フリースロー
日焼けした少年たちがバスの中に夏のにおいを持ち込んで来た
思うように生きてゆけない ゆっくりとフリースローを投げるまねする
まっくろな影法師ふたつ歩いてる肩と肩とが重なっていく
短水路に木の葉浮いてる いつまでも泳ぎ続けたおととしの夏
この胸の花に名まえをつけた人ことばと共にあなたは今も
河川敷を自転車で行く分からないことしかなくてあすしかなくて
夕まぐれややうつむくと街の灯が川面に映りわたしも揺れる
にがうりの蔓が支柱に手を伸ばす生きようとして生きようとして
ランニングシュートの練習ばかりした 教室のなか居場所がなくて
味の濃いゲータレードを凍らせる引きこもるのは止めにしたんだ