間が足りませんでした。
今書いてる部分も全体的に説明不足、掘り下げ不足で、全く丁寧ではないのと、golの範囲内だけでも見れてないデータや書けてないデータがたくさんあって、ちゃんと見ると今の分析が間違ってるみたいなことは普通にありそうですが、私情でこれ以上時間が取れないので区切りがついた段階で無理やり公開する運びとなりました。冒頭にも書きましたが、選手の話が全くできてないのは特に大きな心残りです。この記事なんのためにあるねんみたいな話にもなるので。
これに関連して、この記事のコンセプトの不明確さも問題でした。CFOがどういうチームであるかが主題なのは間違いないとしても、例えばCFOのドラマを書くならSpringに触れなければならないでしょうし、Worlds出場チームとしてのCFOを書くならレギュラーシーズンに触れる必要はなく、プレイオフの個々の試合を詳しく分析すべきだったかもしれません。そもそもざっとシーズンとプレイオフのチーム成績を眺めて雰囲気を掴むみたいな企画だったのに、それだけじゃ何も分からないどころか、下手をしなくても簡単に間違った結論にたどり着いてしまう事がわかって軌道修正したのがこの記事なので、この辺が雑なのは仕方なさもあるのですが、もっときれいに修正すべきでした。
色々書きましたが、自分の気持ちとしては、とりあえず、データを見てあれこれ考えるのは楽しかったし、自分ではこの記事が最悪の出来だとは思わないので、酷評でさえなければ機会を探してまたやりたいです。
データやLoLの知識が十分ではない自分が向いてる記事ではないと思いますし、手探りである以上何が間違ってるかわからないという不安もありますが、やはり楽しいのは大事です。今一番嫌なのはこの記事が全く読まれない可能性です。
下手をしたら間違ってるかもしれない記事を世間に公表するという行為の道義的責任についてですが、こんな記事真面目に読まないからセーフだろと思ってるところがあるので、真面目に読まれたら考えます。