マ社長の星屑レビュー☆ 第16回 K25 ~KOIZUMI KYOKO ALL TIME BEST~/小泉今日子

出ました、キョンキョン。3年遅れでCS放送のあまちゃんを見ている僕にとって、今一番ホットな歌手、キョンキョン。

年末の帰省ロングドライブ用に購入したのですが、今キョンキョンを真面目に聴いたらどう感じるのかってことで、楽しく聴いていきたいと思います。ちなみにベストもたくさんリリースされていてどれにするか迷ったのですが、有名どころがコンパクトに収まっているこれにしました。それでも20曲入り!

まずは自身最高売上の代表曲「あなたに会えてよかった」。こちらは小林武史作曲の小泉今日子作詞です。とりあえずベースの音がバキッとしていてロックぽい印象のオケにサックスの歌追っかけオブリが気持ちいいです。歌のバックのコード感を出す音色が、金管、シンセ、山下達郎さん的なコーラスと目まぐるしく変わっていくのがしっかり作り込まれているなという印象です。いいレコーディング。しかもこんなエンディングやったんやというアレンジ。これは売れますね。

続いて「木枯らしに抱かれて」。こちらは高見沢俊彦作詞作曲で自分内好きな曲ランキングでもかなり上位です。マーチングのタイコに入る重厚なベースと12弦ギターの印象的なメロディー。と思ったら歌が入ってのベースのダブルストップのスライドがかっこいい。やはり高見沢さんの曲ということでしっかりギターソロも入ります。タイコの音はさすがに時代を感じる打ち込み?ですが、非常にバンドっぽい音作りだったんだなと知りました。あと、いつも「木枯らしに吹かれて」って思っちゃってますが、「抱かれて」です。はい。

「優しい雨」イントロ知らない。ゆったりなバラードですね。メロトロンのようなバッキングが印象的と思ったらサビめっちゃ知ってた。作曲鈴木祥子作詞小泉今日子です。音数が少なく、パーカッションで16分を出してタイコはくそシンプルっていう非常に演奏が難しそうな曲です。1番と2番の間の間奏に時代を感じますが、サビのキョンキョン自身のコーラスが非常に可愛らしいです。

「なんてたってアイドル」。歓声からのピックスクラッチで始まってたんですね。この曲。ロックなイメージのアイドルだったのですかね。アイドルじゃないけど、カエラちゃんのデビュー時のイメージとかぶります。筒美京平、秋元康コンビで、ちょっぴりYMO的なエレロック。昔はよくあった歌の上手いお姉さんの追っかけがいい感じです。ラッパ隊が盛り上げ、小室哲哉的な鍵盤アルペジオもいい雰囲気を出しています。いやぁ、詰め込んでますね、いろいろと。ピンクレディーの「UFO」のオマージュのようなシンセも聞こえます。ようできてる。

「学園天国」。こちらも壮大なギターのピックスクラッチとかっこいいベースの音、ノイズで始まる、フィンガーファイブのカバーですね。井上忠夫、阿久悠コンビです。普通のかっこいいバンドサウンドです。
Aメロがウォーキングベースやったんやってのと中盤に「My Generation」的なクッションが入るのを初めて知りました。この曲、ギター、ベースめっちゃ頑張ってはります。

「The Stardust Memory」。そんなロックな2曲から一転、ザ・アイドル的な曲になりました。途中で入るハープでかっ。昔の生歌番組での生演奏の絵が見えるようなオケですね。あの指揮者がいはるやつ。こちらは高橋研作曲、高見沢俊彦作詞ということで、高見沢さんも星屑が大好きなんですね。

「ヤマトナデシコ七変化」。いきなりアルゼンチンの高原みたいなと思ったらこの曲でした。筒美京平作曲、康珍化作詞というコンビ。途中でまたスパニッシュギターとエレキのギターソロが入るのですが、歌裏では全く鳴っていないという、琥珀色の街、上海蟹の朝みたいな楽器使い。基本タイコ、ベース、シンセでたまにギターのカッティングも入るのですが、ステレオでわりかしなり続けるパーカッションが少々鬱陶しいです。しかし、こういう聴き方をしていると歌が全く入ってこないということも今気付いてきました。

「夜明けのMEW」。こちらも好きな曲上位の曲。筒美京平、秋元康コンビです。昔から人を問わずに好きなポイントがあるんですが、歌が2拍3連で入るのが妙に印象に残ってまして、この曲で言ったら「君を全て知っていると思っていた」のところなんですが、なんだかツボなんです。
パッと思いつくところで言ったら渡辺美里の「悲しいね」の「強くて清らかな生活に」の「清らかな」の部分が好きなんです。というわけで、この曲も小室哲哉色があるなと思うのですが、それもアレンジの時代性なのですかね。こういうシンセを聞くとTMを感じてしまうのです。あと、ギターのカッティングがかっこいいです。

