マ社長の星屑レビュー☆第22回「Voyager/Moonchild」

今回ご紹介するのはMoonchildです。Moonchildといえば90年代後半に「ESCAPE」という曲で一世を風靡した日本のバンドがおられましたが、それとは別物でございます。アメリカはロサンゼルスの3人組で女性ボーカルとキーボード2人、ライブではサポートでドラムと一緒に演奏されてるみたいです。

自分が彼らを知ったのが2年前にリリースされた「The Truth」って曲のシングルで、CD買ったんですけど、ビデオとか見たことなかったんで、勝手にDJさんかトラックメーカーさんが女性ボーカルをフィーチャリングしている
ユニットかなんかだと思っていました。

それが↓なんですが、
Moonchild - 'The Truth'

今回これを書くにあたりちょっと調べて見たら、まずバンドなんかいなってなりまして、まずそこにびっくりしています。しかも昨年日本公演↓もあったんですが、
MOONCHILD : LIVE @ COTTON CLUB JAPAN (July.22,2016)

メンバー全員ラッパ吹くんかいって二度目のびっくりでございました。調べて見たら女性のアンバー・ナヴランさんがボーカル、サックス、フルート、マックス・ブリックさんがサックスとキーボード、アンドリス・マットソンさんがトランペットとキーボード、ということで、ちょっと変わった編成のバンドの新作でございます。それでは聴いていきたいと思います。

まずはタイトル曲のイントロという設定のインスト。トレモロの効いたエレピとストリングスで物語始まる感満載でスタートします。

ストリングスの音がそのまま伸びて2曲目がスタート。やっぱりアンバーさんのほんのちょっとだけざらっとした感触が好きなんだろうなと再認識します。隙間が多い落ち着いた曲調でギターも鳴ってます。たぶん鍵盤ベースなんですが、ならではのフレージングがかっこいいです。シンプルなドラムで基本音色が入れ替わる鍵盤とコーラスで構成されています。ほんでもって、曲変わったと思ったらまだ2曲目やった。なんじゃ、このアウトロ。今は聞かなくなったテープの「巻き戻し」音からのアウトロが付いてます。

Moonchild - Cure (Official Video)

3曲目。先ほどよりもドープで現代的なズレリズム。取り入れてこられますよね。これだからしっかり勉強したミュージシャンはやっぱすごいなとジェラスを感じる瞬間です。あと、今までのイメージよりもコーラスワークを多く取り入れておられます。フルートの二重奏のソロもこのボーカルの人が吹いているんだと知ると、聴きごたえがありますね。あと、本当にちょこちょこっとだけ出てくるアコギなどの使い方がお洒落だなと。

4曲目。レコードのプチプチ音の中ドラムだけがループして、ストリングスのサンプリングとともに入ってくるバンド、かっこいい。水の中で聴いているような感覚のする曲ですね。かと思ったらめっちゃ電子音とともに木管も鳴っていたり、ブレイクの瞬間にだけティンパニが鳴っていたりして、リズムはループで鳴っているのに上物で世界観が一変する感覚が面白いです。

5曲目。逆回転のドラムのイントロからブレイクしてからの本編。変なイントロとアウトロがこのアルバムのテーマなんでしょうか。めちゃめちゃ跳ねたビートにセクシーなベースとエレピ、これが彼らの基本の形だなと
思いながら、この曲も木管も入ってきて、実は彼らは木管も吹くのかと思ってしまいます。サックスとクラリネットやったらリードもおんなじやからなと考えていたら、さっき見たライブ映像を思い出しまして、曲の途中でドラム以外みんなラッパ吹き出す瞬間とかがあるから、そんな自分たちのスタイルがレコーディングにも反映されているのかなとも一瞬思いました。

6曲目。ラジオボイスのピアノとエレピのイントロからのバンドイン。やっぱ何かしらのことをトロでやってこられます。しかし生ピアノとエレピが共存していて、その裏でベースも鳴っていて鍵盤の人すごいけど大変やなと思ったら、ライブでお世話になっている鍵盤の我らが野崎さんも同じ大学のヒイズミさんもリハの合間によくそんなことされているなというのを思い出しまして、やっぱ器用なんだなということを再認識しましたなう。

7曲目。インタールード的な曲でインストかと思いきや歌ってきました。「Doors Closing」ってタイトルなんですが、自分たちの「Mind The Gap」的な感覚にも思われます。

8曲目。耳の中がフゴフゴする曲。右に左にくるくるする鍵盤がフゴフゴする。別に嫌いなわけじゃないんですが、なんなんですかね、このフゴフゴ感。でも自分はこのフゴフゴ感があるとそればっかり気になってしまうのです。

9曲目。全体の音色に変化があんまり無いからかかもしれませんが、若干聴くのに飽きてきました、すんません。そつの無いお洒落なトラックばかりなんですが、トラック自体に人感が薄いので、歌も若干機械的に聞こえるからかもしれません。あとベースの音色がほぼ一緒だからか。ちなみにただいま10曲目のタイトルは「Now and Then」。それだけはお伝えしておこうかなと思いますが、飽きちゃったのでこの辺で締めたいと思います。

しかしながら、この作品というより、YouTubeを見て、ライブで見てみたいと思ったバンドでございました。最初はバンドだとも思ってなかったんですが、生々しい演奏をしているのを知ってしまうと、なんだかそっちが魅力的に思えてしまったマサシ40歳の梅雨入りでございます。

でも普通にかっこいいアルバムですし、何気にYouTubeで全曲試聴もできますから、興味のあられる方はぜひ聴いて見てくださいなですm(_ _)m

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