きゅーり
好きな本の記録✏︎感想メインです。 ネタバレはありません。
浅田次郎 著 主人公は定年退職を迎えたサラリーマン。 送別会後の地下鉄で倒れ、死の淵を彷徨いながら、自分の過去を振り返り、辿ってゆく...。 *** なんだか父の人生を覗いているような気持ちで読んだ。 もちろん、全く同じ境遇ではないのだけれど。 親を知らない主人公は、不幸を決して不幸と思わないよう、自分の実力だけで、必死に普通を目指した。 父の感覚がほんの少しわかったような気がして、読み終えてから考え込んでしまった。 読む人の状況によって、感想が異なると思う。 私
重松 清 著 7つの短編集。 記録をとろうと、軽い気持ちで 10年ぶりに開いて パラパラ開いて読んでいたら いつの間にか涙で顔がびしょ濡れ。 この本は必ず家で 予定のない日に読むことを オススメしたい。 重松さんはなぜ、こんなにも人間の心底をまっすぐ描けるんだろう。 あとがきによれば この作品は著者にとっても 恩師への想いがつまった一冊であるそう。 生死はいつもすぐそばにあって 他人事ではないんだよね。 おしまい
冲方 丁 著 --あらすじ---- 1868年3月、絶体絶命の江戸にて。 崩壊寸前の幕軍を統率する勝海舟は、 戦を終わらせようと策と和議を求め、 駆けずり回る。 対するは、幕府にとどめを刺すべく5万の官軍を率いる西郷隆盛。 日本の未来を賭け、 命も名誉も惜しまない2人の麒麟児による交渉が始まる...。 ---------- 主人公は勝海舟。 江戸の無血開城を実現させた人。 そして、その交渉相手は官軍・西郷隆盛。 この2人それぞれの交渉術が素晴らしい。 気づいた時には、夢
上橋さんの本は、小学校の図書室で守り人シリーズを読んでから大好き。 大人になってしばらくの間、この好きって気持ちを忘れていた気がする。 上橋さんの本は何冊にもなる長編が多いが、この『狐笛のかなた』は1冊完結。 物語の舞台は日本のような、違う何処か全く別世界のような。 *** 主人公は小夜という不思議な力を持つ少女。 ある日、犬に追われる子狐を助けたことから、隣国同士の争いに巻き込まれていく。 小夜のまっすぐな心が、争いの呪いや周りの人へ向かっていく....。 ***
真田といえば 真田幸村が頭に浮かぶ人は多いと思う。 どうして 何百年経った現在も 日本中に真田の名が 知れ渡っているのだろう...。 関ヶ原の戦いを舞台に 真田親子、兄弟の強い絆が ひしひしと伝わってくる物語。 *** 物語が進むにつれ、 どんどん引き込まれる。 まるで戦国時代へ タイムトリップして 各武将の話を こっそり盗み聞きしているような... そんな感覚で読んでいた。 どのように生きるかって 昔も今も人それぞれで 読み終えた時、 さぁお主はどう生きる?と
宮崎駿 著 チベットの民話を元にした物語。 宮崎氏はこの話のアニメーション化が夢だったそうだが、当時それは叶わず、何らかの映像化ということで漫画となったそう。 ***** 過去か未来なのか分からない、 貧しく小さな王国。 主人公はシュナという少年。 ある日、 王国で行き倒れていた異国の男との出会いによって、 西の彼方にある黄金の穀物を探し求める旅に出る...。 ***** 全く別世界のようで、そうではない。 私たちの現在の世界とリンクしているように感じた。 人間
山崎豊子 著 舞台は大阪。 主人公は多加という女性。 後の吉本興業の女主人をモデルとした物語。 ***** 多加は船場商人の娘として生まれた。 借金まみれの遊び人である夫を若くして亡くし、残ったのは借金と一人息子。 女手ひとつ、何がなんでも息子を食べさせていくという強い意志で商いを成功させていくが…。 時代に負けない強かな女性の生涯。 **** 一言で言えば、根性。 守るものがある人は強いなと思った。 自分に置き換えた時、ここまでできるだろうか。 到底無理だと言いたくな
灰谷健次郎 著 この本は灰谷さんの短編集が8つ入っていて、どれも子供が主役で、子供の目線で描かれている。 読んでいると、まるで子供たちと話をしているみたい。 一生懸命に日々を過ごす子供たちとその周りの大人とのやり取りが、どこか懐かしい感じ。 海に潜るのが大好きな男の子、 自分のやりたいことができず、希望なんて何もないと嘆く女の子、 養護学校へ通う女の子...。 子供ってなんてしっかりしてるんだろう。 大人の方が大事なことを忘れていたりして...なんて、ドキッと