「My Sweet Home」。なんだかピチカート5みたいなイントロで始まりました。ビブラフォンとストリングスにワウカッティングと細かいパーカッション。スネア頭打ちのタイコが変わるBメロに入ってくるオルガンがかっこいい。そこでベースが刻み始めるのもいいですね。それぞれの役割がしっかりしていて、とってもオシャレなアレンジです。あとAメロ折り返しの「あー」がいいですよね。

「迷宮のアンドローラ」。そんな曲知らんし、20曲入りのアルバムをチョイスしてしまったことを後悔し始めました。いかにも迷宮っぽいイントロから始まるこの曲。筒美京平、松本隆コンビです。「アンドローラ 銀河からのラビンユー」、「アンドローラ テレパシー感じる 心は無重力に アンドローラ」というわけのわからない歌詞がいかにも当時のアイドルが歌わされている感満載でいいですね。そのあとのディミニッシュ押しの感想がアンドローラ感の演出なんでしょうか。とりあえず銀河の話なのですが、アンドローラは人の名前なのか?うおっ、終わり方変。

「艶姿ナミダ娘」。こんなイントロやったっけ。ちょいフュージョンサウンドになりました。変な曲。馬飼野康二、康珍化コンビです。いろんなことがよく分からないAメロとBメロとサビが関係ないじゃんと感じてしまう今日この頃です。

「水のルージュ」。うわぁTMみたいと思ったらこの曲でした。好きなイメージがあったのにAメロBメロ全然覚えていません。ブレイクからのサビ。これですね。このパートの印象しかありませんでした。筒美京平、松本隆コンビです。87年作品なのですが、このアルバムが始まって初めての分かりやすい4つ打ちビートです。意外。もっとこの時代多いと思っていました。TMで言えば「Get Wild」が出た年ですね。ベスト盤を聴くときはそういう風に他者の時代性と一緒に考えると楽しいですね。あとちょっとだけBメロが世良公則&ツイストの「銃爪」みたいで「今夜こそお前を落としてみせる」と言いたくなる感じがします。

「月ひとしずく」。アコギとビートルズ的ベースから始まる爽やかな曲だと思ったら知っている曲でした。逆回転なども効果的に使われていて、ジェリーフィッシュ感も味わえる楽しいオケです。これは94年作品みたいなのですが、
アイドル、アイドルしてなくていいなと思ったら奥田民生、井上陽水コンビだったのですね。全然知らんかった。

「真っ赤な女の子」。そんな感じで90年代の親しみある気分になっていたらまたザ・アイドルな曲に引き戻されました。振り回してくれますね、この曲順。特に言うことはありません。

「Heart Breaker (Short Version)」。またハードロックが始まったと思ったら高橋研、高見沢俊彦コンビということで、サビ前のシンセオケとシンセティンパニの展開がすごい。ギターソロもたっぷり弾き倒してはります。ベースも珍しくスラップを挟むプレイでってか、2番サビ前長すぎ。歌入っても盛り上がらへんと思ったら2番サビの歌が強くていいですね。でも、この曲やりたいことやりすぎ。関係あらへんと思ってしまいます。

「渚のはいから人魚」。はい、もうズッキンドッキんです。

「キスを止めないで」。これも好きな曲上位です。なんと野村義男、秋元康コンビ。この曲は歌がかっこいいなという印象があったのですが、やっぱかっこいいです。ラッパ隊やハードロックギターに打ち込みリズム隊やと思うのですが、割とカラフルなオケに負けない歌力があります。やっぱ80年代後半になってからのキョンキョンがどうも好きみたいです。

「魔女」。知らん。筒美京平、松本隆コンビです。あ、サビだけ知ってる。これも85年作品みたいなのですが、ここら辺までは本当歌上手い系のお姉さんの追っかけと言いますか、山下達郎さん的な専用の歌詞もついた追っかけ
コーラスが多かったんだなと改めて思いました。

「あたしンちの唄」。短っ。1分22秒で終わったと思ったらアニメのオープニングだったんですね。普通にストーリーに沿ったいい歌だなと思ったら作詞、作曲浜崎貴司でした。こんなのあったんだ。

「なんてったってアイドル(K25 Remix)」。いよいよ最後の曲です。JB風のイントロにスクラッチが乗っかるノリノリの曲だと思ったらAメロでは「We will rock you」的なリズムになり、全体的にテンポ速いモータウン乗りが
あるという、曲に仕上がっております。はい。

というわけで、20曲ざらっと聴きました。驚いたことに全然疲れません。いいですよね、たまには歌謡曲。そういうのが渋滞だらけの8時間ドライブとかに潤いを与えてくれるのです。あと「潮騒のメモリー」も買おっと。

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