マ社長の星屑レビュー☆第19回「Semper Femina/Laura Marling」

さて、いつものようになんかないやろかいと見てましたらLaura Marlingの新譜が出てましたんで、久しぶりに洋楽でいってみようと思い、ポチッと致しました。

簡単な説明をいたしますと、イギリスの女性シンガーソングライター。分かりやすい。ちなみに18歳の時にデビューされてまして、それがマーキュリー賞にノミネートされたりして注目を集めまして、現在27歳で6枚目のアルバムでございます。あと、大事なところが2月1日生まれってとこで、自分と誕生日が一緒でございます。

というわけで、1曲目、早速ビデオがあったので載っけときます。

Laura Marling - Soothing

なんだか妖艶なビデオでございますが、可愛らしいかっこいいと言われていた時代から、大人の表現力とともにセクシーさを手に入れられたのかもしれません。音は無骨でシンプルなセットを竹ひごで叩いてる雰囲気のドラムに、左右にアコースティックとエレキのコーラスががったフレーズと真ん中にミューテッドなベース。そんだけの超シンプルと思ってたらサビで不穏なストリングス出てきました。かっこいい。民族的パーカッションだけ残って、ヴァーズはシンプルに戻るんですが、一瞬のサビが惜しげない感じで、雰囲気で隙間を埋めている感じがいいですね。

2曲目。ど頭一発白玉のコントラバスがかっこいい、アコギの変なアルペジオのイントロから逆回転サウンドをきっかけに歌イン。えっ、どっちかのギター、逆回転なんかな。違うか。どうやって弾いてんにゃろ。あ、っと思って調べたら、やっぱプロデューサーがブレイク・ミルズでした。
ギターなんでしょうが、ギターに聞こえたり聞こえなかったりする音色で曲の色を作るのは流石だなと思います。
この曲にも美しいストリングスが入ってきますが、リズム楽器は何かを竹ひごで叩いてる音くらいで、ベースも白玉しかないし、やっぱギターの変なアルペジオが世界観を作ってますね。気持ちいい。

3曲目。この曲もまた何を叩いたはりますのんという打楽器から、アコギのストロークで始まり、エレキギターでのアクセントが気持ちいいです。ってか前の曲からギターしか聴けんようになってもうた。あかんあかん。
この曲をこの雰囲気で歌えるってのが、ブリティッシュ・フォークの代表格と呼ばれる所以なんだろうなと思いつつ、この曲も映像あったんで載っけときます。

Laura Marling - Wild Fire (Official Lyric Video)

4曲目。オールドなドラムマシーンをちっちゃいアンプで鳴らしたようなリズムとエレギギターと歌、鈴が印象的だと思いきや、そこに生のザ・ブリテッシュって感じのリズム隊が乗っかってきた時、気持ちいいです。これにもストリングスが入ってくるのですが、全体的になんだかふざけている感じがしまして、たまに入る弦のオブリとか、言葉尻の歌のエフェクトとか、リズムからしてそうなんですけど、ギターの全部。そんなんいらんやんって音だけで構成されているような感じがして、ものすごく好感が持てた一曲。

5曲目。すごいヒスノイズ。ラジオを録ってるんですかね。ノイズが演奏してました。いい音のコントラバスと可愛らしいドラムマシーンによくわからんエレキ。サビの不穏なところでコンバスがアルコになるのがインパクトあるなと思いつつ、2番はチェロかよって言ってたら一瞬だけのアコギ&エレキのソロ。飽きさせまへんな〜。
サイレンが鳴り始めたと思ったらすごい音を弦がぶつけてきてたんですね。びっくり。しかし、やっぱこんだけやられたら楽器の音聴いちゃって歌聴けへんなと、改めて思いました。悪いことじゃないし、そんな聴き方すんのミュージシャンとか独特な人やろし、関係ないんやろけど、ここまで70%くらいブレイク・ミルズのアルバムな感じがします。

6曲目。シンプルなアゴギのアルペジオにブラシのスネア。ピアノが鳴った。エレピ?初めてかな。さっきの曲で一箇所あったけど、すごく少ないコーラス。男性っぽいのでブレイクさんのコーラスかもしれませんが、ほぼほぼをソロボーカルで持ってきている中で声が重なるとやっぱりインパクトがあります。優しいストリングスの入り方。この曲は真面目に作ってはるなと思いました。美しい。

7曲目。この曲も何かしらの自然音がリズムになっていますが、この曲も綺麗です。気持ちのいいアコギのフレーズが印象的なんですが、この曲にも鍵盤っぽい音とコーラスが入ってきてます。最近はやりの後半になるにつれ暖かい音、人っぽい感覚ってのをわざと作っているのかもしれませんね。色々鳴ってるけど、めっちゃ歌聴けます。突き放して歌うんじゃなくて、感情が入って歌っている感じがします。

Laura Marling - Next Time

8曲目。アコギのアルペジオは相変わらずの、ヒスノイズからテープ揺らしてきたはりますね。これはプラグインなのか?アコギだけをクソ古いレコーダーで録ってんのかな。わかんないんですが、ここにきてザ・弾き語り。めっちゃかっこいいです。歌とアコギしかないんですが、なんだかジム・オルークの世界観に通じるもんを感じます。どっちが弾いてるのかは知らないですが、いい弾き語りだなと思いました。最後まで揺れてるし。

9曲目。かっこいい音。最後にバンドサウンドに戻りました。しかしながら
刻む音がほとんどなく、ライブでこれをやれって言われたらムッチャ難しそう。三拍子で程んどの人が小節頭で合わして音出してます。しかし全部ええ音やな。なんだか最後の最後に二人の真骨頂が合わさった感じがしました。

Laura Marling - Nothing, Not Nearly (Official Lyric Video)

というわけで、全9曲で42分。いいアルバムだな。このアルバムも一回だけではわからない、いろんな聴き方ができると思います。なんだかんだですごい才能のぶつかり合いをしているアルバムだと思うので、また聴きこんでいきたいと思います。

(マ)

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