山崎豊子 著 実はまだ読み終えていないんだけど...長編なので途中経過。 6月頃からずっと読んでいるのに、なかなか読み進められずにいる。初めての感覚。 覚悟して読まないと。 山崎豊子さんといえば、社会派小説の巨匠と呼ばれ、綿密な取材をもとに小説を書いていたそう。 この壮絶な内容を取材したことを想像しただけで、とてつもない強さを感じる。 *** 戦時中、日本から開拓団として中国へ渡った主人公:陸一心とその家族。 中国の地を耕しながら生活をしていたある日、開拓団は
武田三代(新田次郎著) 今日は先日読んだ"武田信玄"から続き、、、 新田次郎さんの武田三代を。 わたしは"武田信玄"の後に読んだけれど、実際には先に書かれた短編がほとんどとのこと。 読み手としては、"武田信玄"全4巻を先に読んだ方がつながると思う。 この本は、武田信虎、武田信玄、武田勝頼 三代の滅亡を書いた短編が7つ。 ”武田信玄”よりもフィクション感が強く、これまた物語として夢中になった。 滅亡の話だから明るくはないのだけれど、暗くもないというのが不思議。
さだまさしさんといえば もちろん歌手なんだけど、わたしは好きなんだなぁ。さださんの小説。 昔、映画化された"解夏"。あの本もとっても好き。 そこから見つけるごとに読んできた。 今日の「ラストレター」は、"笑ってクスッと泣ける" ありふれてるけど、この言葉がぴったりだった。 いや、逆かな。"泣けて笑える"一冊。 *** とあるラジオ局のお話。 主人公はアナウンサー4年目の寺島尚人。 その他たくさんの登場人物がいて、それぞれ個性がすごい。ものすごい強烈。
今日は全冊制覇目標の浅田次郎さん著書。 第117回直木賞受賞「鉄道員」 全部で8つの物語が込められた短編集だ。 昔、映画化された”鉄道員”は一番最初の短編。 そのほかに... ”ラブ・レター” ”悪魔” ”角筈にて” ”伽羅” ”うらぼんえ” ”ろくでなしのサンタ” ”オリヲン座からの招待状” このnoteを書くために、改めて何年かぶりに読み返していたら、ボロボロ泣いてしまって、今泣きつかれた状態でパチパチ打ちこんでる・・・笑 最後の解説:北上次郎さ
今日は伊坂幸太郎さんの一冊。 8年後に小惑星が衝突する... 地球の滅亡が決まってから5年。 滅亡まで残り3年となった、ある団地の住民たちのお話。 終わりを前にした人間にとっての幸福とは...? 物語が始まる前の冒頭にこう書いてある。 "Today is the first day of the rest of your life." ---by Charles Dederich. 今日という日は残された日々の最初の一日。 という文だけれど、この本を読み終え
蒼穹の昴 浅田次郎著 数年前から浅田次郎さんの本を全冊読む!というのが目標。 いつ達成されるのか、しかも全部で一体なん冊あるのか、把握もせずに掲げている。 なんてこった。 初めて読んだ浅田次郎さんの本は、たしか「王妃の館」だったと思う。これまた父に薦められて読んだ。 この一冊でもっと読みたい!と思ったのがきっかけ。 王妃の館についてはまた今度。 *** 今日はとりわけお気に入りの1つを。 タイトルのとおり 「蒼穹の昴」全4巻の長編。
ぼくのボールが君に届けば 伊集院静 著 とても好きな作品。 伊集院静さんの本も もともと父が好んで読んでいたのがキッカケで読み始めた。 今まで何冊も読んできたけれど、どれも綺麗。 綺麗、という乏しい表現しかできないのが悔しい。 "ぼくのボールが君に届けば" 本屋さんでなんとなくタイトルに惹かれて 社会人なりたての頃、初めて自分で買った本だったかな。 短編集が9つ入っていて、すべて野球をとおして 人と人とが関わり合う物語になっている。 正直、野球に
結婚をきっかけに 実家を離れることになって 父が貸してくれた本。 新田次郎さんの著書は初めて。 武田信玄といえば 誰でも一度は名前を聞いたことがあるくらいの有名な戦国大名だけど正直何を成し遂げた人なのか。。。 漠然と"すごい人"としか認識していなかった。 武田信玄の一生が 風の巻 林の巻 火の巻 山の巻 全4巻で綴られている。 縦読みしたら "風林火山" 全文は、 "はやき風のごとく しずかなること林のごとししん りゃくすること火のごとく うごかざるこ