オタクが生きがいを奪われた時の対処方法
新型コロナウイルスの影響で参加予定のイベントが中止になったインスタのフォロワーさんから、こんなDMをいただきました。
※個人の特定を防ぐため、一部抜粋して掲載しております。
「どうしようもない理由で生きがいを奪われてしまって、感情をどこにぶつけたら良いか分からない」という内容なのですが、同じようなDMをここ数日いくつかいただきました。
わたし自身は今のところ自分が参加予定だったイベントが新型コロナウイルスの影響で中止になった…ということはありませんが、9年前の今ごろ同じような経験をしています。
もしかしたら察しがついた方もいるかもですが、9年前の今ごろにあった出来事と言えば…3.11[東日本大震災]です。
被災した地域はもちろんですが、その他の無事だった地域でも当時イベント中止が相次ぎました。
「被災してどうしようもなくつらい思いをしている人がいるのに、無事だった地域だけ楽しい思いをするのは不謹慎だ」という空気が日本全体にあったからです。
わたしは当時「天装戦隊ゴセイジャー」という特撮番組のオタクだったのですが、参加予定だったファイナルライブツアーのいくつかの公演が中止になりました。
※スーパー戦隊シリーズは、番組終了後にメインキャストが全国を回ってヒーローショー等をするファイナルライブツアーというイベントがあります。
文字通り、このツアーが戦士たちに会える最後の機会なので、その数少ない機会がなくなってしまったわたしは、当時かなり絶望していました。
でも被災された人たちの方が想像を絶するつらさを感じているだろうと思ったので、自分の素直な気持ちを表に出すことも出来ませんでした。
DMを送って下さった皆さんの気持ちは、痛いほど良く分かります。
なので経験者として、QUNの中の人はこうやって乗り切って来たよ!という方法を書いてみようと思います。
怒りや悲しみを何かにぶつけようとしない
DMを読ませていただいて、怒りや悲しみは何かにぶつけたり自分の外側に吐き出したりすることで癒せる…と考えられているように感じました。
めちゃくちゃ個人の見解なんですが、その対処方法ってあまり効果がない気がしています。
怒りや悲しみに限らずですが、強い感情って周りに伝播しやすいので、外に吐き出すと周りの人も同じような感情になる可能性があるんですよ。
SNSとか見てるとそうじゃないですか?TwitterのTLやトレンドで怒ってる人を見かけると、つられて自分もイライラした気持ちをぶちまけてしまう…みたいな。
怒りや悲しみをみんなが外に吐き出すと、何となく世界全体がどんよりしてしまう。世界がどんよりすると、自分もどんよりしちゃう。そんな感じです。
なので他の何かにぶつけたり外に吐き出したりするのは、わたしはおすすめしません。
自分の感情を「観察」しよう
わたしが対処方法として実践しているのが、自分の感情を「観察」することです。
具体的に何をしているのかと言うと、とにかく記録する=日記を書いています。記録は観察の基本なのでね。
そして、書いた日記を定期的に読み返すようにしています。
わたしは10年くらい前から日記を書いているんですが、続けることで以下のような効果がありました。
①自分の感情をコントロールしやすくなる
②同じような出来事があった時に冷静な判断が出来る
③シンプルに楽しい
毎日同じように生活しているつもりでも、感情は日々変化しています。記録しておくと、その些細な感情の変化に気付けるようになるんですね。
昨日と今日で感情の変化はあったのか?変化があった場合、昨日と今日は何が違ったのか?どんな行動をしていたのか?
