見出し画像

私をくいとめて

のんって、若いのになんか生意気だなって思うの(以下のんちゃん)。
先日小樽をロケ地にした「天間荘の三姉妹」をイオンシネマ小樽で見た(こだわったので書かせて)。映画はよかったのでパンフレットを購入して、役者さんの心構えなんかを知った上で振り返ってみた。
主演ののんちゃんのインタビューが最初に載っていて、たいへんに興味深く読んだ。このインタビューを読んで読んだだけでパンフレットを買ってよかったなと思った。けど同時に「まあ若いのに一人前のこと言って。天狗さんじゃないの、あなた」と感じた。
もう
自分の感覚がジジイなんだろうな。
後から少し自己嫌悪。
若い子が身につけたことをありのまま話してるのに生意気とは。しかも彼女は決して新人ではないし、役者経験だったそこそこになる。
自分が年取りすぎてるだけなんだなー。
ホントあかん、こういう感じ方。

そんなことへの懺悔の意味合いも込めて、彼女の「私をくいとめて」を見た。綿矢りさ原作って言うだけで何故か少し引いた。読んだこともないのにな。
先入観ダメ、絶対!
でも作品を見ると、思ってたとおりではあった。
なんだかめんどうくさい女の子がのんちゃん。
いやあ、本人のイメージとかぶる。(これも先入観。ダメ、絶対)
踏み出そうとするたびに、ギャーギャーワーワーと騒いで自分の中にいる子供の自分と向き合う。その人格はAと呼んでいるのだが、これは二重人格。演出の中ではAと話すシーンがたくさんあるのだけれど、これは内部の葛藤なのか?実際に声を出しているのか?
周りの人の反応を見て判断するが、時折口に出しているようだ。
明らかに危ない人である。

好きな男ができても彼女は踏み出せない。
何事か言い訳を考えてはAを困らせる。
そうか、この作品はエヴァンゲリオンなのか?
大人になれ、みつ子とつぶやいてしまうおれ。
多田と知り合ったことをきっかけにAはみつ子と決別宣言をする。
Aが甘やかすからみつ子は大人になれないのだ。
Aは何故か小太りの男だった。
この辺りはコメディにしておかないと、洒落にならない精神病理的映画になってしまうからね。
みつ子は決して病気ではない、独り立ちできないだけだ。
Aを失い、みつ子はやっと自分を確立する。
時間がかかったね。

それほど気を使ってみるべき映画ではない。
少女から女になる過程を女性の目から見たものだと思う(たぶん)。
むしろさまざまな表情を見せるのんちゃんを見る映画だろうな。
時々耐えきれないほどキュートな顔を見せたりするし、ワーワー叫びながら泣いたり。
その表情を見て楽しめる。
アイドル映画にしては演じるの難しい役だと思うけれど、のんちゃんのプロ意識の表れだとおれは見たよ。
彼女の映画は見続けるつもりです。
40歳くらいになった時、どんな役者になってるか、どんな役を演じているか、とっても気になるのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?