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仮名文字の字母名に対応する絵文字

5月18日はことばの日です。

今回はいろいろな方式による仮名文字の字母名に対応する絵文字を取り上げます。

和文通話表の字母名に当てはめた絵文字

和文通話表は日本語における正しい読みを伝えるための仮名文字のフォネチック・コードで、無線局運用規則に基づくもので、主に地名由来のものが目立っています。
令和3年時点での方式は、総務省の電波利用ホームページにある無線局運用規則のページで確認できます。

併記している仮名文字は左がひらがな、右がカタカナとなっています。

・A【🌅《あ・ア》】朝日のア[a]
・I【ℹ️《い・イ》】いろはのイ[i] - 日本語ローマ字表記で音を示すラテン小文字アイi》から。ひので字東眼式新カナ文字などラテン文字改造系新国字の《イ》はこの字に由来していることにもちなむ。
・U【🐼《う・ウ》】上野のウ[ɯ] - 上野動物園を代表する動物であるパンダから。
・E【🅰️《え・エ》】英語のエ[e] - 英語ラテン文字の第1字母であるエー《A》から。
・KA【💱《か・カ》】為替のカ[ka]
・KU【🏌️《く・ク》】クラブのク[kɯ] - ゴルフ倶楽部から。絵文字は倶楽部の〈club〉だけでなく、ゴルフボールを打つゴルフクラブの〈club〉にも掛けている。
・KE【🏞️《け・ケ》】景色のケ[ke] - 国立公園の絵文字から。
・KO【🧒《こ・コ》】子供のコ[ko]
・SA【🌸《さ・サ》】桜のサ[sa]
・SI【📰《し・シ》】新聞のシ[ɕi]
・SE【🗺️《せ・セ》】世界のセ[se] - 世界地図の絵文字から。
・SO【🧮《そ・ソ》】そろばんのソ[so]
・TA【🚬《た・タ》】タバコのタ[ta]
・TI【🐦《ち・チ》】ちどりのチ[ʨi]
・TU【🐢《つ・ツ》】鶴亀のツ[ʦɯ] - 鶴の絵文字はユニコード未登録。
・TE【✉️《て・テ》】手紙のテ[te]
・TO【🗼《と・ト》】東京のト[to]
・NI【🗾《に・ニ》】日本のニ[ɲi]
・NE【🐀《ね・ネ》】ネズミのネ[ne]
・HA【🖃《は・ハ》】ハガキのハ[ha] - ハガキの絵文字はユニコード7.0で採用されたが、カラー絵文字未対応。
・HI【✈️《ひ・ヒ》】飛行機のヒ[çi]
・HU【🗻《ふ・フ》】富士山のフ[ɸɯ]
・HE【☮️《へ・ヘ》】平和のヘ[he]
・MO【🍁《も・モ》】もみじのモ[mo]
・YA【🎎《や・ヤ》】大和のヤ[ja] - ひな人形の絵文字から。
・YU【🏹《ゆ・ユ》】弓矢のユ[jɯ]
・RA【📻《ら・ラ》】ラジオのラ[ɺa-/-ɾa-]
・RI【🍎《り・リ》】リンゴのリ[ɺi-/-ɾi-]
・RE【🪷《れ・レ》】れんげのレ[ɺe-/-ɾe-] - ラーメンを食べるときに用いる“さじ”の意と思われるが、漢字で〈蓮華〉と表記されるハスの花の絵文字で代用。
・RO【🏛️《ろ・ロ》】ローマのロ[ɺo-/-ɾo-] - 古代ローマの建築物の絵文字。
・WE【🪝《ゑ・ヱ》】かぎのあるヱ[we ウェ] - 代表単語ではなく、字形の特徴が字母名となっている。
・N【🔚《ん・ン》】おしまいのン[ɴ]

※〈すずめのス〉のの絵文字はユニコード未登録だが、エジプト文字に《𓅪》がある。
※〈マッチのマ〉のマッチの絵文字はWG2/ユニコードコンソーシアムに追加申請されたが、却下された。

🔶『官報』1950年6/30付に記載されている無線局運用規則の昭和25年版に含まれている和文通話表の字母名からです。国会図書館デジタルコレクションで確認できます。

