いろいろな言語でピカチュウとジバニャン
2月5日はピカチュウの日で、2月27日はポケモンデーです。今年はテレビ東京系アニメ『ポケットモンスター』シリーズのサトシ編が完結予定となっていることから、一時代の一区切りとなっています。
2月22日は猫の日で、令和5年はベトナムで猫年、且つ日本のレベルファイブによるニンテンドー3DS用RPG『妖怪ウォッチ』発売10周年のアニバーサリーイヤーとなっています。
任天堂のゲーム『ポケットモンスター』シリーズ及びレベルファイブのゲーム『妖怪ウォッチ』シリーズは、主人公の仲間となるモンスター=妖怪を集める形式のRPGで、共に『月刊コロコロコミック』など小学館の雑誌で漫画連載され、テレビ東京系列でOLM制作によるTVアニメシリーズが放送されるといった共通点があり、ライバル関係にあるようです。
ピカチュウとジバニャンは2大主役級ゲーム創作モンスターであり、今回はいろいろな言語による2体の名称を取り上げます。
いろいろな言語でピカチュウ
ラテン文字を使用する言語では、カ行音を《C》に置き換えるなどの俗用表記も見られますので、参考に後述に記載しています。
なお、ラテン文字を使用する各言語のロゴなどでは本来の英語表記となります。
【Pikachu】ほとんどのラテン文字使用言語
【Pikachu / ·𐑐𐑰𐑒𐑩𐑗𐑵】イギリス英
【Pikachu / 𐐑𐐨𐐿𐐲𐐽𐐭】アメリカ英
【Pikaču】チェコ、スロバキア、セルビア・クロアチア、ラトビア
【Pikaĉuo , Pikaĉu】エスペラント
【Pikaçu】アゼルバイジャン、トルクメン、ザザキ - トルクメン語を除くチュルク諸語の大文字は〈PİKAÇU〉。但し、トルコ語では〈PİKACHU〉が正式表記。
【Pikasu】トキポナ - モンスターとしての名称は〈soweli Pikasu〉[ソウェリ・ピカス]。なお、ピカチュウが語源となっている俗語に“電気; 雷”の意の〈pika〉[ピカ]がある。
【Pikatsjú】アイスランド
【Πίκατσου】ギリシャ
【Пикачу】ほとんどのキリル文字使用言語
【Пікачу】ウクライナ、ベラルーシ、ルシン
【Պիկաչու】アルメニア
【Փիքաչու】西アルメニア
【პიკაჩუ / ᲞᲘᲙᲐᲩᲣ / Ⴎⴈⴉⴀⴙⴓ】ジョージア
【ᏈᎧᏧ / Quikatsu】チェロキー
【פיקאצ׳ו , פיקצ׳ו】ヘブライ
【פּיקאַטשו】イディッシュ
【بيكاتشو】アラビア
【بیكاتشو】エジプト・アラビア - 実際のネット上の表記は前述のアラビア語と同一。
【پيكاتشو】アルジェ・アラビア
【پيکاتشو】モロッコ・アラビア
【پیکاچو】ペルシア、パシュトー、ウルドゥー、西パンジャブ
【پيڪاچو】シンド
【پیٖکاچوٗ】カシミール
【پىكاچۇ】ウイグル
【ڤيکاچو】ジャウィ
【ޕިކާޗޫ】ディベヒ
【ܦܝܩܐܟ̰ܘ】アッシリア現代アラム
【पिकाचु】ヒンディー、ネパール
【पिकाचू】マラーティー
【पीकाछू】ヒンディー - インド諸言語表記用ラテン文字であるIAST式による〈Pīkāchū〉に合わせた表記。
【পিকাচু】ベンガル、アッサム
【ਪਿਕਾਚੂ】パンジャブ
【པི་ཀ་ཅུ་ , པི་ཀ་ཅུ།】チベット、ゾンカ
【ꯄꯤꯀꯥꯆꯨ / পিকাচু】マニプーリ
【𑂣𑂱𑂍𑂰𑂒𑂳 / पिकाचु】ビハール/ボージュプリー
【𑒣𑒱𑒏𑒰𑒔𑒳 / पिकाचु】マイティリー
【𑠞𑠭𑠊𑠬𑠏𑠯 / पिकाचु】ドーグリー
【ପିକାଚୁ】オリヤー
【ᱯᱤᱠᱟᱪᱩ】サンタル
【பிகச்சு】タミル