振り返りを何度か繰り返していると、自分がどういう行動をするとどんな感情になるのか分かって来ます。
感情のパターンを理解すると「これをやると悲しくなるからやらないでおこう」みたいな対策が出来るので、感情をコントロールしやすくなります。
自分の感情を意識的にコントロール出来るようになると、周りの空気に流されて何となくイライラしたり悲しくなったりすることが少なくなります。
人間って周りの空気に流されて自分自身の気持ちを見失うことが割とある気がするので、流されないようにコントロールするのってすごい重要だと思います。これが①の効果です。
そして②の効果なんですが、記録しておけば例え脳が忘れてしまっても日記を読み返せば思い出せるので、未来で同じような出来事があった時に「これ、前にも経験したやつだ!」って感じで、冷静さを取り戻せます。
(進研ゼミの販促マンガでよくあるやつですね💪)
実際に今わたしが割と平常運転でいられるのは、日記を通して3.11の時のことを思い出せたからなんですね。「9年前にめっちゃ絶望してたけど、今も元気に生きているってことは、今回もきっと何とかなるだろう」と。
DMの中に「推しに会えることはオタクの生きがい。生きる意味。」と書いてありますが、一時的に生きがいや生きる意味を失ったとしても、人間はどうにかこうにか別の楽しみを見つけて生きていけるんです。
これって、めちゃくちゃ希望だと思いませんか?
なのでわたしは、未来の自分への希望をつなぐために、10年間ずっと日記を書き続けています。まあ、毎日は書けてないんですけど…😝
あと③のシンプルに楽しい、というのが実は1番大事だと思っています。
オタ活って、自分で選べるのは推しや運営が決めたことに対する「イエス・ノー」だけじゃないですか。好きなことをやっているから自分の意思で選んでいるように思ってしまうんだけど、実は他人の言動に合わせた意思決定しか出来ない。
人間が幸福感を得るには「自分の人生を自分でコントロールしている」っていう納得感が必要なので、人生の楽しみにかけられるリソースをオタ活だけに全振りするのは、生き方として割とハードモードだと思っています。
それを踏まえると、日記を書いて読み返す=自分自身を知る行為は、最高のエンターテイメントなんじゃないでしょうか?
だって自分がやろうと思った瞬間に始められて、自分にやる気さえあれば生きている限り続けられるから。突然の活動休止や卒業・脱退・サービス終了で、メンタルがズタボロになることもないです。
なので今どうしようもなくつらい…という人は、ぜひ日記を書いてみて欲しいです。
ちなみに、日記は手書きが1番良いと思います。デジタルな文字よりも、手書きの方が後から得られる情報量が多いからです。
(心が荒んでいる時とか、時間に追われている時は字が汚いな…みたいなことです)
あとブログとかSNSに投稿しようとすると、他人の目を気にして本音を書けないので、自分だけが読めるようにするのがおすすめです。
まずは自分の生活を平常運転に戻す
わたしなりの対処方法をザザッと書いてみましたが、最後にひとつ言わせて下さい。
自分が傷ついた状態で、無理して「推しのために」とか考えなくて良いです。
ネットを見ているとイベント中止で経済損失◯億円〜みたいな話が出ていて、それに対して「推しの活動を支えるためにファンは◯◯をしよう!」みたいな意見がチラホラあるんですが…
イベント中止で損失・赤字があるのは、ファンも一緒です。チケット代は払い戻されても、現地まで行った交通費や宿泊費、それまでにかけた時間は戻って来ないですから。
なのでオタク・ファンの人たちも無理をせず、まずは自分の心の傷を癒し、生活を出来るだけ平常運転に戻すことに注力すれば良いと思うんです。
(推しのために出来ることをするのが、自分の心の傷を癒すもっとも効果的な行動だと"ご自身が"判断した場合は、ぜひそうして下さい!それは悪いことではないです👌)
事態が一刻も早く終息し、日常が戻って来ることを心から祈っています。
一生、楽しくオタクを続けるために
QUNはわたし自身の「一生、楽しくオタクを続けたい」という思いから、その方法論を探すために立ち上げたインスタメディアです。
なので「QUNが発信したコンテンツを見て、自分と同じ境遇の人がいると分かって少し気が楽になった」というお声をいただけたのが、今回すごくうれしかったです。
自分が楽しくオタ活するためには、周りのオタクもハッピーでいてくれることが不可欠だと思うので、少しでもハッピーになれるオタクが増えるようなコンテンツを提供出来るよう、これからもがんばります✨
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