拡張ラテン文字のフラクトゥール体

画像1 例年9月第2土曜日はドイツの記念日のひとつであるドイツ語の日で、ʼ23年は9月9日です。ドイツ文字はドイツ語字母《Ä・ä/Ö・ö/Ü・ü/ẞ・ß/ſ》の他にヨーロッパの各種言語に対応した拡張ラテン文字のフラクトゥール体が存在します。例えば《Æ・æ/Ə・ə/Ð・ð/ı/ȷ/IJ・ij/ĸ/Œ・œ/ꝛ/Þ・þ》などがあり、スロバキア語ハーチェック付きエル小文字《ľ》は別字形のように変化します。UnifrakturMaguntiaフォントに主要拡張ラテン字母のフラクトゥール体が収録されています。
画像2 UnifrakturMaguntiaフォントの外字に収録されているドイツ文字の異体字です。ラテン文字本来の字形に近づいているものも見られ、アー《𝕬》が本来のAに近づいているグリフはリングアバブ付きアー《Å》になる場合はリングアバブ《˚》と結合するための形状になり、アー小文字《𝖆》を大型化した字形はラテン文字アルファ《Ɑ》のフラクトゥール体と思われます。イクス小文字《𝖝》の異体字はラテン字母《x》型とストローク付き《ӿ》の2種が見られます。
画像3 UnifrakturMaguntiaフォントに含まれているダイアクリティカルマーク付きドイツ文字です。ラテン小文字《e》の付いたドイツ文字アー《𝕬・𝖆》, オー《𝕺・𝖔》, ウー《𝖀・𝖚》はそれぞれアー・ウムラオト《Ä・ä》, オー・ウムラオト《Ö・ö》, ウー・ウムラオト《Ü・ü》の本来の形状です。リガチャIJ《IJ・ij》のイー《𝕴・𝖎》とヨット《𝕵・𝖏》双方にアキュートアクセント《ˊ》が付いている字母も外字に含まれています。
画像4 UnifrakturMaguntiaフォントの拡張ラテン文字では〈ストローク付きW〉やストローク付きLの合字《łł》, ストローク付き長Sの合字《ẜẜ》が見られます。ラテン文字テーツェット《Ꜩ・ꜩ》はユニコードに採用されていますが、同フォントではU+E03Eに配置されています。UnifrakturMaguntiaフォントはSILオープンフォントライセンスとなっています。