文学 始末書 事故報告書

久しぶりに始末書を書いた。自分的には、大した損害は与えていないと思っている。

わりと厳しい会社で、問題が発生すると、捉え方にもよるが「事故」として社内に通達として出回る。上司曰はく「会社を律する」行為なのだそうだ。さて、私は中間管理職なので、部下の起こした「事故」、ミスとも言うが、上司に報告して「事故」認定されると、「事故報告書」の執筆を命じられる。

初任の頃から指導された、自社の「事故報告書」の書き方だが、何回も書くうちに「なるほど分かりやすい」と思ったので、ここに”note”してみる。

先ずは表題だ。ここで躓くと、後の文章が良くても差し戻しを食らう。表題は、「どんなことが書かれている」かが、分からなければならない。この手の文章は、上に行くほどつぶさに読まない。そして、「事故報告書綴り」のインデックスで、後々、探すのに苦労するからだ。

(例)○○会社に対する××商品の問合せに対し回答を怠り、当該商品の取引をキャンされたもの。

こんな感じだ。次は要約された文章。

(例)○○会社への納入後の××商品納入時に、当該商品の次回納入時期のについて問い合わせがあったが、それを受けたA担当者が回答を失念した。その後、自社代表電話に、回答がない事に対して指摘があり、当該商品の取引をキャンセルする旨の連絡が入った。

これで、要約。それから詳しい経緯と原因の分析、対策。

A担当が○○会社に当該商品の納品に伺った際、ご担当者様から、納品時に「次回の納品時期」について問い合わせを受けた。A担当は「社に帰って連絡する」と伝え、次の納品先へと移動。帰社後、問い合わせを受けたことを失念した。

(原因)
配送は二名一組であるが、もう一人は搬入作業中でA担当者と、ご担当者様との会話を聞いていない。A担当者は特記事項は、発生時に日報へ記入し、納品先から移動する前に二人で確認する事がルールであることを分っていたが、それを懈怠した。

(対策)
全体に対する調査の結果、殆どの配送担当者が特記事項への記入を怠り、移動前の確認もしていなかったことが判明した。また、職長による日報確認後の押印は、机上提出後にまとめて押されていた。
今後、改めて特記事項への記入を徹底する事と共に、職長は帰社後の社員に対し対面での日報及び特記の有無について口頭で確認。押印は書類と共に、まとめ押印防止のため、社内共有ソフトの電子承認にて行い、日時を記録するものとする。

こんな感じですかね。必要ならば、間に発生までの時系列が入るわけです。この場合、A担当員の業務開始から始まる、その日の長い一日が記載されるわけです。

それで、始末書何ですが、A担当はこの場合は、経緯通り非を認めて、改善案を受け入れるのですね。そして、ここが大事なのですが、「本件に対するいかなる懲罰を受けます。」と、結ぶわけです。勿論、常識的、且つ就業規則で定める範囲で責めを受けると言う事です。解雇とか損失を負担とかは無いのです。いわゆるテンプレですね。

こんな事を書いたのには理由があり、世の中には、現在進行形で、このような文章が行き交っているのです。「事故報告書」も「始末書」も、何かの表現方法の一つと捉えることが出来るのではないか。「始末書」なんか、お堅いエッセイとして読んでもいい。幾多の「始末書」を書いた私が言うのだから、間違いは無いと思う。なんなら、「世界の始末書集」があってもいい。

身近にある文学。それが、「事故報告書」「始末書」。今日は、そんな事を”note”してみました。決して、不本意に始末書を書かされたからではありません。





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