【പിക്കാച്ചു】マラヤラム
【ពីកាជូ】クメール
【ပိကာစူ / Pikācū】パーリ
【ပီကာချူး】ビルマ
【ปิกาจู】タイ
【พิคาชู】タイ - 映画『名探偵ピカチュウ』におけるタイ語正式名称。全て有気音で発音される。
【ປິກາຈູ】ラオ
【ꦥꦶꦏꦕꦸ】ジャワ
【ᬧᬶᬓᬘᬸ】バリ
【ᮕᮤᮊᮎᮥ】スンダ
【ᨄᨗᨀᨌᨘ】ブギス
【ᜉᜒᜃᜆ᜔ᜐᜓ】タガログ/フィリピノ
【ᜩᜲᜣᜦ᜴ᜰᜳ】ハヌノオ
【ᝉᝒᝃᝐᝓ】ブヒッド
【ᝩᝲᝣᝰᝳ】タグバヌワ
【皮卡丘 / Píkǎqiū】中国
【皮卡丘 / ㄆㄧˊㄎㄚˇㄑㄧㄡ】台湾華
【比卡超 / Bei²kaa¹ciu¹】広東
【皮卡丘 / Pi-ká-chiuh】台湾
【皮卡丘 / Bhíkaqioe】上海
【피카츄】韓国
【ピカチュ / Pikacu】アイヌ
【ピカチュウ / Pikacuu】沖縄
【ፒካቹ】アムハラ、ティグリニャ
【ⴱⵉⴽⴰⵜⵛⵓ】アマジグ
【ꔪꕪꖰ】ヴァイ
本来のPikachuなどの表記と異なるもの
各言語版『ポケモン Pokémon』では日本語のピカチュウ[pʲi.ka.ʨɯː]及び英語のピーカチュー[ˈpiː.kə.ʧuː]に近い発音にする方針且つ大半のラテン文字使用言語における表記で〈Pikachu〉に統一する方針とされていますが、綴りはフランス語ではピカシュ[pi.ka.ʃy], ドイツ語ではピカフー[pɪ.ka.xuː]と誤読される恐れがあるため、本来の現地語の綴りに置き換えた俗用表記が見られます。
【Pikachū】ほとんどのラテン文字使用言語 - 日本語のヘボン式ローマ字表記を尊重した表記。
【Pikacsú】ハンガリー
【Pikacu】マレー、インドネシア - 公式表記〈Pikachu〉はマレー語における1972年以前の旧正書法表記だが、インドネシア語の旧正書法ではピカフー[ˈpi.ka.xu]と読まれる。
【Pikaću】セルビア・クロアチア、ボスニア - 日本語標準語とチャ行は[ʨ]と同一発音だが、実際の表記は〈Pikaču〉が正式。
【Pikačú】チェコ、スロバキア
【Pikaçu】アルバニア、トルコ
【Pikatchu】フランス
【Pikatju】アフリカーンス、デンマーク、ノルウェー
【Pikatschu】ドイツ
【Picachu】スペイン
【Picaciu】イタリア、ルーマニア、モルドバ
【Picatchou】フランス
【Picatchu】ポルトガル
【Picatxu】カタロニア
【Pi-ca-chu】ベトナム - 現行正書法ではクォック・グー本来の表記ではなく、英語と同一の表記で固有名詞を示す。
【Пикатю】ほとんどのキリル文字使用言語 - 本来の日本語キリル文字表記。
【Пикацху】セルビア、ボスニア
【Пикаћу】セルビア、ボスニア - 日本語標準語とチャ行は[ʨ]と同一発音だが、実際の表記は〈Пикачу〉が正式。
【Пікачю】ウクライナ - 正式表記統一以前の表記と思われる。
【พิกะจู】タイ
いろいろな言語でジバニャン
ジバニャンのジバは〈地縛霊〉に由来し、地縛を含む〈地縛猫〉系統の表記が漢字圏の表記も台湾以外で採用されています。
【Jibanyan】ほとんどのラテン文字使用言語
【Jibanýan】トルクメン
【Cibanyan】トルコ、アゼルバイジャン
【Džibanjan】セルビア・クロアチア、スロベニア
【Τζιμπανιάν】ギリシャ
【Джибаньян】ロシア、カザフ
【Джибанян】ブルガリア
【Джыбаньян】ベラルーシ
【Джібаньян】ウクライナ
