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近況と雑感

北陸新幹線のルートがじわりじわりと決定する様相。

福井県の小浜駅〜東小浜駅間に出来る小浜新駅から南下、京都府南丹市美山町を山岳トンネルで京都市内へ抜ける計画だそうだ。

京都市内のルートは、地下水の影響のみならず、地下構造物の影響もあり現状では3つのルート案が示されている。

https://www.jrtt.go.jp/project/turuhannrennrakukaigi6%20.pdf

私は北陸新幹線延伸計画にとって重要なことは次の3項目だと考える。

①関西〜北陸を直結すること

②出来る限り早期に開業すること

③都市圏や沿線に恩恵があること

環境への影響を抑えること、営業収益を安定させること、安全運行することなど、当たり前のこと以外だと、新幹線計画は大きな予算やカロリー、時間を使うもの。私なりの3点のポイントについては、計画そのものの是非を問う重要なものであると考えている。

長大な山岳トンネル、都市部の地下区間を多く抱える小浜ルートの場合、②は期待できそうにない。環境アセスを経たとして、シビアな工事になることが多いことが予想される。そこは有識者たちも頭を抱えていることだと思う。

①について、現計画の小浜ルートはダイレクトに大阪、京都から北陸方面へ直結するルート案であり、在来線の代替として体をなしていると言える。

③については、京都府北中部への恩恵が少ないだけでなく、様々な負担が多いのではないかと懸念する。府内南部、京田辺市に新駅が出来ることはトピックではあるが、先の提案で示した通勤新線としての役割や、京都市内の交通基盤として新幹線施設、インフラを利用するくらいの大胆な施策を実現しないと、北陸新幹線利用者だけでは収支の埒もあかないことが予想できるし、何よりも勿体無いと感じる。

改めて私はこれらの懸念、課題を解決するために、新たな3つの提案をする。

❶湖西ルートへの変更

先の寄稿で提案したものである。

構造的に踏切がない高架複線であるJR湖西線を新幹線用に転用し、在来線の運転頻度が低い近江塩津〜堅田付近まで現状の設備を改良の上、在来線各駅停車と線路を共用する。

堅田付近からは山岳トンネルを抜け京都市山科区へ。山科に京都市内ターミナル駅を新設。山科より南下し、現行ルート(京都市内東西案)に倣い、京田辺市より新大阪へ向かう。

小浜を外せない、という理由もあるだろうが、敦賀〜小浜〜舞鶴までの在来線を改良、利便性を向上することとセットで行うと、随分工期や予算を削減できるのではないだろうか。

敦賀から湖西線近江塩津付近までは新線、近江塩津から堅田までが既存の湖西線を使用(在来線は線路共用)、堅田からは新線で山科に新京都駅を新設。

❷京都市内の複層シールドトンネル

小浜ルートで建設する場合、現行のルートより東側を通り、西大路通の地下を進み、阪急京都線の西院駅付近に新幹線ターミナル駅を作るのはどうだろうか。

また、金閣寺道から西院、JR西大路駅までは複層シールドトンネルとし、新幹線と在来新線を併設、地下鉄西大路線として建設すれば、恐らく投資額に見合う利用者が見込めるだけでなく、京都市内の交通空白エリアへの恩恵と、現状のインバウンド混雑緩和にも大きな効果があるのではなかろうかと思う。

金閣寺〜西大路までは複層トンネルで地下鉄西大路線を併設。北陸新幹線の新京都駅は「西院駅」とするプランはどうだろう。北陸新幹線沿線への恩恵という意味ではこれくらいやってもらいたいところである。

❸舞鶴ルートの復活

現行ルートでの京都府の負担、費用対効果を考えると、やはり舞鶴ルートを推す理由は大きくなる。

敦賀からは少し大回りになってしまうルートだが、小浜、舞鶴より綾部、園部、亀岡、京都へ向かうルートまたは、亀岡にターミナル駅を作り京都市内を通らず南下し新大阪へ向かうルートも考えられる。

随分遠回りなルートではあるが、並行在来線の改良が期待できないエリアの利便性は高まるのではないだろうか。


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