マ社長の星屑レビュー☆第26回「ホワイト・アルバム/サトミツ&ザ・トイレッツ」

先日、くるりのオリジナルドラマーである森信行氏から連絡がありまして、「二度目のメジャーデビューやねん」としてこの音源が送られて来ました。なんだかその響きがカッコよく思えたのですが、なんでTwitterのメッセージで送ってきよんねんという謎とともに、それならば買うということで、ポチッといたしました。
せっかくやからCD買えよと自分でも思うのですが、邦楽コーナーに行くのは嫌いなんです、すんません。というわけで、今回はこの音源を聴いていきたいと思います。

まずはどんなバンドやねんということで、紹介文をコピペしますと、

トイレの素晴らしさを歌で表現し、トイレに関わる諸問題を歌で解決することを目的としているサトミツ&ザ・トイレッツ。気になるバンドメンバーには、錚々たるアーティストが名を連ねており、山田稔明(GOMES THE HITMAN)、伊藤俊吾(キンモクセイ)、佐々木良(キンモクセイ)、伊藤健太(ex.ゲントウキ)森信行(ex.くるり)がそれぞれ“トイレネーム”を名乗りながら活動。日本トイレ協会会員 グッドトイレ選奨2年連続受賞、トイレクリーンマイスター 名誉トイレ診断士とトイレ文化に精通している佐藤満春と実力派アーティストがタッグを組んで完成した“サトミツ&ザ・トイレッツ”のメジャーデビューアルバム『ホワイト・アルバム』。全11曲すべてトイレにちなんだ歌詞に、バラエティーに富んだサウンドがつまった1枚に仕上がった。

ということです。
もっくん情報をお伝えしておくと、トイレ好きの佐藤満春さんが学校でビッグ便をしにくい小学生のためトイレをもっと身近で当たり前なものにして行く活動?的なことみたいです。それを今回はビートルズへのオマージュを含め、「ホワイト・アルバム」になったんだとか。まあ、聴きゃわかるか。その前にトイレに行って用を足してまいります。

さあ、すっきりしたところで聴いていきたいと思います。
まずは1曲目、「日本のトイレからこんにちわ」最初に曲タイトルを叫んでくださるあたり、わかりやすいです。ピンポンパンとかポンキッキなんかで流れてたでありそうな雰囲気ではあるものの、溢れ出すぎるトイレ愛により、トイレの歴史や性能なんかに言及されているため、早速ぶれているのかぶれていないのかもわかりません。
音楽的には「Ob-La-Di, Ob-La-Da」的リズムの上で言葉に合わせたキメと日本的なBメロが印象的でちゃんとギターソロもあるのが素敵です。いいですね、ツインリード。

2曲目は「ぷりぷり行進曲」分かりやすいです。サビの9割の歌詞が「ぷりぷり」で構成されてます。歌詞的にはしっかり出すためにいっぱい食べようというコンセプトです。ぷりぷりのバックで流れるファルセットのコーラスに刹那を感じます。
しかしなんだ、この無邪気ではない大人を感じてしまう感触は。音が子供達に向けられていない気がすでにしてしまうようで、ちょっと不安を覚える2曲目でした。

3曲目「僕の小さな悩み事」いきなり音質が80年代に変化したのでびっくり。シンセが鳴るとやっぱ世代が変わるんですね。悩み事はやっぱりトイレに行けないことだったんですが、学校での男子の悩みを歌われています。女子は個室ですから、男子は大変だということなんですが、そこらへんが大人感というか、子供向けに思えない、共感とあるあるに感じてしまうところかもしれません。って、どんなレビューやねん。

4曲目「KUSOしてみて」またサウンドは遡った時代に戻りました。こんなタイトルなのに多分アルバムで一番いい曲なんじゃないでしょうか。ちなみに「KUSO」は「空想」という意味でございました。このバンドはコーラスワークが素敵ですね。ビートルズよりビーチボーイズを彷彿するコーラスアレンジが数多く施されていて気持ちいいです。

5曲目「PULP!」曲も短いのでサクサク進みますが、こちらはもう「助けて!」ですね。って元ネタは「Please Please Me」やないか。引っ掛け問題でした。英語歌詞で始まりましたが、聞かんでもわかる、紙がないやつや。タンバリンがでか目になっているのと事あるごとに入る無理やりのタム回しが素敵です。途中から日本語歌詞なんですが、ゆりあんレトリィバァ状態です。なんか怒られるかもしれませんがシガベッツ思い出しました。

6曲目「THEO」またディスコちっくなサウンドに戻って来ました。この曲は男女二人の語りになってます。TMNの「EXPO」にこんな曲入ってたなと思い出しました。まあ、「手を洗え」という内容です。あかん、自分が何やってんにゃろという気分になって来ました。

7曲目「ノー・トイレット・ノー・ライフ」いきなりのトロンボーンが印象的な一曲。音楽的にはそれぞれ大人がやりたいことをやってるという印象で楽しそうでいいんですが、さすがに全てトイレネタだともううんちじゃなくてげっぷが出ちゃいそうな気分になって来ました。続編を作られるならさりげない、新たなトイレ感の表現を聞いてみたいです。ほんまか。

8曲目「トイレと革靴」こちらはまた80年代歌謡曲を彷彿させる曲調で、歌詞的には二行前に書いたリクエストを実行していただいている気がします。みんなこういう曲を自分のバンドでは絶対できひんからここでやるという、ある意味トイレ的な作品なのかもしれません。

9曲目「答えはトイレのなか」こちらはまた普通にいい曲です。トイレということに対してふざけていないことに共感を覚えます。やっぱコンセプトの始まり自体がふざけているから、内容は真面目にやんないと大人の悪ふざけになっちゃいますもんね。2曲目から感じた違和感はそういうことだったのかもしれません。割合的にもうちょっとこっち路線が多かったらよかったかな。みんなのうたで流せそうな感じ。

10曲目「あしたトイレに行こう」ここにきて気づいたんですが、この曲調やサウンドは曲作った人で分かれているんですかね。だとしたらめっちゃ失礼なことを書いてるかもしれませんが、そういえばボーカルも何人かいはるし、まあええか。

11曲目「今夜はCLEAN IT!」最後の曲でございます。ここに来てRIP SLYME的トラックにラップが乗っかって来ました。最後にまたネガティブなこと言っちゃいますが、タイトルでオマージュを見せるならその曲っぽいことをやってくれはったらいいのにと思っちゃいます。「今夜はビート・イット」感が皆無なことに対してなんでやねんとちょっと思ってしまう自分に大人気のなさを感じる2017年の師走でございました。

というわけで、何が間違いって今年最後のレビューのチョイスでした。サトミツ&ザ・トイレッツのみなさんごめんなさい。真面目にこんなことを書くために生まれたアルバムじゃないということは重々分かっているのですが、つい。
しかしながら子供達が学校で自由にウンチができる日を願い、もっくんの二度目のメジャーデビューを祝いまして、2017年の締めくくりとさせていただきます。来年もよろしくお願いいたします。

(マ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?