【Жибанян】モンゴル、キルギス
【Җибанян】タタール
【Ҷибанян】タジク
【Ҹибанјан】アゼルバイジャン
【Џибањан】セルビア、ボスニア、マケドニア
【Ջիբանյան】アルメニア
【Ճկպանյան】西アルメニア
【ჯიბანიანი / ᲯᲘᲑᲐᲜᲘᲐᲜᲘ / Ⴟⴈⴁⴀⴌⴈⴀⴌⴈ】ジョージア
【ג׳יבניאן】ヘブライ
【דזשיבאַניאַן】イディッシュ
【جبانيان】シンド
【جِبانٛیان】カシミール
【جيبانيان】アラビア
【جیبانیان】エジプト・アラビア、ペルシア
【جىبانيان】ウイグル
【جيبڽان】ジャウィ
【ޖިބަންޔާން】ディベヒ
【ܓ̰ܝܒܐܢܝܐܢ】アッシリア現代アラム
【जिबान्यान】ヒンディー、ネパール、マラーティー
【জিবানিয়ান】ベンガル、アッサム
【རྗི་རྦ་ཉང་ , རྗི་རྦ་ཉང།】チベット
【ꯖꯤꯕꯥꯟꯌꯥꯟ / জিবান্যান】マニプーリ
【જિબાન્યાન】グジャラート
【𑂔𑂱𑂥𑂰𑂢𑂹𑂨𑂰𑂢 / जिबान्यान】ビハール/ボージュプリー
【𑒖𑒱𑒥𑒰𑒢𑓂𑒨𑒰𑒢 / जिबान्यान】マイティリー
【𑠑𑠭𑠠𑠬𑠝𑠹𑠣𑠬𑠝 / जिबान्यान】ドーグリー
【ଜିବାନିଆନ୍ , ଜିବାନିଆନ】オリヤー
【ᱡᱤᱵᱟᱱᱤᱭᱟᱱ】サンタル
【ஜிபன்யன்】タミル
【జిబన్యన్】テルグ
【ಜಿಬನ್ಯಾನ್】カンナダ
【ജിബന്യാൻ】マラヤラム
【ජිබනියන්】シンハラ
【ဂျီဘာညန်】ビルマ
【ဇိဗါနျာန / Jibānyāna】パーリ
【ជីបាញ៉ាន】クメール
【จิบะเนียน】タイ
【ຈິບະເນີຍນ】ラオ
【ꦗꦶꦧꦚꦤ꧀】ジャワ
【ᬚᬶᬩᬜᬦ᭄】バリ
【ᮏᮤᮘᮑᮔ᮪】スンダ
【ᨍᨗᨅᨎᨊ】ブギス
【ᜇ᜔ᜌᜒᜊᜈ᜔ᜌᜈ᜔】タガログ/フィリピノ
【ᜧ᜴ᜬᜲᜪᜨ᜴ᜬᜨ᜴】ハヌノオ
【ᝌᝒᝊᝈᝒᝌ】ブヒッド
【ᝬᝲᝪᝨᝲᝬ】タグバヌワ
【地縛貓 / 地缚猫 / Dìfùmāo】中国
【吉胖喵 / Jípàngmiāo】台湾華 - ピンイン表記は〈Jípàngmiāo〉。
【地縛喵 / Dei⁶bok³miu¹】広東
【吉胖貓 / Kiat-phàng-niau】台湾
【地缚猫 / Dhívokmao】上海
【지바냥】韓国
【ジバニャン / Zibanjaɴ】沖縄
【チパニヤン / Cipaniyan】アイヌ - 方言によっては日本語に近い発音の〈ジバニヤン / Zibaniyan〉となる。
【ዢባኛን】アムハラ、ティグリニャ
【ⴷⵊⵉⴱⴰⵏⵢⴰⵏ】アマジグ
【ꕀꕑꕰꘋ】ヴァイ
本来のJibanyan表記と異なるもの
ジバニャンもピカチュウ同様、ラテン文字使用言語のほとんどは英語の〈Jibanyan〉で表記される方針となっていますが、ドイツ語ではイィーバニャン[jiː.ban.jan], スペイン語ではヒバンジャン[xi.ban.ʒan]と誤読される恐れがあるため、母語の本来の綴りによる俗用表記が用いられる場合があります。
【Dschibanjan】ドイツ
【Dzsibanyan】ハンガリー
【Gibagnan】イタリア
【Gi-ba-nhan】ベトナム
【Jibagnan , Djibagnan】フランス
【Jibanhan】ポルトガル
【Xhibanjan】アルバニア
【Yibañan】スペイン - ホータ《J》はハ行音[x]となることから、中南米などでジャ行音[ʒ~ʤ]となるイグリエガ《Y》に置き換えた表記。
【Дзибанян】ほとんどのキリル文字使用言語 - 本来の日本語キリル文字表記。