・O【🧓《お・オ》】才のオ[o] - 字母の形状の類似から。才[サイ]はの略字として年齢の単位に用いられることにちなんで、年を取った人の絵文字から。現行字母名は〈大阪のオ〉。
・KU【🚗《く・ク》】車のク[kɯ] - 現行字母名は〈クラブのク〉。
・MI【🍊《み・ミ》】蜜柑のミ[mi] - 現行字母名は〈三笠のミ〉。

🔶近年の和文通話法における代替表記からです。

・NU【🖍️《ぬ・ヌ》】塗り絵のヌ[nɯ] - 塗り絵に使うクレヨンの絵文字。和文通話表で〈沼津のヌ〉に代わる表記として用いられる場合がある。

指文字の由来に当てはめた絵文字

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指文字の由来はラテン文字や数字などがありますが、一部に単語が由来になるものが含まれています。
画像のフォントはにしき的フォントを使用しています。

・A【🅰️《あ・ア》】Aのア[a] - ラテン小文字エーa》が由来にちなみ、大文字の絵文字で表示。
・I【ℹ️《い・イ》】Iのイ[i] - ラテン文字アイI・i》が由来。
・O【🅾️《お・オ》】Oのオ[o] - ラテン文字オーO・o》が由来にちなみ、大文字の絵文字で表示。
・KI【🦊《き・キ》】キツネのキ[ki]
・KU【9️⃣《く・ク》】9のク[kɯ] - 数字の9》が由来。
・KE【🦰《け・ケ》】髪の毛のケ[ke] - 絵文字コンポーネントとして採用された絵文字のため、フォントによっては囲み点線が付加されている。
・SO【👇《そ・ソ》】それのソ[so]
・TE【✋《て・テ》】手のひらのテ[te]
・NI【2️⃣《に・ニ》】2のニ[ɲi] - 数字の2》が由来。
・NU【🗝《ぬ・ヌ》】盗人のヌ[nɯ] - 手話の“盗み”の意が鍵の形状にちなむ説があることから。
・HA【🥢《は・ハ》】箸のハ[ha]
・HI【☝️《ひ・ヒ》】人差し指のヒ[çi]
・HI【1️⃣《ひ・ヒ》】1つのヒ[çi] - 数字の1》が由来。
・HO【⛵《ほ・ホ》】帆のホ[ho]
・MA【Ⓜ️《ま・マ》】Mのマ[ma] - ラテン小文字エムm》が由来にちなみ、大文字の絵文字で表示。
・MI【3️⃣《み・ミ》】3つのミ[mi] - 数字の3》が由来。
・MU【6️⃣《む・ム》】6つのム[mɯ] - 数字の6》が由来。
・ME【👁️《め・メ》】目のメ[me]
・YU【♨️《ゆ・ユ》】温泉のユ[jɯ] - 温泉マークの湯気に由来。
・YO【4️⃣《よ・ヨ》】4本のヨ[jo] - 指文字に使用する指の数である4》が由来。
・KATAKANA-HIRAGANA VOICED SOUND MARK【⬅️《》】だく音 - 濁音=有声音化する指文字を動かす方向に由来(例 : [bi]〈⬅️☝️〉)。
・KATAKANA-HIRAGANA SEMI-VOICED SOUND MARK【⬆️《》】はんだく音 - 半濁音化する指文字を動かす方向であるに由来(例 : [pi]〈⬆️☝️〉)。
・KATAKANA-HIRAGANA PROLONGED SOUND MARK【⬇️《》】のばす音[ː] - 長音を示すために、人差し指を〈☝️⬇️👇〉のようにへ動かす動作に由来。
・KATAKANA-HIRAGANA SMALL LETTERS【↗️《っ・ッ; ゃ・ャ, ゅ・ュ, ょ・ョ; ゎ・ヮ; ぁ・ァ, ぃ・ィ, ぅ・ゥ, ぇ・ェ, ぉ・ォ》】小書き[-ʲ-, -ʷ-] - 促音《っ・ッ》[-ː-], 拗音《ゃ・ャ》[-ʲ-], 合拗音《ぁ・ァ》[-ʷ-]を示すために、指文字を手前に引いて動かす動作に由来。