近況と雑感
この世で最も加担したくないのが、いじめ。
残念ながら、この2024年になってもいじめは無くならないし、私たち人間の想像力が鈍感になり続けるばかりで、よりいじめを助長する世の中になっていることが想像できる。
「弱いものいじめ」という言葉にはいくつかのトリックがあり、誤解を招くものだと思っている。
というのは、予め弱いものをいじめる構図以外にも、世の中のいじめには様々な構図が存在する。有名人のSNS炎上なども、あれははっきり言っていじめ構図だし、世の中には弱者/被害者であることを盾にいじめに加担するようなひともいる。
人は正義を振り翳そうとすると、不思議な連帯感を意識して自分に陶酔する傾向があるらしく、その精神構造といじめには恐らく密接な関わりがあるらしいから、気をつけなければいけない。気を抜いていると、誰でも加害者になる。
被害者の外堀を埋めて、誰にも相談できない状況をつくり弱らせていくのが、いじめ加害者が持つ「悪意」だ。そして、周りの人はその狡猾な構図に飲み込まれ、逆に被害者のことが滑稽に見えたり、あいつに問題があるからいじめられるんだよな、みたいな風に思ったりする。
いじめに加担するひとは、悪意があるひとと、鈍感なひとだと思っている。どっちも良くないが、前者をやってしまうと、もう取り返しがつかない。
もしもあなたが、人をいじめて傷つけてしまったとしたらどうすればいいんだろう。謝っても、多分許してもらえないだろう。いじめられた側の傷は、ずっと取れずに一生付き纏う。私怨のようなものが長い間残り続けて、消そうと思ってもずっと消えない。
もしあなたが学校や部活や塾なんかでいじめられていたとしたら、今は死にたいかも知れないけど、チャンスを見つけて生きていてほしいと思う。今誰もわかってくれない気持ちを、誰かが分かってくれる時が来るし、多分これを読めるくらいの状態だったら、自分自身が強くなるチャンスでもある。
いじめたひとは、事が過ぎればすぐ忘れてしまうんだと思う。次のターゲットを探すために。
大人になったら、こいつ合わへんとか、あいつウザとか、調子乗んなよ、とかなったとしても、対象を無視したり、距離を置いたりする。リテラシーも上がり、周りの環境を作ることが出来る人が増えるから、大人のいじめは目立たないけど、実のところ日本の大人によるいじめはすごい数だと思う。
いじめは会社や学校だけではなく、家庭内でも起こり得ることだ。嫁いびりやDVのような分かり易いものだけではない。ネグレクトや逆DV、親いじめも存在するだろう。家庭内には逃げ場はない。
日本の教育のせいなんだろうと思う。いじめを他人に相談することに、恐ろしいほど高いハードルがある。今では様々なカウンセリングやAIチャットもあるとはいえ、いじめが引き起こす複雑に膿みきってしまった心の傷を誰かに理解してもらうことはとても大変なことだ。
被害者の声というものは、本人たちのプライバシーの問題があるから、公にされることは少ない。私もいじめ被害者だったが、公然と他人に言えることはとても少ない。
体験談というものは、どうしても関係のない誰かによって盛られてしまうことが多いようにも思う。
そんな中、うーん、これはなかなかリアルだなぁと思った漫画、リンクを貼っておきます。